コンシューマー・インサイトを調査業務からの視点で考える

消費者意識の深堀についてコンシューマー・インサイトという単語でくくられるが、分解すると深さの違いに沿って三つに大区分できる。


・顕在意識: 自発的に言葉に置き換えられる
・潜在意識: 気がついてないが、気がつけば言葉に置き換えられる
・無意識 : 気づくことができない。言葉にできない


消費者調査でどのように近づき、どのようにヒントを得るかも区分別のアプローチ方法に拠る。


コンシューマー・インサイト区分


◆1Way型のアプローチ:
アンケートなどに代表されるもの。消費者が自ら言葉にして書かれるため、顕在したニーズが語られる。お客様相談室への電話内容も同じ位置づけといえる。
<典型的なパターン>「私はこの製品を使っていて、ここが改善されるといいと思います」など


◆2Way型アプローチ:
インタビューなどに代表されるもの。消費者は気づいてないが、モデレーターとの会話やワークショップなどの作業を通じて自分が潜在的に気にしている点の存在が明らかになり、言葉になって表現される。
<典型的なパターン>「そういえば・・・、今の会話で気がついたんですが、私ってこういう傾向で商品を選んでいます」


◆非言語型アプローチ:
行動観察によって観察側が意図に気がついていくもの。消費者自体が気がつくことが無いので、言葉になって発見されることがない。観察される消費者自体の動きがポイントになる。
<典型的なパターン> パッケージ・デザイン案を見せる。最初の言葉が発せられるまでの間の空き方、上体の乗り出し方、声のトーンにニュアンスを読む


つまり、より深いコンシューマー・インサイトに行き着くためには消費者に近づくことが必須なのである。
特に、無意識での動きの特徴などを見極めるためには、多くの人たちの動きを普段から見て、標準が何かを把握していなければニュアンスを読めない。
平素から消費者に会う努力をしている者だけが読めるもっとも深いインサイトと言える。


2007.10.22

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