2021年08月30日

マーケティングの基本が増刷になりました!

拙著「<新版>マーケティングの基本」が増刷になりました。2019年に新版になってから7刷目です。2009年の初版から7万部を超える部数にまできました。ご購読いただいた方々には御礼申し上げます。いつもながら、テキストとして採用していただいているマーケティング教育関係の方々にも感謝しております。



◆ロングセラーは著者にどういった影響を及ぼすか?


7万部と言っても、12年の長きに渡っての増刷ですから、1年あたりは5千部ちょっとの計算です。ベストセラーではないですけど、ロングセラーと呼ばれるようにはなりました。いつも「増刷です!」という告知に終始してきましので、今回はこのロングセラーは著者に何か影響を与えるのか、という話を綴ってみます。


本書が発売5年ぐらいから徐々に感じてきた事ですが、どかっと売れるわけでもない、かといって途切れて消え入るような気配もない、という状態は著者、このヤスハラのことにかぎっておりますが、不思議な感覚にさせます。


スキューバダイビングをする方はご存知だと思うのですが、水の中で沈むでもなく浮かび上がるでもない状態を中性浮力と言って、海の中のほどほどの水深に身を保つのは大切なスキルです。上手になると自然な呼吸だけでこの中性浮力を保てるようになります。


ロングセラーの本は常に書店に自著が存在してくれます。とはいえ、大々的に積まれて売れるような扱いでもありません。この状態は中性浮力が働いているかのようです。しかし、スキルは皆無です。常に一定の読者が、決して大量ではなくても、支持してくれる循環にいることを意味してますから、狙ってもできるようなサイクルではないのです。


一方で、ヤスハラもベストセラーに憧れて本を執筆しています。どかーんと世間の話題になって、おおーっという部数が販売されることに純粋に羨ましさを感じます。まあ、人としての器は小さめですからねw。


しかし、こういうロングセラー状態を自分ごとで眺めていくと、何かこれはこれで凄い力が働いているのではないのか? そんな畏敬の念に駆られたりするのです。海の側が勝手に水中を漂わせようとしている感じです。


一冊で有名になるとか、印税で生活の全てを潤わせるといったことには全く縁がありません。相変わらず場末のコンサルトとして地味に立ち回るしかありませんし、印税は有難い収入の補填にはなっても仕事をしないで良いわけでもない。


その不可思議さを噛み締めながら仕事にダイブして行け!、といったメッセージを12年目の増刷に垣間見るのです。でもって、今日も「あーでもない、こーでもない」とかブツブツ呟きながら、執筆やら資料作りをしているのさ

Posted by yasuhara at 2021年08月30日 15:57
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