ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月31日

2005年の弊社活動レビューをしています。


ビジネス(オープンセミナー、クローズドセミナー、コンサルティング、リサーチ、その他に区分け)の月次実績を金額、時間、回数などから分析します。例えば、内勤日増量を計画していましたが、目標前年比+30%だったのが、実績は8月以降から出始め、+10%ほどで着地、とか。


また、いくつか今後の課題点も出ました。既に感覚的には分かっていたことを、ビジュアルで再認し、来期の優先事項として念じます。


それにしても、ヤスハラ・マーケティング・オフィスの特徴は、コンサルティング業務でのクライアントとのお付き合いが長めということではないでしょうか。これは6年前デビュー当時の予想をいい意味で裏切っています。


会計士などに比べ、要不要が案件ベースですし、継続性もそれほど重要でないのでロックインしない職業と予想していたからです。


5年以上のクライアント:レギュラー1社(毎月業務発生)
3年以上のクライアント:レギュラー1社、セミ・レギュラー1社(3ヶ月以内業務発生)
2年以上のクライアント:レギュラー1社、セミ・レギュラー1社


また、年に一度のお付き合いも3社(いづれも、ここ3年以上)となっています。それだけ、どの企業もマーケティングの課題が尽きないということでしょう。


解決が、次の疑問を生み、そこに知恵を働かせ、新たな地平へ向かう螺旋階段がそこにあります。環境に恵まれることこそが、自身の成長の糧ですので、この有難さを噛み締めながらの年の暮です。


関係各位の皆々様には、本年も大変お世話になりました。
どんな難問にも、常に、一歩先を行くコンサルティングが提供できるよう努めたいと肝に銘じています。

12月28日

風邪からやっと回復。 月曜日の忘年会参加できず、お詫び申し上げます。


朝から、目黒の映画館でティム・バートン二本立てを見て、新橋オフィスへ。
今日の夜は、久々に銀座へ行けそうです。


あまり人に自慢できない趣味の一つに、「絵を贈る」というものがあります。知人の開店や新築などを聞きつけては、誰に頼まれることもなく贈り付けます!税金対策でも、成金道楽でもなく、市販のポスターを購入し、額に入れ寄贈するという行為ですから、他愛もないと言えばそのとおりです。


男性諸氏なら経験があると思いますが、人に選んでもらうネクタイほど身につけないものはありませんね。つまり、その絵画版ですから、開けた瞬間から粗大ゴミという可能性も高いのです。そう考えると、これは趣味というより、悪癖ではないかと危惧してますが、先方からのクレームがないことに気を大きくしてか、治る気配はありません。


アート・ポスターを選び、画材屋へ行ってフレームに組むだけの段取りですが、これがなかなか楽しいのです。


ということで、本日の銀座は去年オープンしたバーへ行く予定です。その壁には一周年記念を口実に強制贈答された絵が二点飾ってあります。(※店のドア先で数分待たされるかもしれないが・・・笑)

12月23日

◆今週がコンサルティング業務での外勤最終週でした。
月曜の名古屋も木曜の秋田も大雪で、雪の名古屋→悪寒→漢方薬→再生→雪の秋田→悪寒→東京で飲み会→更に悪寒→あわてて漢方薬→少し再生、のサイクルです。


来週から約3週間のお休みです。
そういう職業なので、お許しください。
有給休暇もないしね(笑)。


◆出版社より、納品していた原稿に関して連絡があり、あと50ページ足りないと・・・
確かに、最初の校正時に意味不明部分を削除しまくった記憶もあったので、「ああ、やっぱり」というところなのですが、3週間の休みもこれで埋まります。


時間的には5行も持ちませんでした。
そういう職業なので仕方ありません。
有給休暇もないのに(笑)。


◆化粧品をテーマにしたワークショップにて
高級化粧品のパンフレットから、ブランドのラダー(メッセージの階層)を分析し、次に、そのシンボル群を分類するという内容です。


未だにラダー無茶苦茶ながら、ゴージャスなタレントとグラマラスなパッケージだけで勝負の「ほー、まだやってるんですか?」型のブランドもあり、コンサルタントとしては教えどころ多岐で楽しかったりします。


この反対に、「えー、知らないんですか?」と言われるような素敵な人気モデルを遅ればせながら覚えられるので、個人的にも学びどころ満載で嬉しかったりします。

12月20日

最近の記事でマーケティング的に興味深いもの


ジェイコムの株売買に関して。
まあ、一連の責任問題は世間の皆様にお任せするとして、偶然とはいえ、高まったジェイコムの知名率は今後、どう業績に影響するのか、密かに興味を持っています。広告費、PR費ゼロでここまで知名率が上がるケースはめったにありません。実は強運な会社、ということでしょうか。


知名ー理解ー好意でいけば、通常は知名度がそれなりに上がればジェイコム企業の業務内容や提供サービスのベネフィットの一つも伝わりそうですが、今回は完全に遮断されてます。
また、昨今良く見かける不祥事で知名率が上がる「高知名率ー低好意率」でもありません。
ここもほぼニュートラルです。


かなり昔、「WILL(ウィル)」ブランドを大手企業連合が協同で立ち上げ時も、知名率は一気に上がりましたが、ブランドの理解に至らず瓦解してしまいました。これも壮大な実験でした。


今回は、意図しない実験ですね。
短期的には、ジェイコムの営業活動は随分楽になったでしょうけど、長期的にはどうなのか?いつまでも「一円株のジェイコムです」から抜け出れなかったりしたら、やはり運がないということになるのでしょうか。


■ちょっとしたコンサルティングの小技【その2】
※その3はいつになるか不明


その次に、最近の記事でマーケティング的に興味深いもの


→以下引用


三井物産、「ロハス」のブランド管理
 三井物産が来春、米国で健康と環境に 配慮したライフスタイルとして注目されている「ロハス(LOHAS)」をブランドとして管理するライセンス事業を始める。日本で商標の大半を保有するト ド・プレス(東京・中央)と契約、三井物産が2社の商標を一括管理し、衣料品や食品など幅広い商品の展開を働きかける。
 

(中略)


 メーカーは「ロハス」を冠した商品の売り上げの数%をライセンス料として三井物産に支払う。三井物産は「ハナエ モリ」などファッションのライセンス事業で実績を上げてきたが、横断的に商品を広げられるユニークなライセンス事業と見ており、売上高(小売りベース)を 100億円規模と見込んでいる。
[2005年12月11日/日本経済新聞 朝刊]


←以上引用


せっかくのLOHASなのに・・・(笑)。
とはいえ、テクニカルにはこういうことができます。


※注)プレス・リリース通りの記事が書かれるかどうかは別ですので、あくまでもアプローチの仕方ということでご理解ください。


→以下、記事風に


三井物産はLOHASの商標登録と管理を実施すると発表した。
LOHASの趣旨に反する偽LOHASが横行し、消費者への混乱や不利益を発生させないために、一元的な管理が必要との判断をしたとのこと。


三井物産は、LOHASに関する有識者のアドバイスを受けながら、日本ロハス(LOHAS)品質委員会を立ち上げ、LOHASの商標表示に対して使用許諾を決定する。


←以上、記事風終わり


要は、「エセLOHAS」の存在を提示することで、受け手に悪者を対象化させます。
その結果、反対にいる存在は正義ということになり、それに伴う行為は望ましい活動という構図ができます。かなり初歩的なやり方ですが、その分、文字数が少ないコミュニケーションの時には有効です。


さて、こういった対処を個人的に「表層マーケティング」と呼んでいます。知っていて得な小技とは、このことではありません。


クライアント候補がこういった表層マーケティングが好きかどうかで、コンサルタントとしてお付き合いすべきかどうかを判断していくということです。そういう仕事を常に望む傾向にある企業では、そのうちに表層マーケティングが積もりに積もって雪崩を起こし、けが人が出やすくなるからです。事故から我が身を守る小技ということですね。

12月17日

「マーケティングの基本から実践までイチから身につく本」が重版になりました。ほぼ一年で一万部越えですか・・・。まあ、凄い売れ行きとは言えませんが、底堅い支持を頂けた証ですので有り難いことです。


marketing-ichikara.jpg


部数はさておき、この本について特に嬉しいのは、他の経営コンサルタントやマーケティング・セミナー講師が「よい本」と褒めてくださることがあることです。マーケティングの概観をクライアントや生徒に分かりやすく説明しなければならない同業のプロ達から認められることほど、誇りに感じることはありませんね。


◆渋谷オフィス稼動し始めました。
金曜日にPCも届き、、メールやらプリンターなどの設定も完了しました。弊社全体ではデスクトップ3台(各オフィス)、ラップトップ1台(外出先用)の布陣です。


そこで実施するプロジェクトもキック・オフ・ミーティングが行われました。ガラス張りの大会議室はテーブルも一枚ガラスで開放感があります。ここを使えるのは光栄です。さすが、クリエイティブ集団のための施設です。


◆週末は、クライアント社長と企画部門キーメンバーたちと弊社主催忘年会。
企画部門の方々が女性ということもあり、普段来ないという恵比寿・代官山周辺にておでんが評判のレストランを選びました。


良く考えると、今週は渋谷の円山町あたりで知人たちと夕食会があり、これまた老舗のおでんやでした。おでんと言えどもかなり奥の深いジャンルなのだなと痛感、いや、舌感させていただきました。

12月15日

今日の名古屋は底冷えの一日でした。


クライアントとの定例会終了後、忘年会になり、そこで盛り上がったのは「持ってない自慢」でした。携帯電話を持ってない人、電子レンジを持ってない人、クレジットカードを持たない人、ふむ、結構いますね。


■所有のライフスタイルから非所有のライフスタイルへ


自分が子供の頃は「・・・を持っている」ということがステイタスであり、また、どういう種類を選ぶかが自分と他者を区別するキーファクターでした。自転車であったり、ラジカセであったり。


それは、今に至ってもライフスタイル分析などによく使われます。家は一軒家かマンションか、所有か賃貸か、自動車は外国車か国産車か、セダンかワンボックスか、などなど・・・。
しかし、消費が成熟化してくると、この所有による「あなたって、こんな生き方の人」という区分けもあまり説明力がなくなってきます。


一方で、敢えて「非」所有にこだわる人は増えています。そして、それを誇りをもって語る姿勢にこそ、ライフスタイルを感じます。


ただ、極端な例もありますね。卑近な話では、某大手インターネット・リサーチ会社の支店長は自宅にパソコンを持っていません。某広告代理店のクリエイターの家にはTVがありません。「いいのか、それで!」と突っ込みを入れたい衝動に駆られますが、それもまた主義、といえなくもないです。


意志を携えて便利なものを持たない、ということが生き方の主張を成す時代であれば、この「非」消費者行動こそ新たなイノベーターとしてカウントせねばならぬ段階に入って来たのかも知れません。


うーん、仕事が増えますなあ。


12月12日

溜まったメモ帳の整理終了
あとは読み終えた優良書籍ですが、テーマ別に少しずつチャート化して保存していきます。年末までかかりそうですね。変曲点の年、2005年を終えつつ、2006年は具体的な活動に入る予定です。


その一つが、勉強会の主催です


多くの方々と知り合え、よりマーケティングを自主的に研究したいという人も増えてきたので、思い切って勉強会を主催しようと考えています。実は、今回の渋谷オフィスの魅力は、こういう勉強会を行う大会議室を利用できることにあります。


いままで、どこか社会へのコミットメントの仕方がよそよそしいと感じていました。これは我々世代の特徴もあるのかもしれません。他者に距離を置きながら、自分の世界を守ることが貴いとされる風潮?、そんな気分に長く漬かってしまってた影響のようです。


何かを主催したりするのは新たなコミットメントを生むわけですから、明らかに変曲点を越えるに相応しい行為になります。これも、2005年から心理学の勉強会に参加し、少しですがお手伝いするようになって、徐々にそういったこびりついたものが削れてきたせいでしょう。


やる以上は、時間も集中力も、それなりにお金も投資しようと思っています。外堀を埋めて、甘い自分を追い詰める効果もありますしね。

12月06日

内勤してますが、意外とサバキ仕事が多く、なかなか過去アイデア編集作業まで行き着きません。ある意味、それはそれで必要なのに割くことの出来なかった大切な社内業務の時間とも受け取れます。


■青年海外協力隊と寄付、そして、ビジョン


青年海外協力隊が発足して今年でちょうど40年です。関わりらしい関わりもないままに今日の昼まで過ぎています。ただ一つだけのエピソードを除いて。


大学を卒業して入社した会社の同期に一人、会社をそそくさと辞め、この青年海外協力隊に身を投じた者がいます。真面目一辺倒の人物にして、上智大学を出て、体育会の主将を務めた、世間で言うエリートでした。


性格・態度ともに正反対の自分と気が合ったのは、その懸け離れ具合からだったのかもしれません。しかし、その彼が転職ではなく、青年海外協力隊なるもの(その日まで、その名前さえも知らなかった)に参加するという話を聞くに至って、さっぱり意図が分からず、「お前はバカじゃないのか?」と言ったことを今でも覚えています。


そこにあるであろう一人の20代のやむにやまれぬ衝動と、きっと鮮やかに描かれている理想は、「いい大学を出たら、いい会社に勤める。努めたら、そこでベストを尽くす」といった角度のメガネしか持てていなかった者の視野に入るはずもなかったのです。


自分が今になって思うのは、「ああ、バカは俺だったか」というところでしょうかね。


この出来事がかなり影響しているのですが、ヤスハラ・マーケティング・オフィスは収入の1%を寄付に回すことにしてます。1%クラブと言ったところでしょうか?これは偉いことでも何でもありません。真意は、なかなかビジネスの世界から抜け出せない己の娑婆っ気に対する贖罪です。


さて、寄付といえども、ここにはある意味、競争原理が働いています。「どこにお金を出せばいいのか?」という選択が付きまとう限り、やはり優先順位を迫られる訳です。


行き先はインドネシアの津波や、イランやパキスタンの地震といった災害を中心にでしたが、そうこうしているとユニセフからアフリカの子供たちへの寄付を求める郵便物が定期的に届くようになりました。そして、これが辛いのです。


地震や津波はその援助のビジョンが明確です。元の世界に戻るために必要なことをする、というアクションプランに一貫性があります。寄付する側にもその姿は伝わります。


しかし、アフリカの子供たちに対して「・・・円あれば、・・・・人の子供たちを、・・・・日間、飢餓から救うことが出来ます」、つまり、確固たる将来のビジョンはないのです。でも、今日がないのに、明日など語れるだろうか、そうも読めます。


冷めた言い回しなら、試合にゴールはないが、競技に参加させることには協力しましょう、ということになります。


少ない寄付金では何ともしがたい事実が辛いのではありません。分刻みの悲惨さに吹かれながら、いつ果てることのない絶望の淵をふらふらと歩く一日を想像する度、その希望のなさに巻き込まれそうで辛いのです。


ビジョンには二種類存在します。現状の延長線上から説き起こすもの。例えば、「・・・・市場でシェアNO.1を実現させる」というものです。もう一つが、理想から引き返すもの。こちらは、「世界に・・・・な環境を創造する」という感じでしょうか。


結論から言うと、ビジョンは双方を取り込まねば不完全と言えます。前者のせちがらさはともかくとしても、現実を無視した未来はありません。また、浮世離れした物言いとしても、明日を主体的に創る姿勢にこそ周囲の人は共感します。


ですから、ここにある二種のビジョンは正確には二つの要素とも言えます。日本の中で営利を模索する組織であれば経営者の知見とロマンさえあれば、さほど難しいものではないでしょう。


でも、アフリカという単位ともなると、この両方を包含するビジョンは人類の叡智が試されます。

12月01日

12月になりました。
年末年始のスケジュールを見渡し、目配せしながら仕事を進める月です。


弊社のスタッフは全員プロで、契約によって動いてもらっています。案件ベースですから、終了時に都度、ご請求をいただきます。


ヤスハラ・マーケティング・オフィスが他社に自慢できるのが支払い条件です。週末締めの翌週払いを心がけています。(たまに忙しくて忘れたりするが・・・、こりゃ条件以前の問題ですな)


大企業の仕事も個人事業主の仕事も金額が同じだとすれば、次回の発注が大きな仕事になる気がするのはどちら?、という自問から大企業に気持ちがなびくのは納得できます。


そういった訳で、せめて気分だけでも上回りたいからの習慣ですが、結構、好評です。まあ、仕入れ在庫がない職業ゆえに許されてるんですけど。


出来れば業務終了時に、その場で茶封筒にお札を詰め、肩をポンポン叩きながら「ご苦労さん、次もよろしく」なんて声をかけたいくらいです。ついでに、「家に帰るまでに飲み干したらいかんぞ」なんて、いらぬお節介も言ってみたかったりします(笑)。(女性も多いので、失礼極まりないですね)


今日はここの現場、明日はあそこの現場と渡り歩き、その場その場の仕事に身を合わせながら汗をかくということですから、コンサルタントは知的ガテン系だと思っています。

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