ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

06月26日

書き上げた原稿について編集者からフィードバックをもらいました。20P程度の加筆、ナビとなる図表の追加での導入を行います。かなり沢山書いたつもりでもまだまだなのでした。7月前半にアップを確約したので、もう一回、頭のモーターを起動させねばなりません。ちなみに、執筆の影響なのか、愛用のノートパソコンが故障してしまいました。さすがにお前も疲れきったのか・・・。ということで修理へ。復帰後は即日作業です。


また、別の出版社から打診をいただくきました。まずは光栄です。御礼申し上げます。しかし、希望されているスケジュールが厳しく、残念ながら見送らせてもらうことになりました。可能な限り受託したいところですが、急ぎとなると愛すべき緩い生活への影響が大きすぎるのです。人生も押し詰まってきてますからね、「ちょっと無理すれば出来そう」という心の声には警戒することにしています。


※近況報告も月一回となっていく予定です。

06月02日

懸案の執筆が脱稿となり一段落しております。なぜか、編集者に原稿を送った翌日に複数の研修案件の打診が来るのでした。オーラが出ていたのか?、はたまたシンクロか?


■ロングセラー・フリーランス(日本語訳:長生き自由業者)になるためのコツ、「冬月モデル」


フリーランス15年周年ネタです。


マーケティング・コンサルタントとして15年やってこれたのは、ひとえに、皆々様のご厚意とご協力のお蔭です。まずは御礼申し上げます。このようにコツだとか言うのもどうかと思っておりますが、ともあれ、ちょっと与太話と思って読んでいただければ有難いです。


15年ほどフリーランスで長生きできたことを振り返ると、今更ながら気が付くようなことがあります。それは、長くリピーターとなるクライアントを保つ工夫です。当初から分かっていたわけではないのでどこか本能的に行っていたのだと思いますが、相手先が何代も窓口が変わりながらも継続してコンサルティングが来るためには外したくないポイントがあるのです。


さて、これを一言で言うと・・・
「次代の人からは教官に見え、当代の人からは副官に思えるように振る舞う」ことです。


といいながらも、よく分からんので、ロールモデルを紹介します。「新世紀エヴァンゲリオン」の冬月コウゾウという人物こそ、ロングセラー・フリーランスのロールモデルです。


これまた、といいながらもエヴァンゲリオンを良く知らない方もいるでしょう。そのために解説すると、もともとは教師と生徒の関係だったのが、後に副官と長官の上下逆転の関係になる現象のメタファーとして、この教師→副官となった人が冬月コウゾウなるキャラなのです。


普通は、いったん出来上がった上下関係が逆転しながらも維持されていくというのは難しいとされます。プライドの問題はさておき、そもそも元生徒が自分が偉くなってから元教師を副官として選ぶでしょうか? これはよほどのことです。


そして、ロングセラー・フリーランスの心得は、いつかクライアントの新入社員だった人からも仕事の打診が来るような関係で今のクライアント・メンバー全員に対してサポートすることなのです。


・自分の内面
プライドの除去。フリーランスにとって自信は重要です。しかし、自尊心はほどほどで十分です。特にコンサルとしてクライアントと接すると先生と呼ばれたりしますが、基本はご法度です。すくなくとも現場にいる次代の人たちからは権威という名の煙たさが漂ってしまうからです。


・自分の外面
全ての意見に敬意を払う。自らへの敬意は最小化し、相手への敬意を最大限にするわけですが、人にではなく意見に敬意を払うのが重要です。こちらはプロなので「明らかに間違っている」発言もあります。しかし、その発言が出たこと(相手からのこちらへの興味が高まっている証し)という事実も、その発言の裏にある別のメッセージ(別の不安を上手く表現できてない可能性)を読み取る機会も貴重なのです。ここはグッと自分の否定的な発言を抑えて、メタ・プロの視点で一つ一つの意見を大切に扱う態度をクライアント全メンバーに示していきます。


これらによって、クライアントの人々は「自分が主務者になったときも手助けしてくれそうだ」という態度になってくれます。副官の冬月コウゾウは長官である碇ゲンドウとはお互いの名を呼び捨てできる関係であり、そこには強い信頼が滲んでいます。


ちなみに、長官である碇ゲンドウが一回だけ「冬月先生」と言うシーンがあります。なかなか象徴的な場面です。マニアックすぎて詳細は割愛します。分かる人のみ頷いていただければと思います。


しかし、副官である以上、長官の意志を最大限尊重しながらベストなアドバイスやサポート、時にはベターな妥協案を提出していくことになります。つまり、「自分が正しい」という視点は保留されています。


そういう意味では、ロングセラー・フリーランスへの道はちょっとストレスフルでM的な部分がありますが、長く生きていくビジネスは総じて何らかのストイックさを持っているのではないでしょうか。


この続きはまたどこかで。

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