ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

01月27日

今週はオープンセミナー、社内セミナー、コンサルティングとバラエティな業務になっております。


来週は全てコンサルティング案件なので合間に準備をしていきます。現在、ブランド強化のためにクライアントと一緒に戦略書作成していますが、まずは叩き台となる原案の作成が大物です。そして、そのまた合間には心理学の半日勉強会に参加するので、時間的には結構詰まっています。


10年過ぎ、弊社の次の10年というか、個人の生き方10年のための具体的な活動をしつつありますが、先立つ物は時間です。昨年は、内勤日を週2日確保、月と金は外勤しないという方針にもかかわらず、期待ほどの時間捻出に至れませんでした。克己弱し・・・


■乾いた多忙から時間の雫を搾る


今年は新たな2つの動きを組み込みました。以下、誇張した様子ながら本人はいたって真剣です。


1)酒の飲用頻度極小化
おおって感じですね。実は最近周囲でもこういう話を聞くので、一つの潮流でしょうか? いづれにせよ、現在1ヶ月飲んでおりません!(自分に拍手) 


従来の週二回の飲酒で3時間×2回=6時間酩酊が、50週×6÷10時間=約30日/年の創出か・・・まあ、この方の場合はそおは簡単にいかんでしょうけどね(笑)。


せめて月1回ぐらいに減ればいいなあと企んでおります。実際、心理学やら思想系といった歯ごたえのある読書量は増えましたからね。


2)オープン・セミナー件数の縮小
こっちも、おおって感じになってます。徐々に公開セミナーの件数を減らすことにしました。主催会社のご尽力で手堅い参加人数を確保できていたレギュラー物であり、10年近くやってきたテーマもあります。


しかし、フリーな日数をひねり出すために、我侭を言わせていただいき、2011年度(4-3)は最小限、2012年度(4-3)はゼロを予定しています。


社内セミナーなどのカスタマイズしながら行う業務は継続していきますが、これで年間10日くらいの自由時間創出になります。などと宣(のたま)いながらオープンセミナーのお知らせです(笑)。


図解でよく分かるマーケティング実務入門セミナー
2011年2月15日(火)~2月16日(水) 10:00~17:00


なんか「残りわずかです!」みたいな感じですなあ。でも煽ってるつもりもないので、関心のある方はじっくり、ゆっくりご検討ください。

01月19日

本日は知り合いのお通夜でした。同年代ですから、なかなかシリアスな出来事です。もちろん、「人が死ぬ」ということ自体が生きている者に対する究極のインパクトなので、亡くなる年齢は問いません。


とはいえ、平均寿命80歳を引き合いに出せば、どうしても残存寿命を計算してしまい、「何故なんだ」という答えが合わない感覚に苛立ちます。


■「葬期」と「婚期」は内省を奨励する


出席するお葬式の数は年齢とはあまり関係がありません。(お葬式されるかどうかは年齢と大いに関係がありますが) なぜなら、常に人が生まれ、また、去っていくのが人の世だからです。しかし、質的には異なります。


50歳となり、葬儀される知人との関係度合いが強い場合が増えてくるのです。長く生きたが故、当人との付き合い頻度が多くなり、同世代の他界する確率も高くなっていくからです。


今日のお通夜で感じたのは、遂に自分もこの濃厚な関係値の葬儀が増える境遇なったのか、ということでした。これを葬儀のシーズンなので「葬期」としてみましょう。すると、結婚シーズンの「婚期」と同じ風景があることが看取できます。


人が婚期に入ると仲の良い友人の結婚式に呼ばれるようになります。まさに、当人との付き合い、そして、同世代という条件がもたらす時期です。(本人が結婚するかどうかは別問題)


違いがあるとするなら、婚期が春から夏、対して、葬期は秋から冬に見立てることができるところでしょうか。


死には二つの側面があります。誰にも来ること=確実な側面、誰もいつ来るか分からないこと=不確実な側面です。私たちは特に後者を恐れています。不確実性を恐れるあまり確実な部分も見ないようにしているところがあります。


婚期に友人の結婚式に呼ばれたなら、ここでも結婚に関する2つの問いが喚起されるでしょう。自分は結婚を誓いきれるのか=誰もが問われる確実な部分、いったいどんな人と結婚したらいいのか=誰もが問える不確実な部分です。披露宴の食事に舌鼓を打ちながら、往々にして人は後者の話に関心が行きます。楽しいですしね。


でも、結婚において「確実なことに関する問い」が重要なのは明らかです。たとえ誰と一緒になっても記入欄が用意されている共通問題であり、結婚の資格試験がごとき意味合いを持っています。


死も同様に、それがいつ訪れるかは分からない以上、「確実なことに関する問い」への答を求めてきます。自分にとって死とは何か、死を見据えるに相応しい生き方をしているのか、といった切実でありながら無邪気な質問に対峙し、生を正す必要があるのです。もちろん、日々の生活においては扱いを持て余す、できれば最後までスキップしたい難問です。


この死についての「確実なことに関する問い」を思い起こす頻度が上がるシーズンこそ「葬期」である、そんなことを漫然と考えながら、夜が一段と寒い斎場から帰ってきました。


きっと、この内省を促す機会こそが亡くなった知り合いからの貴重な贈り物なのではと思うのです。

01月14日

遂に起動しました!(笑)
定期クライアントとの新年会でスタートだ!、って、仕事でしょうか?


創業8年目のネット通販の会社で、社長と部門リーダーの方々との新橋料亭にて会食でした。創業者と古参メンバーなので回顧話で盛り上がりました。


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現在、数十億の年間売上で、自社企画商品を販売しているので収益も高く、あっという間に存在感のある会社になってしまいました。振り返れば、創業前からのお付き合いとなっており、隔世の感があります。


起業前は手弁当で企画書作成をお手伝いしていました。フィーは、無料では双方が軽んじた態度になるので、英会話のマンツーマン・レッスンに合わせたりしてましたね。今は正規フィーで雇っていただいております、何気に敬語(苦笑)。


過去、いくつも大きな跳躍の場面があるのですが、その時の選択こそが未来を決めているのだなと痛感させられます。マーケティング系の大きな物語は秘密にさせていただき(笑)、バックヤードのエピソードを紹介すると、初期の業績好調時に物流整備に大きな投資をしたことです。


在庫ー梱包ー配送のバックステージ物流をIT化し、それまでの労働集約から脱皮するという決断です。このタイミングを逃していたら、販売量が増え、ますますバックヤードの管理コストにリスクを抱えることになってたと思います。仕掛品在庫が資金圧迫をしていき、人件費が変動費になっていく危険ですね。


フロント・ステージ(商品開発・販売活動などの外側)で目処がついた時にこそ、間髪を入れずに内側の改造に取り組んだため、その後の数倍を超える売上拡大に混乱なく対処できたと思っています。


マラソンや駅伝で下りの坂道を走る時、勢いに任せてダッシュするのではなく、同じペースを保ちながらも栄養補給する感じでしょうかね。また、この活動はコスト貢献だけではなく、作業軽減によって担当者が丁寧な梱包に注意を向けることができるCRMの余裕を生んでくれました。副次的効果ですね。


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外側の課題、内側の課題、資源の課題を振り子のように解決してきたが故の今日なんだ、という新春の物語でした。良いご縁に感謝いたします。


■追記
オープン・セミナーのお知らせです:2011年1月25日(火)~1月26日(水)
「実務に活かせる《戦略シート作成演習》で学ぶ 市場データの読み方とブランド戦略立案入門セミナー」

01月10日

本日は祭日ですが内勤日に充てております。明日へのアイドリングですね。
そんな初動に際し、2011年の仕事について感じていることをツラツラと書いてみると・・・


■知名率モデルから忘却率モデルへ


マス・メディアの崩壊が語られて久しいですが、これも振り返れば90年代後半から囁かれ、00年代になってその声が大きくなって、ほぼソーシャルメディアの大所が出揃った2010年は完全にメディア主導権が入れ替わったように見えます。それも、かなり大音量で鳴っています(笑)。


マーケティングという価値交換での人間行動考察もそれに沿って変わっていきます。まあ、マーケティングは存在ではなく現象ですからね。


マス・マーケティングはKPI(=Key Performance Index)に知名の獲得を設定しています。かなり乱暴に説明すると、商品やサービスなどの提供しているシンボル(名前やパッケージなど)が知られれば知られるほど、それ以降の購入ー再購入が高くなるので、そこにメディア利用を集中させるモデルです。


しかし、マスメディアでのカバー率が落ちつつある現在、つまり、TVとか新聞ってあんまり見ないよねといった状況、では知名獲得とその拡大そのものが難しくなってきています。そして、まさにこの反対では、ネットの膨大な情報量が商品知名を記憶するスペースを埋め尽くす、つまり、そんなに覚えてらんないよ、という環境になっています。


忘却曲線なるものがあります。人は忘れていく動物であることを数理的に説明したものです。現在、私たちは積極的に忘れていかないと過剰情報で迷子になってしまいます。忘却圧は年々高くなっているのです。


今、マーケティング活動ではネットでの露出や関係に焦点を当てていますが、これらも知名獲得モデルの変形版に見えます。KPI選択から見るとあまり変わってないケースも多いんですね。


もし、ロイヤリティとか絆といった基軸を知名率極大化からではなく忘却率極小化からの設計に変容させようとすると、人を選びます。英単語を忘れない人は英語で話したいという人であり、英単語を一時的に忘れない人は英語の試験で良い点数がほしい人であり、英単語をすぐに忘れる人は英語以外に興味がある人なのです。


結局、ここでまたターゲット論に行き着くわけですけど。質の話はさておき、量の話で続けますね。


さて、消費者の記憶の身の丈に合わせるマーケティング活動では忘却率を組み込むことが大切になってきます。そして、忘却率をミニマムにするにはどのくらいの必要知名量でいいのかを考えることになります。


これは無駄な忘却を避けること、記憶ロス率を減らす核と言ってもいいかも知れません。蛇足ながら、クリティカル・マスという言葉がありますが、これは下限値ではなく上限値を示唆する定義に変わっていくと見ます。


もちろん、この潮流は身の丈に合った収益とは何かという命題を含むので、ある意味、ビジネス再考を促します。最終的には忘却率が最も低い時点でのビジネス規模が収益率の高さを保証する身の丈になると予想できます。


2011年は、そんなことを意識的に頭の中で奏でていくことになりそうです。


01月06日

今週は冬休みで、11日からの本格稼働となっております。2007年のお正月以来の理想的なスタートです(笑)。


お正月には松本城に行く機会がありました。すいぶん綺麗なお城で、国宝なんですね。知らんかった。おまけに街並みは都市景観100選に名を連ねているだけあって魅力的です。



美しい街→住みたくなる→人が増える→地域経済が活性化する→税収が上がる→美しい街をもっと整備できる、というスパイラルがありそうですね。


このハード面の上昇パターンに並行して、美しい街→美しさを重視する人々が来る→地域の美意識が高まる→オシャレな人が街を歩く→美しい街がもっとオシャレになる、というソフト面でのスパイラルもあるはずなので、工場誘致や公共施設建設より長期的なROIは高いんだろうなあとも思います。


100年後の地域格差は馬鹿にならんでしょうな。


01月01日

本年もよろしくお願い致します。



今年はマーケティング・コンサルタントを営み12年目となります。ひとえに、皆々様からのご協力とご支援があっての歳月でした。有難うございます。


思い起こすと、2010年1月には・・・
「去年(=2009)が個人の曲がり角、パーソナル・カーブでした。大いなる人生の変局点でした。これに対して、今年(=2010)は会社の曲がり角、パブリック・カーブとなるのではと睨んでおります。」
・・・などと書きこんでいました。


確かに、会社として、仕事として新しい方角へハンドルを切りつつあります。今年は、長かった道も遂には海に出てしまう予感がします。車から船に乗り換える準備をする年かもしれません。


さてはて、どのようになるのか本人もさっぱり分かりませんが、なるようになることだけは確かです。そりゃそうだ(笑)。


Go with the flow.

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