「少子化」で学ぶリサーチ分析の基本

■「少子化」で学ぶリサーチ分析の基本


「少子化」問題の解決をテーマにリサーチ分析のコツについて解説してみましょう。


・前提について
「少子化」自身が本当に問題なのかどうか、本来はここから規定すべきですが、結局、「理想の人口構成は何か?」といった基準提示にまで行き着くので、ここではそこについては触れません。


さて、「少子化」が問題である、ということにして、どのようにアプローチすべきか考える時、以下のような分析によって解決アイデアの出し方が楽になります。


まず、分析対象を女性としてみます。
(年齢幅を書くのは危険なのでお任せします・・・笑)


①「未婚ーこれからの結婚意志なし者」→その理由
②「未婚ーこれからの結婚意志あり者」→その理由
③「既婚ー子供ゼローこれからの出産意志なし者」→その理由
④「既婚ー子供ゼローこれからの出産意志あり者」→その理由
⑤「既婚ー子供一人ーこれからの出産意志なし者」→その理由
⑥「既婚ー子供一人ーこれからの出産意志あり者」→その理由
⑦「既婚ー子供二人ーこれからの出産意志なし者」→その理由
⑧「既婚ー子供二人ーこれからの出産意志あり者」→その理由
⑨「既婚ー子供三人ーこれからの出産意志なし者」→その理由
⑩「既婚ー子供三人ーこれからの出産意志あり者」→その理由
以下、このパターンで子供の人数が増え、それぞれ番号


①が②になり、②が③になり、③が④にと、該当しているクラスが次の番号に進むフローを少子化解決の考え方にしたものです。


そして、そのための解決すべき課題点を「その理由」から抽出していく手順です。つまり、番号がガッチャン、ガッチャンと次へ次へと移ってくれる対処アイデアが最終的に出生率アップに繋がるということを意味します。


「その理由」はいくつかのクラスターに分かれるので、その後、他の「デモグラフィック」要素(所得・職業有無・住居形態など)との相関を見ると、「その理由」から解決策を見つけたとき、施策の対象者が明確になりますね。


余談になりますが、「その理由」を聞き取るためにはデプス・インタビュー(一対一)が不可欠ですし、男性(特に上記それぞれの配偶者)も同様に調べ、夫婦間でのギャップも取るのが望ましいです。


これは、ノンユーザー→トライアラー→リピーター→ロイヤル・ユーザーという既存商品のユーザー分析を当てはめただけのものです。実は、分析には時系列比較、競合比較、セグメント区分比較の三つがあります。


上記は、最後のセグメント区分比較になっています。少子化の時系列比較は、年次で見る出生率低下の問題提起データです。競合比較は、北欧に比べてどうだとかいう話です。


こうやって考えると簡単ですが、デプス・インタビューの人数は膨大なので、予算は大変です。税金ですからね。とりあえず、日々のマーケティングでは有効です。(笑)


2012.4.28
※近況報告で書きためたものを加筆修正

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