ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月28日

今年の仕事納めは25日でした。例年に比べて一週間遅れ。仕事始めは7日です。こちらは一週間早い。ということで、正月休みはほぼ2週間程度となりました。2010年に何を暗示しているのか・・・?


さて、知人に勧められ「FREE フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」を読みました。ネット(ビットの世界)の話をリアル(アトムの世界)な本にして1,800円という有料化に成功!こそ学ぶべき点かと思っております((笑)。茶化しましたが、示唆の深い良書です。


■CRMの半分
ネット通販のクライアント先で新たなマーケティング・プロジェクトとしてCRMの独自手法開発がスタートします。予防系CRMと治療系CRMの両方を見ていきます。


CRMのコミュニケーション活動で強く意識しなければいけないのがマーケティングROIの視点でしょう。「広告費の半分が無駄なのは分かっている。ただ、どっちの半分が無駄か分からないのだ」というマス・マーケティングのジレンマをそのまま受け継いでしまうからです。


購入意向に関係ない余計なコミュニケーションでも一旦始めると止められなくなります。ポイント制度でのディスカウントはその最たるものです。どこまで顧客像をきめ細かく見れるか、いかに時限立法でのプロモーションで対応できるかどうか、新たな知恵が求められます。

12月23日

【ヤスハラ・マーケティング・オフィス10年レビュー駄文報告書】
第二章「環境分運」・第三項「天運」
留め処なく続いておりますが、人運・地運と来て、最後の天運についてのお話です。いつ終わるのか、もはや本人も不知案内です。


■天運
ヤスハラ・マーケティング・オフィス10年史において、天運については多くを語れません。きっと、運の流れの真っただ中にいると、何が起きているのか分らないものなのでしょう。


フリーのマーケティング・コンサルタントは資格も不要ですし、学歴も問われません。「明日からできる職業」ではなく「今すぐできる職業」なのです。名刺作って、携帯があって、ついでにHPぐらいあれば起業は充分OKですし、中身もお好みで己の身分を飾れる妖しさ200%の存在です。ちょっと自虐的かな(笑)?


ただ、それでも唯一、態度というか姿勢というか、運を受けたいと願う身が持つべきであろう矜持のようなものはあります。


税理士や中小企業診断士は国が資格を公認します。MBAやMOTは学校が証書を発行します。しかし、徒手空拳のマーケティング・コンサルタント、ましてや、寄る辺のない個人事業主となれば、その資格を自分自身で発行しなければいけないと考えます。


毎日の行動はマーケティング・コンサルタント資格に相応しいレベルのものか、己で基準を設定し、都度、マーケティング・コンサルタント認証の可否を自らが決定するのです。


もちろん、資質に欠ける仕事と自分で判断したら資格剥奪もあり得ます。「こんな内容じゃあ、あかんな俺」、そう感じたら、その時点で資格なしです。めげる一瞬ですね(苦笑)。


一方で、卒業試験も日々行われます。クライアントから試験問題を受け、ベストな回答を提供すれば卒業証書が発行されるのです。求められる結果への道筋を分かりやすく伝えたときに卒業証書授与となり、また仕事の依頼が来ます。


知識だけ、実務だけの答案用紙は確実に赤点です。「ちょっと、これではねえ」、こんな感じの反応なら不合格が待っています。ご縁もここまでです(汗)。


自分認証資格、クライアント発行卒業証書、どちらも全くと言っていいほど権威はありません。誰も有難がってくれないのです。おまけに、次の仕事までが有効期限という短さです。それでも、これを繰り返してきたからこその10年のような気がしています。


書いてみるとなかなか辛そうですが、良くしたもので天運に鍛えてもらった結果の「一個の人間として生きていく自信」は比類のない頂き物となっています。これこそ仕事を超えた人生のライセンスでしょうか。


あとどのくらい続けられるかは分かりませんが、そんな立ち振る舞いだけがマーケティング・コンサルタントという生業を許される条件と信じてやっていこうと思っております。


天運は、まさに天にお任せですね。

12月18日

16日はマーケティング・ワークショップ研究会の納会でした。来年度の年間スケジュールを事務局の方々と決定させていただきました。2010年で四年目突入ですか、有難いです。細々と続けてまいりました。これからも細々と進めてまいります。


■宰一参二(さいいつ・さんに)
ついに国債発行額が税収を上回りましたねえ。そういえば大学の時の卒論は「赤字国債発行の問題」についてでした。25年以上も前です。そこからこつこと増やして、ついに税収を抜きました、ヤッター!(苦笑)。しょぼい内容の卒論なので解説はご勘弁いただくとして、国家的ブラック・スワン待ち(?)になった様子です。


まあ、こういった大型の時限爆弾に対し個人でできることは予防(=予め防ぐ)ではなく、後備(=後に備える)しかないと思っております。その一つがコミュニティを主催したり、参加したりすることではないでしょうか。国家ー地域でもなく、企業ー家庭でもなく、ゆるい目的に縛られたゆっくりした運営でゆったりした人の関係を促す集まりに関与することです。


国家・地域・企業・家庭がコミュニティとしての危機を迎えた時、それも複数の集団が難局に臨む時、一人の個体としてのアイデンティティは大きな揺らぎを感じます。


これに対し、個人の意思で参加するレベルのコミュニティはそれほど影響度は強くありませんが、そういう自分の存在枠が何箇所かあると、揺らぐ振動も幾分か吸収することができます。「ああ、自分の居場所はまだあるんだな」の再認です。


自分にとって、マーケティング・ワークショップ研究会は主宰するプライベート・コミュニティに仕分けできます。また、それ以外にも複数、他の方が主催する活動に顔を出させていただいています。


特に個人事務所という企業形態であれば利害関係のない人々との繋がりは意識的に編んでいかねばとも考えています。最近は、勉強会や趣味のグループに自主的に関わっていく人を多く見かけますので、徐々に普通の動きになってきているようですが、まだまだマジョリティではありません。


そこで提案しているのが、全員が一つのプライベート・コミュニティを主宰し、二つのそれに参加することです。一と二は最低数を示すために使っています。称して「大人になったら宰一参二(さいいつ・さんに)活動」 


メンタル面へのセイフティ・ネットワークを自前で作っておくことにもなり、同時に、多種多様な集団が人々に選択肢を増やしてくれ、かつ、メンバーになって活動を維持してくれます。


余計なお世話でしょうけど、この手の話題が出ると相手が聞きたいかどうかを問わず、常に推しています(笑)。

12月13日

【第56回マーケティング・ワークショップ研究会+忘年会のご報告】


■研究会
今年最後となる土曜セッションが12月12日に実施されました。そのあとが2009年の忘年会なので16:00-18:30の設定です。しかし、16:00ちょうどの段階で参加者2名・・・、って忘年会は会場貸し切りなんですけど・・・、と不安がよぎるのでした(汗)。


さて、今回のテーマは「成功事例から学ぶと失敗事例から学ぶでは何が違うのか?」です。以前、クライアントからのリクエストに沿って「失敗事例から学ぶマーケティング・セミナー」を実施しました。その延長で、成功事例学習と失敗事例学習の違いと適切な運用タイミングを体系化してみようと思っていたのがきっかけです。


出席者が4名になったところで、まずは事例体感ということてでユニクロの成功事例「ヒートテック」、同じユニクロでの失敗事例「スキップ」の資料を配布して、何が学べるかを実施します。複数の視点にグルーピングして発表してもらい、そして次に、成功事例から学ぶ、失敗事例から学ぶそれぞれの望ましい場面はどこかを整理してもらうステップです。


なかなか苦戦していたので、これはどのような顛末になるのかハラハラしましたが、最終的に示唆の多い、それでいてシンプルな解釈に行きつくことができました。メンバーからは「何かスッキリした!」との評価もいただけ、光栄です。


これはマーケティングに限った話ではありませんね。なので、いずれリファレンスにアップしようと思います。まずは、ご参加の皆様に御礼申し上げます。


■忘年会
そういえば去年は日比谷でオシャレな宴席でした。今年は打って変わって中目黒のロック・バー「バード・ソング・カフェ」貸切にて執り行いました! バーなんですけど、料理がイケルのが嬉しいお店なのです。マスターの梅澤さんがメンバー(今回は仕込み優先で研究会は参加できず)というご縁に甘えさせていただきました。有難うございます!


前回はアトラクションがなく、どちらかと言うとお食事会っぽかったので、マーケティング・ワークショップ研究会らしい座興を二件企画させていただきました。ちなみに、オープニングは最年少メンバーである大学生Eさんのオカリナ演奏でした。Eさん前日の練習お疲れ様です。心が洗われますなあ。


①本の交換会 通称「インテリ交換会」
参加者全員が今年読んだ中でお勧めの本(新書のような手ごろな価格のもの)を持参し、交換会をしました。ポイントは交換する前の「語り」にあります。その本を買った背景、良いと思うポイント、推奨する理由をビール片手に熱弁してもらうのです。まあ、この段取りが知的っぽいので、インテリ交換会(スノッブ臭さという自虐的意味も含む)となっております。


ついでながら、交換の仕方もその場のグループワークでアイデア出しをしてもらったのでした。本の出版日付順に番号を付け、メンバーは誕生日の日付順に取っていくというものが採用されるのですが、これは楽しいですねえ。盛り上がりました。


②すごろく作成会 テーマは「バーのマスターになろう!」
間延び対策に急遽入れてみた案ですが、想定外の大盛況イベントとなりました。内容は至って簡単、かつ、いいかげん(笑)です。


スタートが「A吉君がバーを始めようと決心する」で、ゴールが「A吉君が自分の店を持って大成功する」と二か所だけを決めておき、その間を、メンバー全員が思いつくありそうな出来事をポストイットで入れていくという内容です。


最終的にはマスター監修の元、それを並び替え、すごろく化して、チーム対抗戦で競う訳です。オイオイというマス目続出で爆笑連発となりました。まあ、酔っ払い同志のボードゲームですから、ハチャメチャなのも気にならないのが救いです。


そうそう、結局酒宴の集いは11名となり、バーのスペース・サイズにぴったりな人数で幕引きとなりました・・・、いやはや、安堵いたしました。ご参集の皆々様には深く感謝いたします。



【すごろく作業中の風景】 ※Uさんの携帯で撮影したものです。
送っていただき、有難うございます。


12月10日

先般、クライアント先で実施している社内マーケティング大学の卒論発表会がありました、出番は5月からなので、ほぼ八カ月の担当業務が終了したことになります。かなりハードな卒論作成を超え、ついに最終回となったのでした。レベルも高く、卒論指導をする身としては誇らしく臨席できました。有難うございます。


【ヤスハラ・マーケティング・オフィス10年レビュー駄文報告書】
第二章「環境分運」・第二項「地運」


レビューという名の与太話シリーズ第三弾です。
今回は弊社10年史を地運で解き明かしてみようと思います。


ヤスハラ・マーケティング・オフィスはマーケティング・コンサルタントの個人事務所です。自己分析でよく使うSeeing(視る様)-Doing(行う様)―Being(在り様)で区分すると・・・


Seeing(視る様)がマーケティング
Doing(行う様)がコンサルタント
Being(在り様)がフリーランス
・・・と分解できそうです。


これら3つが場を作る要素であり、地形を作っています。それこそ環境です。振り返ってみると、「土地選択=ヤスハラ・マーケティング・オフィス」もご縁やら流れやら運らしき気配を漂わせております。


■Seeing(マーケティング)の地運
仕事のフィールドには流行り廃りが付き物です。長く続けたいのであれば年を経ても痩せない土地を選ぶことが肝要と言えるのでないでしょうか。「マーケティング=リサーチやプロモーション」というのが世間の見方でしたので、昨今の「顧客と企業の価値交換構築=マーケティング」からは随分と隔たりがありました。その分、余白が大きいエリアだった気がします。


■Doing(コンサルタント)の地運
ここに関しては全く土地勘のない中でのデビューでしたので、今日こうしていられるのはまさに地運というより天運とも思えます。正直、これぐらいしか職業を思いつかなかったから標榜してみました!、といったノリでしたからね。


しかし、高度な専門性を企業単体で持ち合わせることができなくなってきていたこと、会社員時代にスタッフ部門で揉まれたコミュニケーション能力もあって、それっぽく来れたのではないかと思っています。


■Being(フリーランス)の地運
さて、地運らしきものを最も感じるのが、実のところフリーランス環境の激変でしょう。ITの普及が最も後押ししてくれ、「固定電話が携帯へ」、「机がモバイルへ」、「FAXがメールへ」、「OHPがプロジェクターへ」、「CD-ROMがUSBメモリーへ」といった具合で、自宅で仕事が十分でき、かつ、経費が掛からないような地形に隆起陥没していったからです。


顧みると、20代のころ、喫茶店経営に憧れた時期がありました。カフェのマスターってやつです。喫茶店の経営指南書を読んでいくと、いかに恰好よいカフェが儲からないかが書いてあり、衝撃を受けたことを覚えています。そうです、見栄えのいいカフェをやりたかったからです(笑)。上手くいっている喫茶店の事例はみんな固定費が低く、スモールビジネスの要諦が経費の圧縮にあることを教えてもらいました。


翻ってのフリーランスですが、これも仕事の質と量が安定するのに時間がかかる職業形態です。通常は、長い時間に負けない体質でなければ危険な商売なのですから、経費低減が可能になっていく環境はフリーランスにとって追い風だったと言えます。損益分岐点が限りなく低くなる地勢は大いなる魅力なのです。


追想してみると、自分の場合はBeingに関する地運が大きかったのようですね。などと思い巡りながら、なかなかの場所に出会ったことを心底感謝しております。有難いことです。

12月07日

日曜日は久々に心理学の勉強会へ行ってまいりました。
テーマはスパイラル・ダイナミックス


ピアジェの発達心理学は子供から大人への成長を組立てて説明したものですが、ドン・ベックのスパイラル・ダイナミックスは大人のより深い成長を段階論的な視点から説明したものです。構成はマズロー欲求段階と同じ形式ですが、生活場面で扱える知識にフレーミングしてあるのが特徴です。


それぞれの段階をカラーで説明し、かつ、集団に対する個人の視点を重視しているので、対人的な業務、例えば人事やプロジェクト推進など、で使うことができます。


ベージュ:生存的
パープル:呪術的
レッド:自己中心的
ブルー:権威主義的合理性
オレンジ:戦略的合理性
グリーン:相対的(ポストモダン)
イエロー:統合的(ビジョン・ロジック)
ターコイズ:全体的(ホリスティック)


上から下へ成長の深さを意味しています。これは人種問題の根深さがある南アフリカで運用された経緯から、ホワイトーブラックの区分けを超えるためにこういったカラーリングが配されており、人種以上に人的成長度合いを尊ぶべきという文脈が込められています。


ただし、人は一つの階層に当てはまるのではなく重層的で、その重心がどこにあるかが重要となります。よって、分析は複雑さを伴いますが、それでも新たな客観化された視点を持てることの貴重性は高いと言えます。


自分自身がどのあたりに重心があるかを見直すワークショップもあり、発達段階途中の己に出会ってきました。なかなか大人になれませんなあ(笑)。

12月01日

2009年は10月ー11月の大いなる業務ラッシュを終えることができました。関係各位の皆々様には多大なるご協力・ご尽力をいただき、有難うございます。、
もちろん、仕事の重なりが厳しかった訳ですが、大いに鍛えていただいたことも事実です。こちらにも深く感謝しております。


小休止を入れるため、北陸の温泉がある里にて「ひなびた時間」を堪能させていただきました。


12954910_3151991020.jpg


近況報告も週二回、月八回は記述をしたいと思っていながら、その半分のペースでしたね。やらねばいけないことができないのは人の常習と見過ごせても、やりたいことができてないなら重要検討事項です。


湯船に沈んで自問自答の反省会です。これは働き方の問題ではなくて、生き方の問題なのだな、そう解釈するに至り、来年は大きく「生き方の方角」に舵を取ることを決意いたしました。


外勤を週三日にすることを決め、実施いたします。あっさり申し上げると、仕事を減らそうと思っております。まあ、己の力量不足から自然に減っていく可能性もあるので、それほど強い意思が必要かどうかは不明ですけど(苦笑)、うむ、それも良しとして航路を取るとしましょう。


刺身の舟盛りを前に、浴衣姿で誓うのでした!


ページのTOPへ戻る