ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

04月27日

明日からGWですね。クライアントもおやすみモードなので、個人事務所も自動的に休養になります。


なので、今回はちょっと俯瞰した近況報告。


■大きな広告代理店を使えない大きな企業の小さな事業


リファレンスに記載した10年レビューにもあるように、なぜか、ヤスハラ・マーケティング・オフィスはお付き合いが長い企業がほとんどで、5年以上ばかりになっています。


「これが弊社の凄さの証なのだ!」、と言いたいところですが、結果としてそうなっているだけという点を解説してみたいと思います。


まず、クライアントの企業規模は大企業が半数以上です。常時6割-8割の仕事が社員500人以上いるような企業向けとなっています。その中でも、弊社に強いニーズを感じるのが、こういった大きな会社での小さな事業です。


小さいといっても、初期の小ささであり、いつかは大きくしたいといった事業です。よって、そのための商品開発であり、その延長の市場導入活動を含みます。そして、ここが上手く行けば、ブランド育成の業務へ移行することを目指しています。こういった案件には以下のような特徴があります。


(1)マーケティング投資は多くないが、開発予算としては決して小さくない。


(2)メンバーは精鋭だが、各部門からの兼務でプロジェクト形式


(3)個別の専門知識(研究・製造・販売など)は十分にあるが、全体を束ねる経験は不足


(4)与えられた時間は決まっているが、半年から一年といったやや余裕ある長さがある


上記の1-4は全てリソースについて触れていて、それぞれ「金」「人」「知識」「時間」の制約条件を示していますね。個人事務所がこれらとすこぶる良いマッチングをしているわけです。


特に、大手広告代理店では広告費に対するコミッションによって運営してます。すると、優秀なマーケティング・プランナーは回って来ません。既存の大型広告費を投入している商品が優先になってしまうのです。


組織に属していながら、マーケティング・コンサルティング業務ができ、かつ、気の利く動きのできる人は少なからずいます。きっと弊社より上のスキルの方々も多いいと思います。


しかし、大手広告代理店のマーケ部門の中で、Aさんだけ起用するというのは難しく、通常はバルクでまとめて対応してもらうことが必須となります。必然、活動の動きを鈍らせてしまいます。


問題は、その人を雇うのに、個人では雇えない、雇ってもお金がかかる、おまけに、余計な人々も混ざってくるという状況なのです。つまり、ここにエアポケットのような空白地帯が存在し、小生の出番を作っているのだと思っております。


ですから、「自分が優秀だから継続的なお仕事がある」というのはちょっと自意識過剰なズレた分析だと思うのです。自戒を込めてね。


※追記(5/9)


では、大手広告代理店や大きいコンサルティング・ファームに属している優秀な方を、上記のような場面にいる企業が個人指名で業務委託ができたら? そして、コミッションではなくフィーで支払できるようになったらどうなるのか? 


今度はその指名された人自体が独立したほうが本人の収益も上がります(給与じゃないからね)。そして、クライアントの支払額も減ります(オフィス賃料やバック・スタッフなどの請求がないからね)。あら、いい事づくめじゃないの!


じゃあ、同業者が増加して競争が増えるかというと、こういう仕事が市民権を得て市場が拡大する分で相殺するでしょうなあ、なんて甘いかな(笑)。


余談です。

04月20日

内勤日を平日2日確保できている週が続いています。今週は土日にプラスで月水が内勤日となりました。金土日月で、週末を挟む4日パターンが多いんですけどね。


そんな内勤日に何をしているかというと、早朝に仕事を入れているため、昼間は育児中心となります。といっても実質は補助員のようなものなのだが。


最近は気候も穏やかになったので、子供がぐずったらベビーカーで散歩と決めております。ぐずらなくても散歩と決めております。つまり、父は散歩がしたいのです。


ベビーカーでの散歩のアドバンテージはゆっくり歩けるということです。場合によっては、立ち止まっても良いのです。


これのどこがメリットなのか分かりにくいと思われますが、オヤジ一人で住宅地をゆっくり歩く、はたまた、意味もなく立ち止まるということは「怪しい→不審者→通報対象」ってな具合の不具合を引き起こします。


いや、実際は、そう簡単に通報されることはないでしょうし、世田谷区民もそこまで不寛容とも思えません。しかしです。されるのではないかという不安に苛まれながらの散歩は辛いものがあります。



◆桜も散った近所のお寺


では、ゆっくり歩けると何がいいかと申しますと、普段の風景の中に面白みを感じることができるというのがあります。それぞれの家の庭に植えられている花や木とか、道端を横切る猫とか、神社仏閣の佇まいとか、切り取り方次第で楽しめるものが沢山あるのです。



◆遊歩道の片隅の葉っぱ


そうそう、もう一つベビーカーで散策する魅力は「独り言が許される」ということですね。「この花は何ていうのかなあ」、「あ、ニャンニャンだ!」とか。人によっては、良き父親の微笑ましい光景とさえ思ってくれるかも知れません。

04月13日

新しい仕事たちを紹介します。みんな元気で明るい仕事です! ちょっと反抗期もありそうで、手を焼くかもしれないけど、きっと楽しい仲間になるでしょう。


◆社内用ブランド・ガイドブック・・・
の作成が5月から始まります。完成は8月予定。思い起こすと、こういった社内のマーケティング業務マニュアル作成というのが起業時のメニューだったんですけど、久々来ましたって感じです。寿司職人なのにそれ以外の和食ばっかり頼まれていたようなものでしょうかね。以前の古い考え方を捨て、新しい視点で組み立ててみます。何事も鮮度は大切です。


◆研究所の中でのマーケティング研修・・・
がスタートします。シーズ開発が専門な人々にニーズ視点を提供し、そして、アイデアの出し方などまでを複数回に分けて学んでもらいます。魅力的な商品コンセプトを研究員が発案する、マーケティング系の人々と創発度合いを高めることが目的です。とは言え、受講者のほとんどはちょっとビビっているようなので、楽しくをモットーに実施します。


◆新しい執筆・・・
に入っております。ここまで2冊案件を抱えてましたが、1冊は原稿がアップしました。まあ、こちらは編集側のサポートが厚い案件なので、早いのも当然と云えば当然。さて、手強いもう一冊の方に集中します。まずは、関連チャートから描いていきます。気の利いた図表ができると、文章もサラサラいくんですな。昔、美術部だったから・・・関係ないか。


◆エグゼクティブ・コーチング・・・
の業務打診をいただきました。マーケティング部門の取締役や部門長などが対象のようです。自分が適任なのかな?、って一瞬思ったのですが、日々経営者やマネージャーとサシでコンサルティングする事自体が、それでしたね。相手のマーケティング活動についての迷いを相手の思考パターンに合わせて整理するわけです。質問を筆記用具のように使います。

04月09日

昨日の日曜日は最高の花見日和でしたね。4月になって暖かくなると朝の仕事時間も助かります。有り難いですなあ。


■流行モノに弱いマーケティング・コンサルタントの末路・・・


・・・と書いてみたのは、自分が流行に滅法弱いからです。いやマジで知らんです。テレビ見ないし(オオーッ!)、SNSはたまにしかチェックしないし(エエーッ?)。いつも最近のヒット商品とか芸能人とかクライアントから教えてもらってる有様です(いいのか?、それで!)。いや、本当ですって。


この仕事をはじめる時はがんばって色んな業界の新商品を追っかけてたんですよ。でも、ある日、止めたのです。理由は、切りがないから。そして、知ってても仕事にあまり役に立たないからなんです。


流行モノは廃り物でもあるので、こういったフローに寄り添っているよりは、深いところで脈々と流れる原理原則に焦点を当てたほうがストックが効きます。溜まっていくので、長い目で見ると楽なんですね。


また、流行モノを知らなくても最先端の世界と常に触れている職業なので、意外と世界の動きに敏感でいられるようなところがあります。原材料メーカーでは最新の世界の原材料受給動向、精密機械メーカーでは最新の技術競争の方向、ブライダル・サービス会社では最新の若い人達の結婚観などなど。


世の中がアメーバーのようなものだとしたら、その触覚の先にある現場に立ち会えてるからです。こういった個々の感覚を一つに繋げ合わせてみると、何やら世の中の気運が見えてくる気さえします。


つまり、流行モノに弱いマーケティング・コンサルタントの末路は・・・結構、長生き、ってな話なのでした。

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