マーケティング部門における業務区分と時間枯渇の構造

マーケティング業務は大きく5つに区分けされる。※分解すると、2+2+1=5。


◆業務区分
まずは、大きい業務区分として新商品開発(サービス財であれば新サービス)と既存商品の育成である。それぞれが二つに分かれる。
業務区分チャート参照


1)販売活動のサポートをする業務。
既存商品育成においては、現時点で販売活動がなされており、マーケティング計画が実施段階にある。よって、その活動自体を遂行するマーケティング業務がある。部門的にはマーケティング部、営業企画部、販売促進部など企業によってまちまちだが、日々の売上を指標にするので業務の時間サイクルが非常に速い。


2)マーケティング戦略そのものを立案する業務。
既存商品の年間、または、半期などといった期間にどのようなマーケティング活動を行うかを立案する。すでに、既存商品の基本戦略(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングなど)は決定されているので、戦略レベルでの修正が必要かどうかを消費者調査からの分析で判断し、これを戦術レベル(マーケティング・ミックスなので4P)で具体的な施策化する。部門的にはマーケティング部、事業部などで扱われる。半年から一年のサイクルが一般的。


3)新商品を既存マーケット向けに開発する業務。
既存ブランド活用か新たなブランドを立ち上げるかに違いはあるが、新商品の開発を通じて既存ビジネスの強化を図るという意図は変わらない。ここでの業務は環境分析、新商品コンセプトの策定・絞り込み、マーケティング戦略の立案、市場導入計画までが当たる。マーケティング部、開発部などが担当する場合が多い。業務サイクルは比較的長く1年―3年程度である。


4)新規マーケットを創出するための商品を開発する業務。
全く新たな市場を作るために、業務量が非常に多いだけでなく、未知の情報を取り込むために多様な人材を必要とする。通常はプロジェクト制だが、マーケティング部、開発部や新規事業企画室などといった組織図内で対応する場合もある。


5)単発だが全社的なマーケティング業務。
業務遂行の質を上げるための全社的な活動が該当し、コーポレートブランディング、終売ルール策定、マーケティング・マニュアルの策定などがある。それ以外にも、法改正に伴うマーケティング関連の作業(トレーサビリティ義務化、消費税率変更)もここに含まれる。ここもプロジェクト制が多く、終了後には解散できる体制が主流である。実施タイミングが想定されているので、時間的には制限が厳しい点もある。


◆時間差への対応
さて、このような区分において、マーケティング部員が一つの区分の業務のみを担当しているケースはほとんどない。関連部門と共同で対処する場合も含め、一人が複数の業務区分をまたぐことの方が多いと言える。


問題が発生するのは、時間サイクルが短いものに労力傾注されやすいということである。
(4)より(3)、(3)より(2)、(2)より(1)という今起こっていることに忙殺されてしまうために、重要な次のタイミングのための仕事がおざなりにされてしまうのである。ましてや(5)プロジェクトメンバーを兼務していれば傾向は強くなる。
これは長期的にマーケティング業務全体のレベルダウンを引き起こす。なぜなら、深く考察したプランや新たな視点のアイデアが織り込まれなくなってしまうからである。


よって、これらに関与する部門ではゆっくりとしたサイクルのマーケティング業務に部員が傾注できる工夫が必須になる。
実際に、より時間がかかる(かけるべき)業務に集中させるために、特定の曜日をそのために当てさせる企業などが存在する。


ただ、未だ少数であり、マーケティング部員が今の問題に振り回され、時間を浪費してしまうことに手が付けられてない企業が多い。そして、この負のスパイラルが、去年と同じマーケティング年間プランや、小手先の違いしか打ち出せてない新商品などを作る。結果、日々の販売が厳しくなるために、帳尻合わせゆえの目先の業務が増えてしまっているのである。


2007.12.31

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