ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

08月31日

夏休みらしい夏休みもないまま9月へ


■医者か調査官か平和維持軍か
コンサルタントの仕事は医者に似ているといわれます。たしかに、状態から課題点を発見して解決策を提示するというのは、検査してて治療する、という段取りに近いと言えます。


でもたまに家庭裁判所の調査官のような仕事が来ます。クライアントの中で対立があるようなケースで、どちらが正しいか判断してほしいといった調停のための仕事です。
年に一件ぐらいそんな案件があり、どうも今回もそんな場面に巻き込まれています。実際は、どちらも判断するフレームがそもそも違うので、消費者調査で結果が出てもまた揉めるんですけどね。


特に根深そうな状況で一番気をつけることは、対立している双方の感情の地雷を踏まないようにすることです。第三者のつもりでもクライアント内は疑心暗鬼、つまり、相手方の息がかかっているのでは?、などと勘繰られることもしばしばあるからです。
家庭裁判所というよりPKOで内戦のある国に行って選挙監視するようなものかも(苦笑)。

08月25日

お盆休みの反動でしょうか、この一週間はキツキツのスケジュールでした。
水曜日の午前中にはガス欠の症状を呈してきて、さすがに乗り切れるのか心配でしたが、その日の夜の定例研究会で完全復活しました。
こういった自主活動は不思議なことに活動すればするほどエネルギーをもらえるようです。志の明確なコミュニティから得るガソリンはCO2とも無縁なので環境にも良いかもしれません。


【第8回マーケティング・ワークショップ研究会】のご報告
8月22日水曜日にマーケティング・ワークショップの第8回が行われました。今回は初めて「会員の方のワークショップ・フレームで参加者全員が体感する」という一つの会の理想形が実現しました。Hさん、有難うございます。
今回のアイデアは商品コンセプト策定に関するものです。JMAの講師としても人気の梅澤先生のフレームと小生のマーケティング・ワークショップ・フレームを取り込んだものということで、光栄です!


参加者は12名。暑い中、参加の皆様には感謝いたします。
ヒット商品だけでなく、人々の関心の高い最近のニュースなども同列に並べて扱えるところが斬新です。
実用性も高いと思いました。御礼申し上げます。


次回は9月26日水曜日19:00スタートです。
ネーミング開発のためのワークショップを予定してます・・・急きょ変更もあり。
ではまた次回、よろしくお願いします。

08月20日

夜10時過ぎているのにサテライト・オフィスにて仕事をしています!
休み明けから全開ですよ、もう。
なぜならカラーコピーまとめてしなければならないからです。
資源を使ってますから、回りまわって地球温暖化助長してます・・・サンゴ礁の皆さんごめんなさい状態。


この環境問題という負の歯車に巻き込まれた者はどうすればいいのでしょうか?「いきなり無人島で自給自足」に踏み切れない身でございますから、せめて自分が出来ることをと、裸足になりながら考えております。そのヒントを探るがごとき、この夏に読んでいる本がコミュニティ心理学です。
分厚い背幅が紙の使用量を物語ります。


このような生業を活かしながらも、明日の社会に貢献できるのか?(「やっぱ、できまへん」という答も想定内として・・・)、まずはいろいろ学んでみようという試みです。
それにしても、この表題から窺い知れるのは社会学(集団)ー心理学(個人)という従来の単純型が崩れつつあるということです。まるで北極の氷のようですなあ。ここにも温暖化の影が忍び寄ってたりして・・・


※リファレンスにマーケティング知識とスキルの習得をアップしました。
ご参照ください。

08月17日

◆メイン・オフィスのオーディオ系の機器を整頓するために、東急ハンズでアクリルパネルを加工してもらいました。B1に工房のコーナーがありますが、この殺風景なフロアが最も好きです。オーダー用のシートに鉛筆で図面を書き込むとき、無性に興奮します。図面フェチかな。


◆文化村でルドンの絵を見てきました。混んでます。おまけに版画主体なので小さい作品ばかりです。人と人の距離が異常に近いのが辛いですね。
やはり、自分は美術館のだだっ広い空間が好きなのだと再認しました。閑散フェチなのです。


◆最近、協働によるプロジェクト仕事が増えたせいか、外部のプロに頼ることの快感を覚えたせいか、案件への初動が「誰を巻き込むか?」といった発想をしがちです。待て待て、個人事務所なら「個人の深堀=他人様への貢献」を極めるべきだろう、などと省察しています。
お天道様で汗をかくのではなく、脳を絞って汗を流さねばなぁ、ということで内省フェチを目指します。

08月11日

宿題多く抱えたままお盆休みに突入です。
何といっても新ブランド・新商品開発の大型プロジェクトが稼働中なので、休みも飛び飛びとなっています。えぇ、引き受けた段階で分かっていたことですけどね・・・。


これも何かの意味と考えて、とりあえずは細切れ休暇を読書にあてようと思います。ここ数カ月でストックされた未読本もかなりありますので、一気にキャッチアップしたいと願っています。


■タルド「模倣の法則」
大型のプロジェクトにせよ、数人のクライアントが関わる小さな案件にせよ、常に対立は存在します。むしろ、対立のお陰で外部の人間である自分にコンサルティングの役目が降りてくると言えます。
どんなコミュニティでも対立は不可避で、それは人々の葛藤となって溜まっていきます。
自分の主張を通したいが、それによって自分の属するコミュニティが壊れることは避けたい、そんな気持ちに”ゆらぎ”が収斂するのです。


こういう状況では葛藤を認めてあげることが大切です。対立している部分と、対立をさけなければいけないと考える部分の輪郭を浮き上がらせることで、精神衛生上の課題を取り除きます。そして対立に集中することになります。


葛藤を引き起こすような「対立」を乗り越えられるのは「創造」でしかありません。タルドの模倣の法則では「対立」→「創造」→「模倣」→「対立」→「創造」→「模倣」→・・・、時間的なステージの連鎖を指摘しています。
対立は創造によって乗り越えられ、創造は模倣によって普及し、模倣は分化を生みながら対立へ向かうと。つまり、追いつめられるような対立は過去の事例では解決できず、クリエイティブな手法が必要ということです。


しかし、創造的と呼ばれる行為はセンスであり、コントロールが難しい段階です。よって、コンサルティングという「対立」→「創造」ステップでは、この「→」以外の余計な部分を可能な限り前でさばいて、「対立」をスリムにしておく必要があるのです。


知識は過去の経験が圧縮されたポータブルな情報です。よって、読書は創造ではなく、模倣なのですが、葛藤を分解していくような前段階には役立ちます。
まあ、そんな志を持てば暑い夏にも厚い本へと向っていけるのではないか、そう言い聞かせている炎天の昼下がりなのです(笑)。

08月07日

本日は午前10時に東京は竹橋、続いて、午後2時に横浜の天王町という公的段取りになっていました。


間の時間に空きが出ることを想定し、私的段取り通り、11時過ぎには国立近代美術館へ。
アンリ・ミショーの絵画展を観に行ってまいりました。ついでに、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展も。


個人の嗜好に主従を任せていただけるなら、展覧会のお目当はこの順序ですが、人の混み方ではアンリ・カルティエ=ブレッソンの圧勝でした。
古典の写真展は人気がありますね。ブレッソンが生きていたらこの群像と呼べる拝観者たちを写真に撮りたいと思うはず、そのくらいの人出です。


「写真は動きの瞬間であり、絵画は思索である」


こんな感じのメッセージがブレッソンの言葉として展示会場にあったのが印象的でした。
なるほど、人が少ないミショーの展示空間は思索にふさわしいものと言えます。


08月04日

相変わらず「2007年夏の仕事祭り」状態です。
神輿の数が半端じゃありませんなあ。これも縁(よすが)のなせる業と思っております。


休みらしい休みは9月になりそうです。一ヶ月の夏休みのはずでしたが、二週間が限度となりました。個人事業主の性(さが)で、声がかかれば受けてしまう本能がそうさせるのでしょうか。祭りとは言ったものの、その実像は盆踊りの提灯に引き寄せられる蛾(が)だったのです。


よすが、にして、さが。さが、にして、が、か・・・。
ああ、カフカなり。


リファレンス「新規市場創出とセグメンテーションの関係図」をアップしました。
新製品開発担当の方々向けです。ご参照のほど、よろしくお願いします。

08月01日

8月となりました。
7月の打ち上げ?のような意味も込め、31日の夜は神泉周辺の良さ気な飲食店を徘徊させていただきました。結構、店ありますねえ、この界隈。締めはロック・バーで大音響を堪能しました。


忙しかった7月の合間を縫って、スウェーデンからメインオフィスへ、発注していたオレンジの座面と銀の足が色っぽいバー・スツールが到着しました。ついに、スカンジナビアン・スタイルを目指したオフィスが完成です!
しかし、業務忙しく、書類やら書籍が散乱していて風情台無しでございます。


来週以降に向かって調査案件が連続して発生しています。リサーチャーの皆様、いつもながらフル稼働で、よろしくお願いします。
謎が謎を呼ぶテーマばかりなので、夏向きの仕事とも言えましょうか。
背筋が凍らないことを祈っております。


雑事などを雑文にて

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