ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

06月24日

◆毎年のことですが、6-7-8月は忙しさがピークになります。
今週から8月第一週までは気力・体力が試されるスケジュールになっています。
「仕事が増える」→「考え抜く案件が増える」→「集中のための時間が必要」という循環なので、ちょっとした合間も逃せません。


最近、習慣化できたのは集中のための環境作りのために、思考をニュートラルにすることです。心理学勉強会で学んだボディ・ワークで気持ちをリセットします。やっと、コントロールできるようになりました。
うーん、ここまで来るのに、結構、修練を重ねました。


◆木曜日の夜は友人と渋谷で飲み会でした。その翌日未明にビッグイベントがあったせいか、どこも空いてました。
疲れていたので大音量のジャズを浴びに、道玄坂上の某ジャズ・バーへ。
大きなスピーカーと大量のレコードと分厚い壁以外に何もない空間は、ツマミもなく客の持ち込みのみOKという、そこまで削ぎ落とすかという店です。


ほぼ貸しきり状態なので、好きなジャズをリクエストし放題となります。ソニー・クラークのCOOL STRUTTIN'やケニー・バレルのBLUE MIDNAIGHTなどオーソドックスなLPを掛けてもらうと、次にマスターがこの二人がセッションに入ったマイナーなLP,スタンリー・タレンティーンのJUBILEE SHOUTをさりげなく流すという格好良さにしびれます。
うーん、薄暗い中、いろいろメモってしまいました。


◆土曜日は心理学勉強会に参加です。
三人称の心理学をビジネスに応用するワークショップでした。
ご近所の領域なので、なるほどという側面と、そういう見方をするのかという部分に興味を惹かれました。
そこでは「Vision=Multi-win」、「Mission=Win-win」という定義がなされ、非常に分かりやすくなっています。


参加者から「欲求と使命の違いは何ですか?」という質問があり、主催者S氏から「欲求に格好つけたものが使命です」という回答がなされました。あまりの切れ味に感動しました。
うーん、マズローの欲求段階に「社会的な使命」も組み込まれるなら、それも「欲求」ですよね。

06月19日

そろそろサッカーの話も一息つき、得点圏内でのシュートの精度の話から、射程距離圏内でのミサイルの精度の話に移りそうな世相ですが、いかがお過ごしでしょうか。


いずれも未来に暗澹たる影を投げかける話題ですので、少しだけ次の世界の話について。


次期サッカー日本代表の監督については、千葉ジェフのオシム監督待望論が居酒屋やバーでかまびすしい訳ですが、自分としては大分トリニータのシャムスカ監督を押しています。
既にシャムスカ氏は、J1いっぱいいっぱいの大分を上昇気流に乗せる手腕を発揮しており、毎年がけっぷち常連千葉を常勝チームに引き上げたオシム氏を彷彿とさせます。


大分県は立命館アジア太平洋大学の所在地なので、お世話になっている身としては義理を果たすつもりで何気にチームを応援してきましたが、彼が監督になって見違えていく様は見ごたえがあります。


ついでながら、昔から何故か縁のある名古屋に関しても、そこはかとなく名古屋グランパスを気にかけてきたのですが、Jリーグ発足間もなくはひどいチームでして、これを一新させたのがあのベンゲル氏だったのです。


サッカーの素人が見ていても、分かりやすいのに理にかなった采配はイングランドの名門アーセナルでも発揮されています。
サッカー協会の本命と言われてます。嬉しい反面、ビッグネームになってから声をかけるというのは、現監督選出の経緯と同じなところが気がかりです。
目利の才が無い者が最も高値で掴まされる骨董品の世界のような・・・・。


このシャムスカ監督をサッカー監督として眺めれば、いい監督の一言ですが、凄いのはプロとしてのサッカー選手の経験がないこと、日本に来た理由の一つが海外でのキャリアを得るためという変わった背景が物語を膨らましてくれます。


彼にとって自分を証明するものは監督としての手腕しかありません。求められる結果も早いでしょうから、監督をコロコロ変える圧力の強いチームは避けるべきです。よって、ローカルなチームが良い。また、成果が監督の実績であることと明確に分かるチームにすべきです。よって、選手層の薄いチームが良い。


弱いチームを成長させる力があるのなら、その前に、弱い自分のキャリアを育成する力もあるはずですからね。
つまり、自分をプロモーションする才覚です。シャムスカ氏にはそれが感じられます。
フリーランスの心得を体得している人物ではないでしょうか。そう思うと、益々親近感が湧いてきます。


実際のところ、41歳は業界的には若い部類のようなので、日本の代表監督などは有り得ないでしょう。
でも、そのうち世界的な名声を得てから、ベンゲル氏のケースのように交渉に望むというのは、既に監督争奪戦で一次リーグ敗退しているような気がします。

06月16日

◆今月は通常にないお題をいただいてのコンサルティングやセミナーや勉強会が多数あるために、新たなチャートを大量に作成しています。


たとえば、商品企画セミナーのために作成したハンドブック、「商品企画のための引き出し36パターン」。
これだけでも20枚近くになります。元来が図解チャート志向なので「お絵かき型コンサルティング」を自称しています。
今月末でヤスハラ・マーケティング・オフィスも5周年(独立してからは6年半ぐらい)になりますが、ふと、ストックを眺めてみると溜まった図解チャートが300枚を超えていました。


まあ、修正版・応用版など似ている絵柄もわんさかあるので枚数ほどの実態はありません。でも、USBメモリーにて持参し使う場面では、見せたいチャートを画面から探すのに時間がかかるようになってきました。いけませんね。
現在使えそうなものを仕分けして、出番がなさそうなものは納屋にしまう作業をしようと思っています。


◆「小さな会社のブランディング」をテーマにしたワークショップを準備しています。この特徴は「未来像―現在像」×「内面―外面」の4区分マップを使いながら、記入していくプロセスで自社の棚卸と目指すブランドのテーマ化ができる、というものです。


小さい会社では、結局、社長の志次第です。しかし、そんな熱い思いも社外での空回りと社内での空回りで冷まされていきます。
一度、言葉に置き換え、客観化する作業は貴重な体験になります。なかなか普段できませんし、わざわざ社内プロジェクト作るほどでもありません。


ましてや、ブランディングのために外部コンサルを雇うというのは無理があります・・・仕事柄、言いたくないですけどね。
ですから、ワークショップに参加して一日で済ますというのが現実的な選択と思えます。


◆心理学の勉強会でファシリテーターをすることになりました。「感情を客観化する」というテーマ設定です。
マーケティング・コンサルタントの現場で使っている「パッケージ・デザインを言語化する」というワークショップのメニューがあるのですが、それを応用してみようという実験的なセッションです。

「好きー嫌い」の枠組みからどのように抜け出してパッケージのデザイン開発を行うか、そのために必要な語彙や文法を膨らますことが目的のものなので、感情のように衝動に直結した領域にも適応が出来るかもしれないという期待があります。
でも、上手くいかなかったらごめんなさい。


いずれにせよ、こうやって自己をストレッチできる機会をいろんなところでいただけていることに深く感謝いたします。
参加者の方々に日々の自分から別の自分を抜き出してもらえる分けですから、有難いことです。

06月08日

あるマーケティング部門を対象にした半年間に渡る研修がスタートすることになりました。


研修といっても、その経過の中で、自社オリジナルのマーケティング・スタイル確立といったマインド・フレームから、マーケティング業務フロー、業務フォーマットなどの実務フレームまでをカバーします。随分、ディープですね。
さて、進行の方ですが、メンバーと場を共有することで知識以上のものを移転させたいと思っています。その時のワークショップが「シチュエーション・ラーニング」というものです。


■シチュエーション・ラーニングという形式が目指すもの
こういったクローズド(同じ会社、同じ部門のメンバーが対象)の研修で行うシチュエーション・ラーニングとはどんなものでしょうか?


手順はいたって簡単です。
メンバー各自が、今、自分が抱えている仕事での行き詰まりや迷いをメモのようなワン・シートにして他のメンバーに説明します。それを全員で解決までの道筋を考えるというシンプルなものです。
言い方を変えれば、一人がクライアントになり、他の人たちがコンサルタントとしてグループ・ワークするという形式です。


これは通常のケース・スタディという形式の対極にあるものです。
なぜなら、ケース・スタディは可能な限り客観的な情報が揃えられた上で、大局的な対応策を考えるものなのに対し、シチュエーション・ラーニングは不完全な情報下で状況は差し迫っており、そこで最善の判断を考え抜くというものだからです。


もちろん、解決は当事者という個人レベル、その場が存在する組織レベル、その状況を生み出す会社レベルの三段階が想定できますが、ここで最も重視するのは「あなた」という個人レベルでの判断です。
各グループの作業はこの当事者へのプレゼンという形で終了し、その後、自分がマーケティング・コンサルタントとしてどのような課題がそこにあり、どのような優先順位が望ましく、そのために必要な行動を提示していきます。


こういったワークショップが有効なのは、我々の世界が不十分な情報しかない中で生き抜かねば行けないものである、ということを前提にしているために、現実と知恵の隙間が非常に小さいものになることです。
それだけスキル化が早いことを意味します。


だからと言って、ケース・スタディが無効なわけではありません。
(実際、ケース・スタディのセッションも数多く実施してますし・・・)
全体を想定できる力はマネジメントとしては不可欠です。よって、瞬間・瞬間に起こる現場での出来事を解決するマーケティング・スキルはお互いが補完しあうものです。


今回は、コース通じてこのシチュエーション・ラーニングを組み込む予定です。
さて、どういう展開になるやら。

ページのTOPへ戻る