ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

02月24日

【第2回マーケティング・ワークショップ研究会】のご報告


2月21日に、2回目のマーケティング・ワークショップ研究会が開催されました。
毎月第三水曜日を目安に実施します。


今回のテーマ・・・
「数字を使わないで定量分析をするワークショップ」
弊社メニューの中でも高い評価をいただいているものです。
数値なしのマーケティング・パフォーマンスから課題を引き出し、定量分析の視点で原因仮説を立てていきます。
今回は参加者(14名)で、実際に体感した後に、この手法を応用するアイデアを出してもらいました。いくつかは発展形として、いくつかはバリエーションとして有り得るので、こちらで加工して、再度、メンバーにフィードバックするつもりです。


前回、オープニング・メニュー「人生コンセプト」(リファレンスに掲載済み)を皆で実施しましたが、メンバーから応用例が提案されています。
主宰者としては意図を汲み取ってもらったようで嬉しいですね。機会があれば、こちらのほうも掲載しようと思っています。


まずは参加者の方々へ御礼申し上げます。

02月20日

◆よく立ち寄っていただいている方へ
ページ・トップのFLASHにローテーションを入れてみました。決して、あなたのPCの調子が悪いわけではありません。ご安心ください。


→弊社のホームページはコムストラクト社製です。
今回もご多忙の中、いろいろなご配慮いただき、恐縮です。
有難うございます。


◆JMAマーケティング総合会議のお知らせ
3月8日(木)にJMAマーケティング総合会議にてコーディネーターをさせていただくことになりました。ご興味のある方は是非、ご参加ください。


→今回は「新しい価値創造を目指すブランド戦略」というテーマで、ヤクルト、ロッテの二社のセッションを担当する予定です。


◆図解でよく分かるマーケティング実務入門セミナーのお知らせ
3月15日、16日に二日間のマーケティング・セミナーを行います。


→マーケティング業務に初めて携わる人向けですが、商品開発から既存商品の育成、B2CマーケティングからB2Bマーケティングまで、マーケティングの全体像をつかむための知識マップを提供する内容です。

02月17日

<着流し教務日記>


■11日 日曜日 晴天
空港から大分に入る。バスにて別府へ向かう。立命館アジア太平洋大学(APU)で一週間の講師生活が始まる。別府駅周辺は連休のせいなのか、初めて見る人の賑わいぶりに少々驚いた。これは街として復活し始めたのだろか。それとも景気のなせる技なのか。そこそこ駄目脱却である。


ホテル推奨の寿司屋「さかえ寿司」へ行く。ご近所の由布院に対し別府にアドバンテージがあるのは海の幸である。絶品の関アジをもらう。明らかに東京のアジではないし、そもそも違う生き物だ。


APUの話になり、いかにも頑固一徹の大将が「韓国の学生は礼儀正しいが、それに比べて日本人は・・・」と嘆く、そして曰く、「兵役のせいだ」と。兵役を受けないでここまで生きて来た者なので大いに頷くわけにもいかない。しかし、さもありなんと思った。


ただ日本人学生をかばうとすれば、賞賛される留学生は皆、国内予選会を勝ち抜いたエリートなのである。上澄みの人材が持つべき万国共通語こそ、礼節なのだ。


■12日 月曜日 晴天
講義初日である。
静寂が支配する春休みのキャンパスはまばらな人通り。今期の履修者は60名ちょっとである。ワークショップにふさわしい「ありそうな難問」を提示し、学生のとまどいをネタにグループ討議へと入る。これを連続し、解説によって締める。生徒間の対話から思考を深め、成長を促すのである。一方で、一日270分の枠が座学ではこちらの肉体がもたないための工夫でもある。


昨年、この着流し講義スタイルをある生徒から絶賛された。
「先生! すごい授業です」
「どのへんが?」
「だって、僕は授業中に一回も寝ませんでした」
君は一生寝てていいよ、と喉まで出かかったが、仮にもクライアント先である。そこは大人の対応でさばく。我ながら成長を感じる。そう、確かに対話から思考を深めているわけで、やはり凄い授業なのか。


■13日 火曜日 晴天
講義二日目となる。
「消費者行動論」であれば、いくらコンサルタントと言えども、アカデミックな知識を語らねばならない。ワークショップ形式が有効といっても、基礎となる知識と知識間の関係図がなければ機能しないからである。残念ながら、この時間帯がもっとも学生の反応が鈍い。
つまり退屈だ。


一通り語りつくし、あとはフォーカス・インタビューをライブで行う。今回はテレビゲームをテーマとした。生徒を関与度と利用度で5組に分け、生で実態ヒアリングを行う。他の学生はそれを観察、質問することで、最終的に「大学生におけるテレビゲームに関する消費者行動」には主にどんな特性要因が絡んでいるか、同時に、マイナーだが違いを生む特性は何かをまとめ、発表するという大型のワークショップである。盛り上がるのは結構なことであるが、モデレーターは講師なので大型の負荷もかかる。つまり疲れる。


救いは「なんでやねん」といった突っ込みどころ満載の発言が随所にある点だ。
「新作のゲーム情報はどうやって仕入れるの?」
「僕は自分から情報は取りませんよ。コンビ二でゲーム雑誌を立ち読みする程度です」
「・・・って、充分に仕入れとるやん」
こんな感じなのである。


■14日 水曜日 雨のち晴れ
初日、履修学生全員に別府オススメのお店を出席票の裏面に記入してもらう。そうやって着流しグルメマップ別府版も充実していく。授業期間中はホテルと学校をバスで往復するだけの生活になる。必然、いい店で食べ過ぎ、生活は動かなさ過ぎという状態になる。せめて昼食は粗食とする。


学生も徐々にペースに慣れるのか、脳が動き出したのか、考えるようになった。着流し講義は、正直、「授=さずける」+「業=学問や技能を身につけようとすること」から程遠い。
「興=おこす」+「疑=日々何気にやり過ごしていることをうたがう」で興疑(こうぎ)に近い。答えがない質問に対して、解き方を自ら考案し、そこに謎の輪郭を浮かび上がらせる、という無茶なセッションを目指している。


なぜなら社会こそ無茶の総体だからである。


社会人になれば同時に複数の問題が降りかかる。解き方を教えてもらっていては間に合わない。いずれ解き方待ちの問題はスルーされ、そういう毎日に麻痺していく。死ぬまでスルーでいければ幸せだろう。しかし、生きている間にその存在に再び気がついてしまったならこれはキツイ。なぜなら無茶に負けないための余力が少なくなっているからである。麻痺する前に対峙できる動体志力を持ちたいものだ。ここだけは生徒も先生も無い。


■15日 木曜日 晴れ
講義四日目となる。
昼食時にAPUの事務方の人と話す。以前から気になっていたことを伝える。


「オフィス、静か過ぎて怖いです・・・」、恐る恐る言ってみる。
「よく言われます」申し訳なさそうに返してきた。


山の高台にポツンとあるキャンパスであれば、静かなる事、山の如し、も自然なことである。しかし、大きなオフィスにかなりの人数が働いているのであれば、静かなる事、墓の如し、は不自然だろう。もしかすると、別府メンタリティーかな。それ以上は突っ込むことなく、学食の安いソバを黙ってすする。


ちなみに、ここの一押しはカレー、280円である。アジアからの留学生による味の指導の賜物と見た。東京なら軽く800円は取れる代物だ。


夜は再び「さかえ寿司」へ。大分の麦焼酎にはご当地カボスを入れてもらい、関サバはハラミで握ってもらう。東京なら軽く・・・って、いくらぐらいか。


■16日 金曜日 曇り、風強し
朝、運転も態度も荒い大分交通のバスに目一杯揺られてキャンパスに着く。車寄せに黒塗りが何台も止まっている。チェコの大統領が来ている、黒い蝶ネクタイ姿の生徒が教えてくれた。彼は吹奏楽部やらに在籍しているそうで、歓迎セレモニーに借り出されて行った。


「消費者行動論」最終日である。
今回、大いなる誤算があった。2年生が主流なのだ。こうなるとワークショップのテーマに抽象度の高いものや、自由度の高いものに滅法弱い。


例年、3年生中心に4年生がいて、2年生は参考程度の人数だった。おまけに、ユニークな発想で切り込んで来る人材が徐々に減ってきている気がする。APUも大統領が立ち寄るほどになった。故に、通常の良い子のための大学になった可能性がある。バスの運転手が良い子になるのが先だと思う。


いずれにせよ、後半は予定していたメニューを全面的に入れ替える。


①従来のパターン:テーマ→個人ワーク→グループワーク→発表
②対応したパターン:テーマ分析の準備ワーク→テーマ→テーマへのアプローチ方法伝授→グループワーク→発表
補助ステップを入れるのである。時間はかかるが、到達度は十分高くなる。


それでも難儀なのは語彙ギャップである。最後に行う試験問題に「時系列で考えてください」という表現があるのだが、この時系列という単語の意味を多くの生徒は知らなかった。
まいったな。


夜は有志と別府で飲み会となる。二軒目はAPU卒業生が経営するバーへ。オーナーの石田さんは去年の受講者だ。定宿のホテルから30秒の場所にあるのでお互い驚く。店のコンセプトは二軒目に行くカジュアルなバー。オープンしてから半年だが、人もかなり入っていた。


<広告の欄>
APU関係者の皆様へ
「別府でもう一軒行こう!」という際は是非、「ミュー(MYU)」をご利用ください。
別府駅前通りに面した、ホテルアーサー近く。
1Fが花屋のビルの2F、入り口にオレンジの看板です。(0977)23-1150
どうせ店を選ぶなら、OBの起業にグラス一杯を投票してはいかがでしょうか。


■17日 土曜日 雨
例年なら帰京する日である。だが、今年は一日延泊する。
夕方にbjリーグのバスケットの試合を見るためだ。地方のプロスポーツの興隆を見るのと、会場となるコンベンション・ホールへも行きたいからである。


別府復活狙いのマーケティングと思われるが、観光以外に会議や集会などの需要を取り込もうとしているようだ。東京周辺で言えば熱海と幕張を足してみようという動きである。


空いた昼に三年生とランチを取る。就活の話になる。なんか成り行き優先で、のんびりしている。気分は別府に熱海を足した感じか。まあ、ガツガツしているよりは良い。自分が就職活動したときもかなりいい加減だったが、人は成るように為るものだ。


夜はbjリーグ、大分ヒートデビルスの試合を初めて見る。かなり人が入っているのに感心する。冬場、室内で二時間のエンターテイメントと考えるなら悪くない。最下位相手の一方的な展開ということもあり、少々退屈な部分もあった。まあ、試合のクオリティはこれからだろう。


国際会議場、コンサートホールなど、入れ物のビーコンプラザは荘厳著しい。大分県も別府市も御多分に漏れず財政は滅茶苦茶なようだ。そりゃなるわなあ、といった施設である。


ご縁のあるAPUもハコモノは自治体負担だった。果たして、行政関与のマーケティング投資は回収されるのか。官庁の成り行き優先を垣間見るようだ。


<着流し教務日記>おしまい。


そんなこんなで着流しの一週間が過ぎました。なんにせよ、日常から離れる機会は有り難いことです。皆々様には深く感謝致します。


また、東京に来たときには是非、一声お掛けいただければと思います。

02月09日

二月は弊社にとって大きな業務、立命館アジア太平洋大学(APU)での講師というものがあります。


今年で4年目なので、毎回一週間の集中講義も累計で一ヶ月となります。さて、この所在地の別府についてですが、一月も逗留すれば、そりゃ情も沸くというものです。みんな素通りで湯布院とかへ行ってしまう負け姿にも慣れました。そんないつ復活するのかも見えない駄目な観光地ではありますが、親近感を感じるようになってきました。


この「駄目だな」という表現も、サッカーA代表がFIFAランキング格下チームにボコボコに負けた時の「駄目だな」ではなく、なじみの犬にお手をさせようとして手を出したら、いきなり手のひらを舐めだす光景に「駄目だな」と呟く感じに近いのかなあ。


ある本にプロフェッショナルは大学で教えるようになったら「おしまい」だ、とありました。自分は4回も「おしまい」をしてしまいました。来期も「おしまい」が予定に組み込まれています。


これだけ「おしまい」を続けると、いつ「おしまい」が爆発するか不安になりますが、もしかすると一般的なプロフェショナルが大学で教えることが「おしまい」なのであって、コンサルタントには「おしまい」は関係ないのかもしれないと思い始めました。


なぜかというと、今の世の中、全員がコンサルタントを標榜できます。専業主婦でもお掃除コンサルだったり、子育てコンサルの人々がいますし、元ニートだって引き篭もりアドバイザーとも言える人もいそうです。つまり、コンサルタントそのものが開き直った「おしまい」ではないかと。


すると、自分は既に「おしまい」なので、もういくら「おしまい」を重ねても「おしまい」に成りようがないのかも知れません。なんか「おしまい」にも見放されたようで、一抹の寂しさはあります。


ですから、「おしまい」に「駄目だな」と言われても気にする必要はないのです。

02月05日

【ライフ・マーケティング講座】スタートのお知らせ


「ヤスハラ・マーケティング・オフィス開設8周年特別企画」第二波です。手法としてのマーケティングを拡張して適用するという実験的な試みです。既にソーシャル・マーケティングという領域が未熟ながら存在しています。従来の営利のためのマーケティングに対し、非営利を想定したマーケティングです。


ライフ・マーケティングはこういった新たな試みの枠組みの一つとして探索してみようというものです。概念図(PDF)を参照してみてください。


■マーケティング進化予想図


ケン・ウィルバーの提唱する「4象限図世界観」を活用したものです。まずは「従来のマーケティング→ビジネス・マーケティング」と再設定し、他の3領域にライフ・マーケティング、ソーシャル・マーケティングとし、そのソーシャル・マーケティングから分岐した形でネイチャー・マーケティングを置いています。それぞれの意味は以下のものになります。


・ライフ・マーケティング:「私」を交換単位とし、私と私を囲価値を極大化する点を探り、実現させ、成長させていく思考


・ビジネス・マーケティング:「それ=モノ(サービス)」を交換単位とし、モノとお金の交換活動において、双方の得る価値を極大化する点を探り、実現させ、成長させていく思考、つまり、今まで一般に規定されているマーケティング像


・ソーシャル・マーケティング:「私たち」を交換単位とし、3者以上の人々や3団体以上の集団同士の交換活動において、全員の得る価値を極大化する点を探り、実現させ、成長させていく思考


・ネイチャー・マーケティング:「それら」を交換単位とし、3者以上の(人類を含む、含まないに関わらず)集団同士の交換活動(生態系)において、全員の得る価値を極大化する点を探り、実現させ、成長させていく思考、ここは完全に予想です。


世界は交換によって成り立っている、というセントラル・ドグマに沿って考え方を広げ、定義してみたものです。こう考えた上で、まずは個人を単位としたライフ・マーケティングに関して探求を兼ね、講座を提案してみようということです。


この領域は弊社のビジネスではありません。よって、リファレンスに講座に関する資料を都度、アップしていく予定です。当然のことながら、ダウンロードできるツール類に関しては全て無料です。


第一弾をアップしました!

02月03日

緊急合宿:日報


やんごとなき理由にて、年初に組まれた仕事がなくなり、結果、一日空く境遇に、さて、溜まった案件を片付けようかと思案するが、従業員の気持ちが付いて来ないのに腹が立ち、社長自らホテルでの緊急合宿を英断するは、個人事業主と言えども心に棲む社員たちに難儀する証だろう。


WEBで横浜のゴージャスなホテルの一室を底値で押さえられたのは直近のお陰なのか、ガラガラの通勤電車でダラダラとホテルへ向かうと、もう昼時で、敢えて混雑に巻き込まれることもあるまいと近くの美術館で館内散策をし、程よい頃合いに中華街でヒルビーと食事に相成る。ほろ酔いで部屋にチェックインすれば、自動的にシエスタとなるのも自然の摂理ってもので、薄暮に起きだし、悔恨とともにPCを携え、近隣のビル街にある紅茶専門店でやっと仕事に行き着く。


バッテリーが上がると気も萎え、顔を上げて見渡せばいつの間にか女性客に囲まれている自分に場違いさを感じ、逃げるように退散す。腹が減るのはお互い様でも、人間様の蓄電を優先せねばならぬのが筋ということで、違うフロアの寿司屋へ席を移し、アルコールも飲まずに夕飯としたのはコンプライアンスと称してやろう。


やはり思索は夜のメニューらしく、部屋の夜景を遠景に、PCの液晶を近景に、脳ミソの内なる情景を深夜まで眺め、ついには果てる。


うーん、弛緩合宿ですね。(社長談)

ページのTOPへ戻る