ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

04月23日

【第四回マーケティング・ワークショップ研究会】実施のご報告


4月19日にマーケティング・ワークショップ研究会の第四回が開催されました。雨と寒さの中、ご参加いただいた方々には御礼申し上げます。
今回のテーマはラダリングの応用編。参加者は10名でした。
持ち寄っていただいた素材全部に対応できず、申し訳ないです。また何らかの方法で対処したいと思います。


今回のテーマ素材
①女性用イオン・ヘア・ドライヤー二社の消費者向けパンフレットからのラダリング比較
②OTC鼻炎薬二社の得意先案内用パンフレットからのラダリング比較
耐久消費財、消耗消費財で、かつ、B2C,B2B両方の実際にある現場素材を元にワークショップを実施しました。


一般にラダリングのフレームはその市場のトップブランド中心にラダー階層によって成立しています。よって、対抗ブランドはそのフレームを避ける必要があります。もちろん、ME TOO型商品であればラダーをいじらず、トップブランドと同じフレームを採用し、価格表示によって勝負となります。


今回は「どのようにブランドのポジショニングを強化できるかのコミュニケーション・ストーリーを提案する」という御題にてグループワークをしました。
特に、参加者が自社&競合のパンフレットとして持ってきてくれた鼻炎薬はテーマとして面白い素材でした。B2CラダーとB2Bラダーを同時に扱うので、こちらも含め気づきを多く与えてもらえました。
T社のSさん、Kさんに感謝です。


次回からは「コンセプト開発」をテーマに、ワークショップ研究を実施する予定です。起点別に三つのコンセプト開発ルートに沿って行います。


・シーズ・ルート
・ニーズ・ルート
・アイデア・ルート


ということで第五回はシーズ・ルートです。
F社のKさんからB2Bシーズをどうやって商品コンセプトにまで持っていくかを検討したいと思います。Kさん、素材提供ありがとうございます。


※マーケティング・ワークショップ研究会メンバー新規募集について
次回の募集は7月からです。6月中旬にはご案内できると思います。現在、事前に参加希望者が4-5名という状況になっています。継続希望者優先ですが、たぶん10名程度は新たな受け入れができる見込みです。
但し、当面の参加条件として、弊社クライアント先、小生のセミナー受講者に限っております。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

04月18日

■メイン・オフィス移転【途中経過】


初めての海外旅行は30歳のときにデンマークのコペンハーゲンでした。
それも外資側の親会社主催の研修です。今思えば、パスポート取得目的が企業内セミナー参加で、外国デビューがヨーロッパのデンマークってレア過ぎますね。
最初の刷り込みが強力なのはアヒルの子供だけではないようで、自分も「異国の原風景=スカンジナビアのたたずまい」になっております。


そんな余韻に導かれてか、今回のオフィス移転に伴う家具調度品などはスカンジナビアン・テイストとしました。既にオフィスの椅子にはデンマーク製、ノルウェー製がそれぞれありますので、中心テーマはスウェーデン・スタイルとなりました。


SOHO全体のデザイン・コーディネートをスカンジナビアン・モダンさんにお願いしたのですが、さすがプロだ、と感嘆したのはレイアウト・コンセプトです。
オフィス・スペースに机が無いんですよ。
ヤスハラ・マーケティング・オフィスの仕事の本質は何か?、というところから問いを起こして、書類を作ること、PCで作業することが業務の核ではなく、直感に論理的説得力を持たせること、事実に論理的整合性を与えることこそその意義だろう、という考察に行き着きます。
よって、考え抜くためのリラクゼーションがポイントになり、机はサブ・ツールに過ぎないという見立てです。


ご存知の通り、スカンジナビアン家具の特徴は椅子です。ヤコブセンに代表される名品が数多くあるのは北欧の風土である白夜を過ごすための知恵の結晶と言われています。
このあたりは、雨が多いために室内で本を読む文化が育まれ、それを背景に発展したシアトルのカフェに通じるものがありそうです。


提案されたレイアウト図で驚いたのは趣向の異なる椅子がたくさん配置されていることです。手持ちの二つ以外に色違い、高さ違い、クッション違いなどで8脚、計10脚がベランダも含めた全域に配置されているSOHOになっているのです。座る位置が変わる度に視点を変えるためで、まるでどこかのお店のようです。


さて、いくらサブの扱いに格下げしたとはいえ、机も重要な要素です。スウェーデン製の上下するデスクをプライベート・スペースに置くという案がプロから推奨されました。軽い仕事は立って済ます、深い仕事は座って構えるという、これまた意図に一貫性のあるアイテムで、即断即決にて採用です。
その他、カーテンからラグまでスカンジナビアンの意匠を最大限に取り込む作業を見せていただいております。


はっきり言って、インテリア・コーディネーター抜きではここまでの発想は不可能です。ましてや、引越しだけでも物理的にいっぱいいっぱいな身には、そういった目利きの技は魔法のようなものです。
正直、おっかなびっくりで依頼したインテリア・コーディネートでしたが、己のセンスの幅の狭さに気づかせてくれ、マンネリ化してしまった自分のオフィス像を圧倒的な魅力と説得力で破壊し続けています。


今回のメイン・オフィス大改造計画に参画中の皆々様には深く感謝申し上げます。

04月14日

「ヤスハラ・マーケティング・オフィス開設8周年特別企画」第三波
メイン・オフィスを中目黒に移転します!・・・といっても今回はES主体の企画なので、当座は皆様に貢献しませんけど。


◆ちょっと、前フリです。


個人事務所になく、大きな会社には必ずある人事習慣に異動があります。会社員時代、人事異動は常に話題のベスト3に入るものでした。(注:大量のゴシップ、憶測、願望を含む)
たまにカフェや定食屋で背広姿の隣人たちの会話に耳を傾けるたびに、ここんとこそんな話もご無沙汰ですなあ、などと感慨にふけったりします。


異動がない仕事を選んだのに異論はありません。でも、定期的に勤務地が変わったり、フロアが移るというのは外部環境をリフレッシュさせる有効な手段だとも思っています。


◆さて、まだまだ前フリです。


東京を知っている人ならご理解いただけるかと思いますが、城南方面は東京の中心部を芯にして、ちょうど時計の6時から9時の間をカバーしています。それぞれの鉄道路線が針のごとく時刻を示すように広がっているんですね。


6時の方角からスタートして・・・
京浜急行→東海道線→京浜東北→横須賀線


7時ぐらいの方角になって・・・・
東急目黒線→東急東横線→田園都市線


8時ぐらいの方角になって・・・
小田急線→京王線


9時の方角が・・・
中央線


メイン・オフィスの振り出しは横須賀線沿線の西大井駅、次に東急目黒線沿線の西小山駅、今度が東急東横線沿線の中目黒駅と移ってきていますので、針が徐々に9時に向かっています。
このリズムで動くと次は田園都市線かな・・・・、でも、凄い混み方という話なので怖い。


◆そんなこんなで、やっと本題です。


こうやって沿線を変えるというのは引越し先選定にとってとても重要なテーマです。なぜかというと、引越しという名のレイ変が目的だからです。(注:レイアウト変更のこと。特に某R社で有名な略称) これによって習慣が刷新され、気づきを生みやすくなります。
特に都会は沿線ごとに微妙な文化人類学的人種構成比が違うので新たな刺激を与えてくれます。


ながなが語ってみましたが、今回の引越し型レイ変はES(注:従業員満足度のこと。一旦獲得された権利は当然なものとされる)を向上させるための福利厚生の一環と考えています。
ESが上がれば、アウトプットの品質も上がり、CS(注:顧客満足度のこと。一旦体験された品質は標準と見なされる)も上がるのです・・たぶん・・・きっと・・・、まあ、本当にそうなるか身をもって試してみましょう。


04月11日

月曜日は富山県黒部にて新人研修で講演。
季節の変わり目で風邪を引きながらも、ご迷惑をかけることなく無事終了しました。ふう。
一方でメイン・オフィス引越しの準備もあり、仕事の合間にお役所や不動産屋さんに立ち寄らねばならず、結構大変。ゴホゴホ。
ということで、詳細はまた移動後にご報告します。

04月05日

相変わらず多事多端で卯月も五日となってしまいました。
ゴールデンウイークまではこんな日々が続くようです。


■幸福を追うが故の不幸
知り合いに薦められ岡本太郎の「自分の中に毒を持て」を読みました。書き手としての氏は初体験でしたが、むむむ、爆発しています。それも猛爆。
爆風に曝された中でも特に「ぼくは”幸福反対論者”だ」という一説には深く納得しました。


確かに、幸福を追求することは不幸を忌避するという側面を持っています。自分が不幸でないことに幸福を感じてしまうのです。まあ、ここまでは普通だとしても、遂には自分の幸福の探求が他人の不幸の希求に置き換わって行き易いのです。「人の不幸は蜜の味」とは、幸福に固執してしまう結果、人の不幸に甘美な味を強く感じてしまうことなのです


収入アップが幸福だと設定すると収入が減ることが不幸になります。ここで止まれればいいのですが、この延長に自分より収入の低い人を眺めることで今の自分を幸福であると感じるようになります。
ならば反対に、高級住宅地の邸宅に住むことが幸福だと規定すれば、もっと一等地で、さらに大きい家に住む人を見たときに不幸を感じます。


際限なく続く嫉妬と優越感の世界は幸福を渇望したために引き起こされる不幸のビッグ・バンなのかも知れません。
幸福ー不幸軸を捨てて生きていけ!、爆発現場からの素敵なメッセージです。

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