SS-MAXの原理

SS-MAX 実践ガイド


拙著「マーケティングの基本」(日本実業出版)P166にある、サーチ&シェアに対するマーケティング活動の一つとして紹介されているSS-MAXについて、実践のための簡単なガイドです


■目的:
自社商品のサーチ&シェア(Search & Share)を最大限有効(MAX)に活用するためのキーワードを開発し、Webでの消費者と商品の絆距離を短くする


■あえて非目的の確認:
・絆を強くするものではない
・プロモーションのような消費行動の過程を次へ押すものではない


■原理の理解
・まず、グーグル世界での検索行為は言語、言葉によって行われていること
・SS-MAXは商品ベネフィットから派生するものであること
・商品カテゴリーへの関与度の高い人を重視すること
・ノイズを極小化し、コミュニケーション効率をあげるためもの


■SS-MAXの主な作業ステップ
①ベネフィット・ラダーの作成
②キーワードの独自表現化(=SS-MAXワード)
③SS-MAXワードのランディング&ブランディング・ページ(=Landing & Branding Page)作成
④SS-MAX展開
以下、ステップにそって解説


■ステップ1:ベネフィット・ラダーの作成
まずはベネフィット・ラダーを作成する。商品のポジショニングを4階層に分解したものであり、シーズとニーズが一本のストーリーとなるもの。
※ここでのポイントは、拙著「マーケティングの基本」(日本実業出版)P223参照


■ステップ2:キーワードの抽出
それぞれのボックスだけに焦点を当てて、独自性のあるキーワードを抽出する。


【事例】
・サントリー黒烏龍茶:独自素材であるウーロン茶重合ポリフェノールがキーワード化
・オタフクソース:自社のドメイン事業のお好み焼きソースをベースとしたキーワード
・トランシーノ:機能の対象となるシミの種別名がキーワード
・ピノ:ロイヤル・ユーザーを対象にしたキーワード


ここでのポイント
・4階層すべてにキーワードを作る必要はない・・・シーズ側のキーワード、ニーズ側のキーワードそれぞれ1つ、計2つまでが限度。顧客が印象に残って頭の中に入るものは絞りこまれている方が望ましい


・独自性の強い階層で作るのが望ましい・・・SS-MAXワードはあくまでも絆短縮が目的であり、その後のストーリーでオリジナリティと納得性が高いことが重要



■ステップ3:ランディング&ブランディング・ページ(Landing & Branding Page)
いきなり商品説明はありえないのは自明。なぜならSS-MAXワードのみに興味を惹かれるからであり、そこを徹底的に掘り下げたページであるべき。キーワードの意味に納得すれば、そこでの離脱もOKである。なぜなら、そのキーワードはブランド(商品であっても企業出会っても)オリジナルなものであり、納得感があれば、記憶の絆は成立するからである。


ここでのポイント
キーワードがキービジュアル(一枚の写真、チャート、グラフ、動画)でサポートされていること。キーワードを多くの単語で説明するのではなく、視覚的な独自性で結晶化したキーワードが解凍されている状況を作る


■ステップ4:展開
SS-MAXワードを使ったメディア展開ではPRが最も有効性が高い。逆に、PRネタにならないようなキーワードはNGとも言える。


【事例】(以下は、あくまでも案として)
サントリー黒烏龍茶:Otppを生活習慣が異なる人別に使った臨床実験の結果
オタフクソース:広島で実施されるお好み焼き士の一般公開試験
トランシーノ:シミ学の講座が大学で実施
ピノ:日本全国ピノラー・サミットで商品開発


ここでのポイント
・社会性と話題性と独自性の3点を兼ね備えたPRコンテンツを用意する。
・新商品発売以外ではメディアへのアピールが弱いので、他のラダーから出たキーワードを次のPRコンテンツ開発へ繋げる


以上


2012.7.15

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