マーケティング業務で外部を活用する場面が多いのは、市場調査関係とプロモーション関係である。
■オリエン準備とプレゼン評価
外部を使うこと=オリエンテーション入り口、プレゼンテーション 出口の設定となる。外部起用は異質を取り込むということなので、外部会社から見てもこちらが異質であるという関係に留意すべきである。
よって、何を意図してサポートを求め、何を基準にサポートの良し悪しを判断し、そのサポートにどのくらいの時間とお金をかけるのか、などを相手に確実に伝える必要があり、これらを直接説明するのがオリエンテーションで、それに沿ったサポート内容を提示するのがプレゼンテーションという対の関係が存在する。
外部起用では必ず入口にオリエンテーション、出口にプレゼンテーションがセットとなり、オリエン準備ープレゼン評価という形がマーケティング業務の基本となる。
■オリエンテーション・ノートを作る
オリエンテーション準備とは意図の明文化が原則である。これは自社社内、相手会社社内で複数の人々が関係しても、内容がぶれないようにするためであるが、同時に、プレゼン時の評価基準ともなる。大きな流れである実施の背景から始まって、時間と費用で終わるのが基本形である。
■ギャップ発生を埋める活動
そして、重要なのはこのオリエンテーションが通常業務ではなく、競合と差別化するための一助となる点である。
外部の会社から自分たちが欲しい専門性を引き出すことができれば、同じ予算ー時間というリソースであっても「デザイン性が優れている」「消費者からのキーファインディングスが抽出できた」などという形でプレゼンテーションされ、競合他社以上のアウト・プットにつなげることが可能だからである。
この段階で特にかぎとなるのは、双方間のギャップが発生しそうな部分を埋めていく活動である。ここもマーケティング業務の目立たないが大切な仕事なのである。
誤解や対立を解消するために、「相手のやる気を引き出す=モチベーションアップ」、「自分たちの知らない世界も提案してもらうための幅=規定課題と自由課題に分けて提案」、「こちらの意図の徹底的な伝達=他の関係、次のステップなどを積極的に見せていく」などを行い、これによって相手の専門性から高い価値を引き出すのである。
2009.5.4