ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月26日

年末いかがお過ごしでしょうか。


ほぼ休養モードで読書や映画や勉強会の教養中心の生活に入っています。癒えますなあ。


昨日は今年1月-12月の業務分析をしてみました。コンサルティング比率が前年比で伸び、セミナー比率が下がっていました。感覚的には分かっていたものですがスコア化するとちょっと引いて見れます。


一方、総内勤日数が減っていて、テーマの一つだった内勤日充足が実現できてないのに反省が残ります。なるほど,疲れが溜まる訳です。


有り難いのは新規のコンサルティング先での実績が徐々に見えてきた点です。やはり、コンサルタントとしてはセミナーよりコンサルティング業務が本業ですから精神的には良い状況となっています。


ビジネスも人生もそうですが、ちょっとした余裕がアイデアや挑戦意欲を高めてくれるところがあります。俗にいう正のスパイラルです。弊社は精神的余裕があるうちに物理的余裕(総内勤日数の拡大)を目指します!
去年もそう言った(笑)!


■「社会起業家」と「起業社会家」


営利だけを目的にするのではなく、社会的な問題解決をビジョンに据えてビジネスのフレームで起業する人が増えています。社会起業家と呼ばれる方々の志の高さは尊いです。


最近は反対の現象も見かけます。営利を目的に起業した人がビジネスでの成功を機に社会的な意義に目覚め、活動するケースです。社会的弱者の雇用や社会的な問題解決に貢献できそうな商品開発などがあります。こういった方々を起業社会家と呼んでみます。


後者は社会起業家とは志の順序は違いますが、成果においては同等なので、貴賤を問うべきものではないと思っています。それでも、もし、そこに踏み絵のようなものがあるとしたら、それは人々の持っている欲求を高次に導くことを意図しているかどうかでしょう。※参考:「マーケティング倫理」の話


しかし、経営上の課題は顕著に違います。社会起業家のビジネスでは設立には人々のお金が集まりやすいのですが、運営は厳しくなる傾向にあります。ランニング・コストを吸収できる利益創出はなかなか手強いテーマなのです。


方や起業社会家(つまり、営利目的主導で会社を起こし、ビジネス成功後に社会性を高めようと思う人)では設立時に課題の芽が発生します。利益極大化を期待するファンドなどが入ってしまうと社会性に対して株主の合意が得られなくなるからです。よって、イニシャル・コストへの留意が必要なのです。


起業希望の方々からたまに相談を受けますが、ビジネスは営利を核として、かつ、それを包含するように社会的な意義を持つ必要があります。コアに余裕がなければ周囲は痩せこけてしまうのが社会起業家の課題で、コアが余裕を認めなければ周囲に肉付けするものがなくなってしまうのが起業社会家のそれ、という前提に立ちます。


社会という単語は自分以外のすべての人々を指します。どうも私たちは、自分以外の欲求を満たすことに傾倒するだけでも、また、自分の欲求に固執するだけでも社会で生存できないという皮肉な世界に生きているようです。


ならば、前もって目指す余裕の創出と再分配が一体何なのかを見定めることが肝要だと考えています。

12月19日

今週18日で仕事はおしまいです。という予定でしたが、いくらか残っており、チョコチョコ働きます。年末なので総務系の内勤仕事もあるので、まだまだ休みモードには程遠い状況です。


そんな中で拙著「マーケティングの基本」(日本実業出版)が重版になりました。この本も細く長くで1万5千部越えとなりました。ご購入の皆様には深く御礼申し上げます。


ベストセラーには程遠いですが、弊社にとってはチョコチョコ売れていく時間的長さが有り難い本です。さりげないしぶとさが著者似でしょうか(笑)。



■弊社における書籍の位置づけは複数あります・・・


①承認獲得:
資格がない商売なのでどこかでプロである証拠が必要です。見えないサービス業ですから物的証拠(フィジカルエビデンス)の役割を担ってくれます。これは新規クライアント向けだけでなく、既存クライアント向けの再認の効果も果たしてくれます。「今、雇っているコンサルタントは本当に正しい選択か?」という認知的不協和を和らげてくれるのです。まあ、最後は結果ですけどね。


②ビジネス・モデル:
「本を執筆して出す」→「それをテーマにオープン・セミナー」→「社内クローズド・セミナーの依頼」→「あるべきマーケティング像と自社のギャップに気づく」→「弊社へコンサルティングの発注」→「新たなケースからの学び」→「コンサル経験を一般化した知識に転換」→「それをベースに本を執筆」→(以下、最初に戻る)、というモデルの起点です。こんなキレイに回りはしないのだが。


③会社案内:
ちょとした場面で会社案内用に使います。印刷した会社案内は見てくれないのですが、本になると俄然閲覧率が上がります。個人の氏素性ではなく、仕事への考え方が伝わるのもメリットです。それと残存率も高まりますなあ。個人事務所の会社案内は一瞬にして廃棄に回されるのも珍しくないです(涙)。


■一体このメリットはいくら分なのかを考えてみる・・・


部数から言って印税は期待できるほどではありません。夢の印税生活などは霞の先の蜃気楼です(笑)。しかし、それでも個人事務所に取って費用的なメリットは膨大なのです。


「マーケティングの基本」(日本実業出版)は発売から約20ヶ月で1万5千部なので、一日あたり25冊の販売です。25人の人に何らかの影響を及ぼしているので、これを営業活動と考えれば営業担当者を雇っているという見立てもできます。


営業担当が詳しく会社の説明をするには最低1時間かかるとして、25冊=25時間となります。すると、一日の営業時間8時間で営業担当者約3人分と換算され、毎月3人分の人件費を負担してもらっていることになります。


マーケティングに関心がある人への営業なので駅前でのティッシュ配りより効率が良さそうですが、マーケティング業務に携わっている人は忙しいので実際の接触率は飛び込み営業に近いものと思われます(笑)。


まあ、個人事務所が20ヶ月も3人雇うなどありえない話ですからね。有り難い話であります。

12月10日

仕事に疲れたので温泉へ行ってまいりました。行き先は宮城県の遠刈田温泉です。「とおがった」と読むそうで、音の響きに惹かれます。



川沿いの露天風呂で体にたまったものを出してまいりました。こりゃ、湯治ですな。


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湯船から天を仰ぐと冬の青空が広がっておりました。いやー、冷たい風に凛とした枝ぶりが心に沁みます。


多事多端もほどほどに、行雲流水がごとく生きたいところですが、なかなかこれが下衆な我が身には難しい訳です(苦笑)。

12月03日

期せずして業務が集中してしまった一週間でした。まあ、来週はちょっと休みを取って稼働日が少なくなるので自業自得なのだった(苦笑)。


手ごわい案件たちのその後・・・11月20日参照


◆どうしたものか案件
技術シーズを刺激物に当該業界の有識者インタビューを実施しました。霧に煙った視界不良の中、複数の方向性が浮かび上がってきました。さすがその道のプロ。物の見方にキレがあります。まずは一息。


◆どうするべきか案件
B2Bビジネスの顧客先を規模でクラス化し、それぞれのアプローチ方法を決定しました。社外での人探しは諦め、クライアントの社内でやりくりします。結局、長く考えてみるとそのほうが得という判断に至りました。目指すは息長くです。


◆どうなっているのか案件
売れ行き好調の消費財ブランドでのコミュニケーション計画では、サポートする外部スタッフをTチーム=トライアル喚起の間口重視メンバー、Rチーム=リピーターのロイヤルユーザー化を目指す質的深堀重視メンバーに区分けしました。来季に向かって息荒くなってます。


それと、明日の土曜日はマーケティング・ワークショップ研究会の勉強会+年末パーティです!みんなのおすすめ本交換会などが予定されていて、ちょっと楽しみです。

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