ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

10月31日

ブランドはヨーロッパから来た
ブランディングはアメリカから来た
さて、ノレンの国はどうするのか?


まあ、こんなギャグを昔、会社員時代に交わしていました。今はコンサルタントですからね。どうキレイに言い訳してもブランディング・サイドの立ち位置です。


さて、どんなブランド構築の仕組みを作るにしてもコンサルタントして心がけているのは、「その1:ビジネスとして外さない」、ということです。いいブランドでも、ビジネスとして上手く行くかどうかは別です。


有名ブランドが売り買いされるのは、ビジネスとして継続するほどの力がないからで、そういったブランドは沢山あります。確かに、売り切るならそれもいいビジネスと言えなくもないですが。


「その2:底にマーケティング・メソッドを作る」、これはビジネス(ここでは経営の意味)の反対側、現場でそのブランド育成が確実に続くためのオリジナリティのある手法を提供することです。どんなブランドも外から見ると真似できそうですが、こういうブラック・ボックスは模倣しにくいので、顧客の頭の中に入っていける時間が稼げます。


こうやって意図的な準備をしても、やはり、いい物しか売れないです。
気が引けるので、これからはノレンニングと標榜したほうがいいかな?・・・同じ(笑)


10月29日

◆まったく新しい分野の新製品開発で、コンセプト開発をしてます。ということでジャンルなども秘密。
研究所からほぼ最終型のプロト品が上がってきましたが、かなりいい出来のため、あっさり次ステップへ進めそうです。最初の消費者調査の段階では、どうなることやらと思ってましたが、やはり、メーカーは作りが命ですね。


◆コンサルティング業務の分化なのか、新たなプロジェクトが4つほど並行して動きそうです。
・E-コマースでの新しいビジネス測定基準の開発
・マーケティング・ワークショップの大型プログラムの開発
・他のコンサルティング・ファームとのコラボによる企業向けの新サービスの展開
・何か凄い、もしくは、まったく凄くないかもしれない謎のプロジェクト・・・わけ分からん?(笑)


こうやって並べると格好いいですけど、その実態は時間を何とか捻出しては書類を書いて、手弁当で集まっては手分けするという、人に自慢できない姿のような気がします・・・。


◆弊社メイン・クライアントの一つであるE-コマース・サイトで新たなブランド・フォーメーションの整理を進めています。
絶好調なのは何よりですが、製品ラインが拡大してきたため企業ブランドー商品ブランドの二層ではきつくなりつつあります。リアルでのセオリーをどこまで適用させ、WEB向けのための新たなアイデアをどこまで組み込むか、悩ましいところです。


10月26日

特に日本史を勉強したわけでもないのに、なぜか忘れられない史実が誰にも一つや二つはあるのではないかと思います。


■個人的に深く印象に残っている過去のエピソード


1333年鎌倉時代の最期
北条家が新田義貞に攻められ滅びるとき、戦に破れた一門の人々は自然と菩提寺の東勝寺に集まり、そして、自害しました。


史書では800人ぐらいが自刃したとのことなので、今ならCNNで即刻、世界にトップ配信されるような大惨事です。


あまたの有名でドラマチックな出来事が歴史にありながら、敢えてこの話に興味を惹かれるのは、「人は心底追い詰められたら、いったいどこに行くのだろうか?」という設問に答えているからです。


戦いに敗れ、敗走していく人々が示し合わせたように寄り集まったのは栄華を象徴した鶴岡八幡宮でなく、菩提寺だったということに哀愁を見るのです。


こういった悲惨な状況とは随分縁遠い生活ですが、「人は心底追い詰められたら、いったいどこに行くのだろうか?」という質問だけは心のどこかにいつも潜んでいます。


最近、心理学の勉強会に積極的に参加するようになったのは、マーケティン・コンサルという職業柄ではなく、こういう個人的な関心があってのことです。


ですから、心理学も三人称の心理学に興味があります。哲学的な一人称の心理学でもなく、カウンセリングやコーチングといった二人称の心理学でもなく、組織や集団を扱う三人称の心理学です。


マーケティングとは切り離していたつもりですが、ちょっと考えてみれば、これらはコインの表裏の関係であることに気がつきます。内側の世界を扱う三人称の心理学、外側の世界を扱うマーケティング、どこかで通じているようです。


でも、ピタッと重ね合わさるにはまだまだ学びが足りませんね。


10月19日

本日は名古屋で定期のブランド・マネジメントに関するコンサルティングでした。
実質はブランド研究会ですので、共に勉強する間柄です。こちらは東京と違ってさわやかな天気でしたが、室内作業なため、あまり享受できず。

今週、来週はセミナーも多く、二週間で5日の終日セミナーが構えています。余波で平日の内勤日はありません。執筆が一段落したのが救いと言えますが、いやいや、これはこれで気が抜けないです。


■教える順序


マーケティング・セミナーも定期と単発など形式は多岐に渡ります。しかし、その根幹は同じです。一見、テキストが異なったとしても、クライアント・ニーズや受講者レベルに合わせて切り取り方を変えることで、それに応じていくからです。つまり、トリミング違いに過ぎません。


分析―目標―戦略―戦術―実施ー評価、そして、また分析へという作業ステップの順序を変えることはありませんが、個々の要素に関しては教え始めてから随分と変わりました。特に大きく改訂されてきたのはプロモーション領域でしょう。大型の消費財では、TVを基点にマスメディアからプロモーションといった流れが当然のようだったのはもう五年前の世界です。


今は、HP-PR-CRM-SPーマス4媒体の順に沿ってクリエイティブを決定していくよう指導させてもらっています。完全な逆順ですね。なるほど、大量消費が見込めない訳ですから、投網ではなく一本釣りを優先させるのは自然なことでしょう。


一昔前はTV-CFを作成して、その原本を組み合わせたり切り落としたりしながら他のプロモーションに展開していましたが、今はHPで流す長尺ストーリー版を作成し、そのエッセンスをTV-CFにする形式がオススメになってきています。


自分たちに近い媒体の表現を大切にしていくというのは、ブランドという顧客の頭の中に棲む世界地図を自ら描く、という意味です。


成熟化が進むこの国では、少ない人数だとしても素晴らしい顧客を芯にしながら商売を築いて行くほうが賢い選択になってきたのでしょう。「それも急速に」というところが、こんなところにも見出せるのです。

10月14日

金曜日は公開セミナーが入らない限り内勤日ということにしてます。
明けの月曜日もそのようにしようと努めています。難しいですけどね。


従いまして、今日は内勤日です。
仕事の方は、午前中に(というか前日深夜に)マーケティング・プロフェショナル・コースのテキスト最終回用を去年版から大幅にバージョンアップし、朝はカフェにて仕事関係の本を二冊読了となりました。せっかくの天気なので「ヒルビー」です。羨望度半分でお読みください。


ただ正直なところ、暑い日の昼間に純米酒を冷やして鰻、そして、肝焼きなんていうのは、たとえ誰から憐れまれても迷わず選びたい場面です。涼しくなって、蕎麦屋で敢えてせいろにソバ焼酎お湯割りなんていうのも好きですね。


この後のスケジュールですが、シエスタです。

10月12日

清酒に関する仕事の打ち合わせ中・・・


昼間にビールを飲むのがヒルビーと略されるということは、ついに、そういう行為が市民権を得ていることなのか、という話になりました。確かに、平日の昼にワインは何か粋なニュアンスがありますが、清酒は許されない雰囲気です。


これは例えると・・・


45歳の男が昼食時にワインを飲む
→生活に余裕がある仕事の出来る男のたしなみ
→羨望度100%


45歳の男が昼食時にビールを飲む
→生活に張りを感じながら仕事に一息する男のリフレッシュ
→羨望度50%


45歳の男が昼食時に日本酒を飲む
→生活に疲れ、仕事もさっぱりな男の現実逃避
→憐憫度100%


こんな感じなのでしょうか?


なるほど、肝心の清酒コンセプト開発が難しいわけですな(半笑半苦)

10月09日

■エネルギー・コントロールという世界観 【その2】
さて、こうやって考えたものの・・・


石油文明を否定するのは立派だが、その相方、消費文化まで巻き込むということは語るに落ちていると言えます。なぜなら、マーケティングはその消費社会爛熟の果実だからです。マーケティング・コンサルタントが消費を揶揄するとは笑止であり、天唾でしょう。


だからこそ、こう考えてみようと・・・


現在のマーケティングはその文明の転換とともに終焉することでしょう。しかし、これは否定ではないのです.。食物連鎖が石油に置き換われないように、資本・労働の関係も石油によって消え去った訳でもないように、マーケティングも存在し続けるだろうと。


但し、食物連鎖も栄養→嗜好→健康へ、資本・労働関係も搾取→交渉→協同へ、過去のものとは大きく変質してます。この変換が次のステップも繰り返されるとするなら、マーケティングは今を包含しながらも未来では全く新しいものになっているのではないでしょうか。


ですから、マーケティングを思想として追求することは、来る文明に貢献できるエッセンスをその中から見出すことになる、と信じています。その時には、今日のマーケティングとは随分と姿かたちが異なっていながらも、決してDNAの基本構成に違いはないことを予想します。


で、行き着く先ですが・・・


『マーケティングの成功には3つの領域が必要です。それは「経験」と「論理」と「直感」です。


ヤスハラ・マーケティング・オフィスは個人の「直感」と組織の「経験」をマーケティングの「論理」で融合させることを目指しています。』


果たして、これは基本構成要素足りえるかどうか、試しています。

10月07日

ビジョンを語るとき、それがどういったキャンバスに描かれているのかという世界観が不可欠です。


■エネルギー・コントロールという世界観


文明は事物に託され、文化は人に託される。
そして、今は、石油文明である。


人は生命体である以上、エネルギーが必要です。
そして、それは4種類のルートからしか入ってきません。


1:異種生命エネルギー=食物連鎖など
2:同種生命エネルギー=労働力搾取から奴隷まで
3:ストック型非生命エネルギー=石油、地熱
4:フロー型非生命エネルギー=太陽光


現在、エネルギー・コントロールが可能なものは
1、2、3です。
石油が大量に消費できる世界になり、(2)奴隷を解放したのは、人間の倫理観ではなく、大量の石油・石炭エネルギーに他なりません。同様に、労働力搾取の比率を減らし、共産主義を衰退させたのも石油です。また、60億人を越える世界人口の食物連鎖(1)も石油に代表されるエネルギーが支えています


石油などの鉱物エネルギーはストックである以上、有限です。正確には残存量、使用可能量が特定できませんが、あと15年とも言われてます。当然、文明を発展させようとすれば、大量の石油が必要です。しかし、需要供給が乱れれば価格が上がることになります。


また、石油文明は二つのことを引き起こします。
今のようにエネルギーが経済活動に転換し、生産性向上に貢献すれ利益となって溜まり、行き場を失えばバブルを招きます。同時に、そこで使い終わった二酸化炭素は自然環境に還元され、地球温暖化を通じて強力な環境変化に繋がるわけです。


文明と文化がハードとソフトの関係であれば、石油文明と対になっているのは消費文化と言えます。


(4)「フロー型非生命エネルギー=太陽光」のようなものにシフトすることは新たな文明を起こすことです。必然、そのためには新しい文化が必要です。石油が少なくなり(2)「同種生命エネルギー=労働力搾取から奴隷まで」に戻るなら、既にそれなりの文化を体験してますから準備は不要かもしれません。しかし、誰もが選びたくない道です。


そういった世界観をキャンバスにしたとき、どのような文化が描かれるべきなのか、自分にとってはとても重要なテーマです。

10月03日

◆本日月曜日、原稿の加筆・修正をしてます。
大変です。第一章と最終章で書き手の人格が入れ替わってます(笑)。本人としては笑いの後に、ため息が・・・・


◆先週末、クリエイターへのデプス・インタビュー第一回終了しました。今回は初の試みとして、クライアント参加となりました。
ひとつ間違えると予定調和を意識し、つまらない結果になりかねません、そういう一抹の危惧はありましたが、意外や、良好な内容が導き出せました。このあたりはコツとして溜めておこうと思います。


◆土曜日は出版社にて新しい書籍の企画会議でした。
あまりにも最先端のジャンルなので、それぞれ分野別にプロを集めてアイデアを出し合いました。こちらは著者としてではなく、企画推進事務局としての役割になります。勉強になるので、ヤスハラ・マーケティング・オフィスとして投資を決定しました。まあ、知れてますけど。


◆同日土曜日夜は平素、お付き合いの深いEコマース社長とデザイン会社社長をディープ新橋にてお引き合わせ。
具体的なビジネスへ一歩踏み出しそうです。弊社もコンサルタントとして参画になるかもしれません。こちらは時代の先頭というより、世界的な広がりを目指すプロジェクトです。
スケールが大きいのですが、ご両名とも地に足の着いた方々なので、お互いの理念を確認しながら進める話の中に「金のカの字」も出てきません。さすが成功者は違います。そういう場に身をおけるのは光栄ですね。

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