新規市場創出とセグメンテーションの関係図

新規市場創出とセグメンテーションの関係図


・狭義のセグメンテーション
通常、セグメンテーションというと市場細分化を意味する。これに従えば、セグメンテーション=小さい市場という見え方になる。このセグメンテーションの定義では新市場を創出するといった大きな展開は難しいことになる。よって、成熟化している市場などでは不向きの概念と言える。


・広義のセグメンテーション
一方で、セグメンテーションという概念を大きく捉えることで市場創造型の商品開発(サービス財であれば、新サービス開発)が説明できる。


図表参照 広義セグメンテーション図


図表(pdf)は狭義のセグメンテーションを含みながら広義の視点で関係図にしたものである。
「樹形図―黒線」は昔のビール市場を区分けしたものであり、「樹形図―赤線」は現在に至る進化を区分けとして記入したものである。
黒線に対し、細分化した例としてドライ・ビールがあるが、市場創造としてチルド・ビール、発泡酒がある。
広義のセグメンテーションから見ると、新たなセグメンテーションが樹形図の下へ向かうものが細分化パターンであり、分岐点から横へ向かう線を引けたものが新市場創造パターンである。


大型でインパクトのあるセグメンテーション=新市場創造であることは明らかであるが、成功率は低い。確実性が高いが小さいセグメンテーション=細分化による商品開発では、魅力は低くなりがちだ。しかし、大きくシェア構造を変える結果を導くもの(ドライ・ビールなど)も存在する。


・プロジェクトの役割明確化
既存樹形図をベースに新製品開発プロジェクトの役割を明確にすることができる。
「何か新製品を出せ」ではなく、「ここに新たなライン(図表では赤線)を引く新製品開発をする」という表現で、市場インパクトに関しての期待値を役割として明示することが出来るのである。これは、プロジェクトが複数存在してもそれぞれの担う役割での重複や矮小化・肥大化を避けることを意味し、事業中期計画とのアクション段階での整合性も取り易くなる。


2007.8.4

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