ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

02月22日

今週は月曜日から全開です。


コンサルティング、オープン・セミナー、クローズド・セミナー、リサーチ案件、クライアントとの業務打ち合わせ、などなど・・・


特にコンサルティングは、E-コマースと老舗メーカーという異なる次元を扱っています。とはいえ、商いの原点は同じです。


きっと、昔、その老舗も新興企業として最先端を走っていた時期があるからこそ、老舗足り得たのだと思います。


ならば、将来、そのE-コマースものれんに磨き続けることで成熟期をも乗り越え、新たなる老舗になり得るかもしれません。

02月19日

帰京しました。

立命館アジア太平洋大学での一週間をご報告します。


立命館アジア太平洋大学 講師顛末記


13日(日)
大分空港からバスで別府へ。指定されたホテルへ行く。その温泉ホテルは、前回と同じ宿で、なかなか泉質が良い。が、部屋の狭さにショックを受ける。タバコ臭く換気もままならない。「静かなところ希望」なのに、ツアー客なのか、ドアの外が騒然としている。即刻、フロントへ部屋の交換希望を告げる。しかし、「空きが無い」と返され、不愉快さ収まらず。ミステリーショッパーなら大喜びだ。(※)


冷静になろうと大浴場の露天風呂に入る。なるほど、良い。悔しいが、部屋の不出来も忘れてしまう。きっと、他のフロアは想像を絶するほどうるさいので、ホテル側が選び抜いた部屋なのだ、ということにする。
我ながら、短期記憶の弱さに呆れる。


(※)覆面調査:アラが多ければそれだけ報告書は書きやすいから


14日(月)
講義初日。今回は2月、それもバレンタインデーをまたぐ日程となっている。前回、8月実施の時は履修者180人という講座になってしまい、ワークショップが機能する人数をはるかに超えていた。あえて、学生が履修を迷うのではと期待を込めての設定である。それでも50名ちょっとの参加者は進行する側にとっても上限だ。


ホテルのある別府駅周辺は寂れ方が半端でないが、その分、気の効いた店舗はみな郊外にあり、国道沿いなどは結構にぎやかだ。生徒たちから飲食店情報を公募し、夕食は国道近くの割烹で、天丼を所望する。天丼600円、ビール570円なり。飲食費のバランスはよくないが、美味ければそれもまたよし。


15日(火)
講義二日目。ワークショップ中心の授業に生徒もリズムをつかむ。今回、初めての試みとして、所有する携帯電話会社名別に手を上げてもらい、グループ・インタビューをライブで行う。教室の中央に、5-6人対象者を集め、モデレーターとして仕切る。


周囲を取り囲む学生たちはそこから、携帯電話選択に影響を与える外的要因、内的要因を抽出するというセッションである。とんでもない回答やら、意味不明の脱線など、笑えるので、次回も継続実施とする。


ここで教えるきっかけを創っていただいたI教授と情報交換を兼ね会食をする。これまた生徒お奨めリストのすし屋へ。関アジ刺身、ふぐ肝和えなど地のものを堪能する。声を掛けてもらったのが3年前。まさか、この大学がここまでの存在感を持つとは思ってなかった。一週間温泉三昧というコマセで寄ってきた己が恥ずかしいやら、誇らしいやら。


16日(水)
講義三日目。定量調査の分析について講義を行う。ワークショップは与えられた消費者行動の数値データから消費者意識の仮説を考えるというテーマだ。社会人向けのものに比べるとはるかに易しい素材ではあるが、不思議と盛り上がる。


この日、最終コマは金曜日に実施予定の試験準備として、模擬試験を行う。
といっても、前回の問題をグループワークしてもらい発表するというものである。


夕方は、生徒たち数人とトリ天(※)定食の店で会食。とにかく盛りが凄く、ご飯はおひつで運ばれ、お代わり自由となっている。彼らが一押しする理由はここにあると思われる。深夜、胸焼け防止用に胃薬を飲む。


(※)トリ天:鳥のてんぷら。大分名物とのこと。


17日(木)
講義四日目。仕事も持ち込んでいるので、早めのバスで霧が立ち込める丘の上のキャンパスに入り、控え室でPCを打つ。授業はマーケティングという観点から、消費者行動論応用について語る。やはり、本業本丸の話なので、故郷に帰ってきた感がある。


「課題→個人ワーク→グループワーク→発表→解説→講義」を連続で繰り返す。講義そのものが最後に来るパターンである。このほうが、モチベーションも理解度も、そして、こちらがもっとも期待している「気づき」も多いようだ。


夜は、地元生徒が絶賛する店へ生徒有志とともに向かう。しかし、地図の完成度が低いため、場所が良く分からず、約30分放浪の末、断念。別の店へ。生徒たちがなぜこの大学に進んだか、満足度はどうかなどを聞かせてもらった。


3期生ぐらいになると不便承知で選んでいるので、前向きな発言が多い。しかし、それだけでなく、正確に自分の意思を語れることに感心し、同時に勇気付けられる。


あとは地図の書き方だけかもしれない。


18日(金)
講義最終日。教室の外は相変わらず霧で真っ白だ。今日は試験である。二コマの授業がその前にあってからのテスト、という段取りになっている。なぜか、ワークショップの切れ味が良くない。

よくよく思い出してみると、前回は最終日が台風で休校になったので、元になっている課題は未披露だった。ワークショップは使い込みながら、ブラッシュアップしていく。粗い手触りはそのせいのようだ。


引き続き、試験へ。韓国人の大学院生に監督を手伝ってもらう。いつも通り、街中にありそうな話だ。それを消費者行動の立ち位置で語ってもらう、というのが問題である。


今回は、能力のバラツキが少ない。履修人数のせいか、それとも、学校自体が落ち着いてきたせいか。去年は飛びぬけて優秀な生徒(韓国人の女性)から、何しに来たか理解に苦しむ学生(日本人の男性複数)まで、講師泣かせだった。


最後の夜ということで、生徒に蛇ん湯(へびんゆ)という、秘湯へ連れてってもらう。地元で、知る人ぞ知る温泉だそうだ。しかし、川の湧き湯で、明かりもなく、脱衣所に屋根もない。真っ暗で足元もよく見えず、おまけに雨も降っている。


貸切なことは喜ばしいのだが、隣に人がいても気がつかないだろう。メガネが水滴と湯煙で曇り、横山やすし状態。


そして、昨日、発見できなかった居酒屋へ向かう。これも、地元で、知る人ぞ知る居酒屋とのこと。確かに、普通の人が入れる柔い佇まい(やわいたたずまい)ではない。こちら以上に店の人が動揺しているのが分かる。身内客しかこない店のようだ。


「APU生徒の・・・さんから教えられて・・・」と、ぎこちない説明で、やっと厨房に安堵の空気が流れる。遠い親戚程度には扱ってもらう。さすがに魚はどれも秀逸。お勘定は破格の安値だった。きっと、家族割引が適用されたのだろう。


以上、顛末記でした。

02月11日

年初にPCがおかしくなってしまいました。
今は、HPへの書き込み以外は、ブラウザーはMozilla Firefoxを使ってます。セキュリティー・アップのためにルーターも稼動させています。


でも、これらはすべて弊社の外部サポートをお願いしている方からのアドバイスで、意味もよく分からず従いました。「このゼンマイが巻かれると、こっちの歯車が回りますよね、すると・・・」とかいう説明ならなんとかついていけると思いますが、いやはや、もう分からんです。


個人企業ですので、すべからく専門的な業務はアウトソーシング、は宿命です。


IT環境、会計業務、などの総務系、市場調査の定量分析、インタビュー、などのリサーチ系業務、ブランディングのためのアイデア開発などといったクリエイティブ系業務まで。確かに、それぞれの奥行きが物凄いことになっているので、一人でまかなえるはずもありません。


おまけに、趣味系も専門家のサポートをもらってたりします。温泉選びでさえ、これだけ情報が溢れ返って、自称オススメも巧妙になってくると、やはり、アドバイスは某旅行代理店勤務の知人のプロの目に頼りきってしまいます。(今年もよろしくお願いします)


アウトソーシングでは、「会社」ではなく、「誰」が重要です。なぜなら、幅広い知識は組織に蓄えることが出来たのですが、深い知恵にまでなると個人にしか掘り進められないからです。


「だから、弊社も凄いんです」、と繋げようとしましたが、自称オススメになってしまいそうです。(笑)こればかりは確かめていただくしかないですね。さて、実際のところはどうなんででしょうか?

02月07日

マーケティング部というのはカタカナが示すように外来語のまま、漢字に翻訳される間もなく組織に入り込んだ組織です。


若いという部分もあり、ちょっと前までの日本企業には経営者の中にマーケティングをキャリアに持っている人はいませんでした。それが、徐々にそういった人々が取締役の一翼を担うようになってきています。


とはいえ、マーケティング部は相変わらず誤解を生みやすい部署です。売っているでもない、作っているでもない、でも、大きな予算を動かしている、なぜか夜も遅い・・・・、いいなあ、怪しいな、ずるいな、そして、辛そうだなあまで、中空楼閣ならではの穿った見方は健在です。


マーケティング部が機能しないパターンで目立つのは次の2種類です。


1:御用聞き組合化
マーケティングとは名ばかりで、社長や営業部長から言いつけられたことをやるだけの組織。
自主的に提案どころか、思考が弱まっているので、ますます、存在意義が執事になり、部員は疲弊し、誰も行きたがらなくなる


2:伏魔殿(ふくまでん)化
マーケティング部は偉い、という暗幕を張り、営業やら工場などは専門用語やリサーチ結果で強引に説き伏せながら企画を通していく。消費者のためにというよりは、社内的な説得力の強化のためにマーケティング知識を総動員するので、机上度合いが非常に高いプランが多い


いづれもマーケティングへの理解が極端に不足、極端に偏在という理由でバランスを崩した結果です。中空楼閣が地上に近すぎていたり、大気圏外まで離れていたりで、せっかくの期待された役割を果たせてない状況と言えます。

02月04日

昨日は新刊の編集スタッフの方々と打ち上げでした。
いろいろな楽屋話が暴露され、盛り上がりました。


早くも重版になったそうで、執筆者としての最低限の責任は果たせたことになります。
重版というのは普通に言えば、損益分岐点を越えたということです。つまり、この時点で黒字になったわけです。ご同慶の至りです。


■カレーライスとパワーポイント


以前からパワーポイントは日本語向きだなあと感じていました。図表やグラフなど加工言語に、日本語の自然言語が加わるとなぜかお互いが補完しあって、意味の伝達力が高まるのです。


きっと日本語のあいまいさが図表やグラフに出てくる矢印やサークルでニュアンスを壊さずに、全体の意図したいところを伝えるのかもしれません。


一方で、英語での図表やグラフを使ってのプレゼンは、せっかくのニュアンスが矢印に与えられているのに、英語らしい言い切りの良さで断言してしまっているので、上手くかみ合ってくれない苛立ちがあります。
(母国語が日本語の人間だからそういう違和感を持つのかもしれませんが・・・)


この話はいつもカレーライスを思い起こさせます。インドから来たスパイスたちは日本のスチームド・ライスとの相性の良さから歴史の浅さをものともせず、カレーライスは国民食と呼ばれるほどにまでなっています。


税金を米で納め、国力を田んぼで換算していたほどの国です。いつも、どうしたらライスが美味しく、簡単に、それでいて飽きずに食べれるかがテーマになるのも当然です。まとめて仕込めて作り置きできるカレーとの補完関係は最高の部類に入ると言えます。


パワーポイント=カレーのルー説に従えば、パワーポイント使いは高級インドカレーの作り手です。ただ気をつけないと、貧しい日本語で、ライスが食べられたものではないなどということも起こります。仕方ないから、カレーの辛さで誤魔化すわけですが、胃には良くないですね。

02月02日

2月になってしまいました。


今月のメイン・イベントは大学で一週間、消費者行動論(堅いですね)を講義しに行くことです。テキストの手入れもですが、ワークショップ・ネタも仕込まねばいけません。それに、大学生の皆さんが心待ちにしている試験問題も意表を突かねば失礼です。


立命館アジア太平洋大学は、夏と冬に一週間単位(その間に15コマ)でいろいろな兼任講師を外注しています。日々の仕事を持っている人々が通うには大分の別府(大学所在地)は絶望的な距離にあります。そういう意味ではユニークな仕組みです。


当然ながら、コンサルタントの業務は一週間完全にストップしてしまいます。湧き上がる湯煙に包まれながらクライアントのために知恵を絞って来ます。大きな湯船に揺られれば素晴らしいマーケティング・アイデアも止め処もなく流れ出てくるはずです。(と、今はそう思う)

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