ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

08月30日

【個人事業主の夏休み日記:その1】
※但し、その2があるかどうかは不明


夏休みデビューは温泉からです。
名古屋出張が最終日ということで、返す刀で湯河原へ。知り合い推奨の旅館「S」に逗留、江戸の宿六着流し旅(えどのやどろく・きながしたび)と相成りました。


◆温泉平日連泊主義


ちょっとした主義主張ですが、やはり温泉宿は平日二泊三日以上が基本ではないでしょうか。なぜなら、この二日目にある昼間の露天風呂、それもチェックアウトとチェックインの間こそが、贅沢の極みになると考えるからです。平日であれば、ほぼ貸切りは間違いありません。「あー今頃、みんな冷汗を流して働いているだろうなあ」、などと湯汗をかきながら、ワンランクアップの優越感で満たされること必定です。心底オススメ。


こないだは冬の東北、田沢湖で平日二泊三日を実現させました。誰もいない露天風呂で、雪景色にもう一つ、湯煙で白を足すという印象派ターナーの世界です。


今回の露天風呂では、青空を借景に、生い茂る木々の緑を日除けに、湯をすくったり、弾いたりと、ふやけた昼下がりを堪能しました。


◆公衆浴場一番風呂主義


このように書くと、「驕ったイケスカナイ奴」に区分けされそうなので、いえいえ、そんなことはありません、という部分も加えさせていただきます。


もし、貴殿の会社がフレックス制なら、午後3時に切り上げ、近所の公衆浴場へ一番に行き、物理的貸切を堪能しましょう。ただし、昨今の高齢化の波で、往々にして二番・三番になってしまいがちですけど。


自分も仕事が早めに終わる予定のときは、予めタオルやら石鹸やらを鞄に詰め込み、大衆浴場独占を目指します。 いそいそと靴入れの木札が揃っているかを気にしながら、高い天井に響く引き戸の音に心をときめかせ、遂には天然無垢な姿になってインドアの富士山を拝むのです。


都庁の条例なのか、湯温が熱めなのが無粋ですが、そこは江戸っ子といい聞かせ、程よく浸かったなら、喉の渇きもピークとなります。あとは最寄りの中華料理店、またはお好みで蕎麦屋へ。そして、そう、ビールです。


野菜炒め、餃子、ビール。板わさ、もりそば、ビール。いずれも風呂代込みで金弐千円以内也。ほろ酔いで店を出ても薄暮が精一杯の陽の長い夏こそ、贅沢にはお金があまり関わってないことを鮮明に教えてくれます。


ふっふっふ、個人事務所のアドバンテージが意外なところにあったこと、お分かりでしょうか・・・。


驕ってはいないけど、ちとイケスカナイ奴ですかね(苦笑)。

08月26日

月曜日―日本酒蔵元先でのコンサルティング
火曜日―ECショップ先でのコンサルティング
水曜日―製菓会社先での社内マーケッター研修
木曜日―Web求人ビジネス定量調査結果からのマーケティング・レポート作成
金曜日―日本能率協会マーケティング・プロフェッショナル・コース終日セミナー


こんな感じで夏休み前の一週間を過ごしました。無事に休暇をいただけるのも、クライアントの皆様、関係各位の方々のご協力があってのことです。また同時に、こういった自分を成長させてくれる機会が与えられていることへ、深く感謝いたします。


■コンシューマー・インサイトのワークショップ


お菓子会社で、コンシューマー・インサイトをテーマにしたワークショップを初めて実施しました。名前は凄そうですが、参加者がお互いデプス・インタビューで潜在ニーズを探るというシンプルなものです。通常は、ロール・プレイングをする程度に留めていました。
今回はそれを皆で、聞く側―聞かれる側両方を体感し合おうというワークです。


インタビューアーとしてのスキルもこつさえつかめば比較的簡単です。むしろ、ちょっとした発言に潜在ニーズの発露を見るセンスの方が求められます。デプス・インタビューのフローを応用し、誰もが使えるワークショップにパッケージ化したものですが、今回のように、ひとつの会社や部門内などで行うクローズド・セミナーですと参加者全員が顔見知りなので、ラポール形成済み(別の人間関係がありそうですけど・・・)なのが助かります。


潜在ニーズですから、被験者も質問者も気が付いてないところ行き着くことをゴールにしています。よって、お互いが 「あ!、そうだね。そういえば、そんなところを大切に選んでいたんだね。なるほど、なるほど」 というところで納得の終了サインとします。ですから、爽快感のある楽しいワークショップになりました。


なんか、深層心理探求のような冒険気分がいいです。自分も被験者になり、実は街のカフェの選択基準に潜在的なニーズがあることを発見されてしまったり・・・。うーん、実はそうだったのか、などということを経て、また、弊社のワークショップ・メニューが増えていったわけです。

08月22日

クライアント先であるECショップにて、定期のコンサルティングでした。今日のお題は、新製品開発のプロセスを多様化させるためのフレーム作りです。会社の成長が急速なため、開発業務担当者にしわ寄せが来ているためです。


二週間前にこの課題が提示され、本日、先行する新プロセスの実施手順まで決定し、即刻、導入されました。さすがWebビジネス、時間のサイクルが早いですね。


2時過ぎに案件業務が終了し、出先でのちょっとしたオフ・タイムとなりましたので、展覧会まわりをさせていただきました。


インゴ・マウラー展(東京オペラシティ・アートギャラリー)
今回は、仕事後の足の良さから新宿という場所優先です。


内容は物理的に面白いと言えるのですが、意外性を大切にしているシリーズなので、一同に集まると意外でもなんでもなくなるのが難でしょうか。ただ、一つ一つに思いを込めている真摯さは好感がもてます。驚かして、はい終わり、ではない作品ばかりなので。


収穫は同時開催の収蔵品展で、かなり充実しています。結局、インゴ・マウラーの図録は買わず、こちらのギャラリー収蔵品の方のみを購入してしまったくらいです。


確かに、こういった日本人画家で1970年以降の作品となると、話題性に関してはちょっと辛く、集客も厳しいでしょう。でも、コレクションが持つ一貫性ある世界観にはコレクターの審美眼の深さが大きく寄与している気がします。


ポップアート1960’s→2000’s (東郷青児美術館)
同じ西新宿エリアということで、串刺しにさせていただきました。


本音は、60年代アメリカン・ポップ・アートは博物品として観て、2000年以降の作品に引き寄せられてのことです。残念ながら、カバー範囲が広いため、限られた点数では総花的にならざるを得ないようです。


個々の作品の話は置いておくとしても、こうやって時代順に並べられてしまう時世にアメリカン・アートも来てしまったのですね。歴史遺産と化してしまったロイ・リキテンシュタイン、もうすぐ、そこの域に入るであろうキース・ヘリングなど、眺めながらそういう感慨を持ちました。


時が削り取ってしまうアートの鋭さと、その反対に、時が積もることで上がる資産価値を画家はどう案ずるのか、知りたいところです。望むと望まざるとに関わらず、隣接したコーナーで居丈高に展示されているゴッホの「ひまわり」のように、アンディ・ウォーホールもなっていくのでしょうか。


08月17日

さて本日は仕事に集中します。というより、明日から夏休み前の働き者の一週間が始まるので、準備せねばいかん、ということです。


誰かが働いてくれるから、休みを取っても世間は動いてくれるので、感謝を勤労で表すのは当然でしょう、そう言い聞かせています。


昨日の昼食は隣駅まで散歩しながら、「冷やしタンメン」なるものが看板に掲げられている店の前にて、一瞬は逡巡したものの「これも仕事の肥やし」と、頼んでみることにしました。


「冷やしタンメン」ええ、もうびっくりです。
ボールに麺が入り、塩系の冷たいスープに浸かった状態で、その上にレタスやきゅうりやコーンがサラダさながら盛られている、涼しげな一品です。なるほど、冷やし中華やつけ麺とも異なる新しいライフスタイルの提案ですね。下町のラーメン屋と侮ってはいけないのです。しばし、入り口で躊躇した自分を恥じました。


一口食べて、また、びっくりです。これが、もう絶妙に・・・不味いんです。
(すみません、引っ張らせていただきました)


いやあ、参りました。本当に心から降参です。二度とオーダーしませんから見逃してください。


生野菜と麺とスープの不協和音の奏で方は尋常ではありません。何の味もしない野菜に、冷えた麺が絡むことなく固まりになって口に入ってきます。コクのないスープはただそれを傍観しているように皿の下に留まり、塩味だけがやっとの思いで舌の上まで這ってくるという、もし、これが計算されていたなら、ここの料理人は鬼神に違いありません。


普段、こんなことはしないのですが、十分の一程度減らしたところで退散させていただきました。久々ですね、これほどエグイ・メニューを体感したのは。


逃げ込むように別の中華料理店にてカニ・レタス・チャーハンを所望しましたが、これが、もうあまりの普通でありきたりの美味しさに救われました。地獄に仏と申しましょうか、冷やしタンメンにカニ・レタス・チャーハンとでも記すべきでしょうか。


古今東西の歴史を鑑みれば、フグや毒キノコやらも貴い命がいくつも落とされた中、食材になったり、禁忌されたりという人類の知恵となって今此処にあります。きっと、こんな衝動に駆られてしまった選択の結果だったと推察します。


誰かが試してくれたから、どんな昼食を取っても世間は無事なのでしょう。高い昼飯代に無理やり意味付けをしてみました。


08月14日

盆休みは弊社にとって夏休みではないので、あくまでも連続内勤日という感じです。PC抱え、買い物&カフェを繰り返して日没を迎えました。


■FRAIMING ※か・な・り・マニアックな話


いくつか考えなければいけないテーマがあり、その一つに「プランニングの前提条件」をどう整理するかという課題があります。


これは、「どんなプランニングも環境、背景、意志、そして、制約条件を持つ」ということで、当然と言えば当然なことのですが、上手く整理できるとプランニングがすっきりするなあ、という思いがあります。


実際にプランニングをしてみると分かりますが、既に答えは前提条件の中に潜んでいるのです。ですから、前提条件の次に来る本番のプランニングで上手くそこから掘り出せるようにできれば、プランニングの負荷が減ることになります。


SWOT分析なども前提条件の整理のツールですが、欠点は過去から現在までしかカバーできてない(実のところ、それでも充分機能しているけど)ところでして、未来から現在に戻るビジョン・サイド、つまり当事者の意志を同じレベルまでに前提条件として加工できると楽なんですね。


思案の果てに、不意に浮かんだのが、心理学勉強会で教えてもらった本の中にあったFraiming(フレーミング)でした。
この概念で「ビジネス・ビジョンから何をFramingするか?」というステップに持ってくると前提条件が、どうもすっきりしそうだぞ、という感想です。
相対するSWOTも環境のFramingということで、並列で扱えることになります。


とりあえず、今日の段階ではスッキリしました。でも、明日になると、きっと新たな不完全さに気がついたり、整合性のための複雑さに嫌気がさしたりするんでしょうけど・・・、仕方ないことですが、それも自己成長ということにして、夜更けを迎えようと思います。

08月10日

明日、金曜日から一週間はお盆休みです。ちょっとくつろぎモードとなります。


取り合えず金曜日はヒルビーなど、怠惰な生活を分刻みで予定しています。攻撃的な退廃を目指しておりますので、昼寝で惰眠を積極的にむさぼるなど、世捨て感を確実に漂わせられるよう諸事徹底を図るつもりです。誰からも後ろ指を刺されない無駄な一日を送れればと願っています。


◆似ている話・その1
大きな本屋さんで「WEB2.0」に関するコーナーが大々的に展開され、関連書籍が山済みです。


◆似ている話・その2
ある社長が語る。君たちは部下を叱ってばかりいるから駄目なんだ! もっと褒めるんだ!、いいか、叱ってちゃ部下はついて来ないんだ。


なんか笑い飛ばせないのは、自分でもどこかでちょくちょくやっていそうな気がするからでしょうか。


08月06日

ほぼ理想の仕事量に戻りつつあります。今週の平日五日間は三日が外勤、二日が内勤の標準形(ここんところ崩れっぱなしだけど)です。


このリズムになると「急がないけど、大切な仕事」に時間を割くことができます。


マーケティング標準に対する態度


・例えば、こんな数式を解くとなると、まあ、機械的な話で済みます。


30X+50Y<500
X=2Y
但し、X,Yは整数


・では、これを・・・
「花子さんは500円持って果物屋さんで30円のみかんと50円のリンゴを買いに行きました。みかんの数がリンゴの数の2倍になるように買うには、それぞれ何個かえばいいでしょうか?」という言い回しにしてみます。「円」が付くと俄然、リアルな世界になります。


・しかし、リアルになると回答も変わったりします。
「X=8、Y=4」に対して・・・
「まだ、60円も余っているから、みかん二個買って丁度にしたら?」など


・こうやってリアルな提案に一歩でも踏み出すと、もう大変なことになります。
「本当に果物屋でいいのか? 近所のスーパーもバラ売りしているはずである」
「リンゴが50円で買えるのはおかしい。品質に問題があるのではないか」


・実際にはこれ以上の環境設定があり得ます。
「花子さんの母親が馴染みの店で、店主からの必ず数的なオマケが読み込める場合・・・」
「花子さんが小学生低学年で、愛嬌で勝負できる場合・・・」
 ですが、一方で・・・
「花子さんが店主に会えず、バイトから購入してしまう確率はどうするか?」
「こんなご時勢に、幼い女の子一人に買い物に行かせるリスクはどう読むのか?」
なんてね。


大袈裟に語らせてもらいましたが、マーケティングには「単純化した数式」も「花子さんの生き様」も両方大切なのです。


これが標準であるとマーケティングの世界では言い切れないのは、標準が存在しないのではなく、存在が多面的だということです。それでありながら、どんなに複数の視点があっても、最後には「ある選択」を行うことだけは確かなのです。


ですから、都度、研究的視野と臨床的視野の間を行き来できなければなりません。よって、普段から深めに物事をえぐっては、整地して元に戻す思考鍛錬が求められます。


そんな時間を読み込んだ毎日をマーケティング・コンサルタントの標準形と呼びたいのです。

08月02日

火曜日は久しぶりの平日内勤日でした。


朝、喫茶店での読書からスタートできたせいか、落ち着いた中にも深みがある一日でした。明日からはまた仕事が続きますが、昨日までを引きずらことなく朝を迎えられそうです。


さて、こんな猥雑な毎日でもマーケティング・ネタには事欠かないようで、いくつか綴ってみます。


◆JALのクラスJ、ANAのスーパーシート
秋田の出張は、行きはJAL、帰りはANAという段取りだったのですが、JAL便では千円プラスでクラスJを選択し、ANA便では5千円を惜しんで通常席としました。


約一時間のフライトで、どこまでシートに贅沢を盛り込むかは微妙なところですが、千円ー五千円の間に線が引かれたことは間違いないのです。個人的な体感もさることながら、JALのクラスJは満席、ANAのスーパーシートは利用者ゼロが印象的でした。でも、もし、二時間のフライトなら迷いますね。顧客のプレミアム・シートの値頃感は単一価格で区分けできるのか、ちょっと疑問です。


◆品川駅エキュートの老舗N
新幹線を利用する最寄り駅が品川なので、時間帯によっては昼食を買い込みます。有名老舗料亭Nのお弁当は同じサイズ、表向き内容の他社製品に比べ1.5倍ー2倍の値段です。マーケティングでは何事も試練と覚悟していますので、我がサイフに命じて巻き寿司弁当を購入しましたが、いやはや、これが美味いのです。素材、味付け、組合せ、いづれも絶妙です。


試しに、別のコーナーのほぼ同じ巻き寿司を購入してみたところ、老舗Nの価格差は充分正当なものと納得しました。※別コーナー品が不味い訳ではありませんので、誤解なきようブランドを証明してもらったということでしょう。ちょっと「やられた感」がありますね。



◆銀座周辺のホテル

今月、また銀座で二日続きの仕事があり、両方とも朝9時スタートなために満員電車回避を口実として、周辺のホテルを予約しました。まあ、自腹ですのでご容赦ください。プチ夏休みということで。


さて、WEBで検索してみると、多種多様なホテルが色とりどりの宿泊メニューで誘ってきます。その中で、「ハイドロバス・マンダラ・リラクゼーション」というオプションに惹かれて、申し込んでしまいました。実のところ、リラクゼーションという単語以外は何をしてくれるのかさっぱり見当もつきませんでした!(苦笑)いつもの好奇心のみでのセレクトです。


なるほど、一覧表の中で「宿名・場所・広さ・価格」を羅列されると、最後の一押しはこんなところにあるような気がします。但し、東京在住でありながら東京ステイをする人の選択特性なので、かなり市場は小さいと思いますけど。


プチ夏休み需要じゃあ、プチ・マーケットは必然でしょうね。

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