ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

07月29日

土曜日でしたが、ほぼ終日外勤でした。


今週は「2006年夏の仕事祭り」後半戦の大山でした。おまけに決算月明けで、事務的な作業もあり、なかなか近況報告を書き込めていません。


スケジュールで目立つのは、ここんところの8週間(今までの6週間とこれからの2週間)で仕事がらみの宿泊が週に1日ー2日あることです。合宿や前泊など、東京周辺から地方までいろいろです。泊まり仕事は休んだ感じがしないので、道理でキツイわけです。


などと先般、ある工場系のコンサルタントの方と話していたら、マーケティング・コンサルだからそのぐらいで済んでいるんですよ、と教えてくれました。工場に関する業務は、当然、工場に行きます。工場がある場所は通常、街を遠く離れたところにあります。また、物流が重要なので道路優先のロケーションになっています。


人が公共の交通手段を使って行くにはかなり時間がかかるところばかりなので、現地に行くのに東京から一日半などというのもザラだそうです。それが複数になれば、理不尽なルートで換算するとんでもない距離を移動しなければなりません。


そうでしたか、恵まれた職種だったのですね、と思いを改めることにしました。東京以外と言っても、大都市から1時間以内がほとんどですし、泊まりといってもキチンとしたホテルに宿を取るわけですからね。


でも、そのコンサルの方はいつもコンパクトに荷物をまとめ、小さめのキャスターつきバックで身軽に飛び回る旅上手の風情があり、きっと、どんな旅先でも休養できる術を心得ていると思われます。


何事も経験で環境に適応していくというのが人間の特性なのでしょうか。確かに、前年同月の同様な忙しさには少々バテ気味だったのが、今年は充分に対応できています。
ではいっそ、来年はもっと祭りを盛り上げて・・・No Thank You(笑)。

07月24日

近況報告で「多忙」といったたぐいの文脈が多いせいか、会う人との会話が「お忙しそうで・・・」という接頭句で始まることが増えているような気がします。


仕事柄、会社員の方々の「多忙」とはかなり質感が異なります。正確には、「多忙へ取り組む顔」が違うということなのですが、少々、解釈を加えてみようと思います。


■個人事務所の三つの顔
ヤスハラ・マーケティング・オフィスは個人事務所なので、クライアントのリクエストにどこまで応えられるかに腐心します。研修メニューも標準形はレベル別に揃っていますが、実施に際しては、必ずオリジナルなものに調整してから提供します。眼鏡や靴もちょっとした手作業でフィット感が随分違いますから、二日間セミナーで初日のうちに受講者スキルを診て、二日目メニューを一部差し替えるなどもします。


まあ、模型の世界で言えばパテのようなものでしょうか。そうでなければ個人オフィスの存在意義は半減するのではないかと妄信しています。


ここが職工の顔です。


ところが、こういったリクエストそのものが今まで見たことのないもの、といったケースも在ります。社内でも混迷し、迷走し、ついに、迷い疲れてシェルパを雇うことを決めたような依頼です。話に一時は驚くものの、「さて、どっから手をつけたものか」というガイドブックのない仕事ほど燃えます。


いくら時間がかかるのか、手間の係り具合に身動きとれなくなるかも知れないなど、明らかにリスクが高い案件ほど、その霞がかった後ろ姿に「来た、来た」と萌えるのです。
小学生が野山で洞窟を発見したとき、十中八九、大騒ぎしながらも恐る恐る入って行くのが本能なら、それと同等としか言い様がありません。されど、謎の多い仕事を愛し、追いかけることが出来るのは個人事務所の醍醐味ではないかとも思っています。


そして、こちらが冒険者の顔なのです。


さて、このように仕事三昧に埋没するとある日、それも突然に、「やめた」と叫ぶ自分に出くわします。もう発作に違いありません。でも、見慣れた自分なので準備よろしく、カレンダー上には長期休暇が計画済みですから、クライアントの皆様、ご安心下さい。


風が強いとか雨がきつい日には、宙舞う木の葉や地に浸み込む雫に己を映し、成すがままのたたずまいに憬れたりするので、少しづつ何かが溜まっては、鹿おどし(ししおどし)のごとく吐き出す、そんな律動が心根にあります。


きっと、これは世捨て人の顔でしょう。


弊社の夏休みは8月後半からですが、三週間ほどあります。都会の世捨て人には程よい長さでしょうか。そのため、それまでは寸暇を惜しんで職工、時々、冒険者の日々となります。

07月21日

仕事に追われてると、加熱した自分を自身に引き戻せるのは、床に就き、寝入る前の十五分にかかってきます。


日々に語りの一つもとは思っていますが、ここ数日は難しいようなので、枕元にある本から好きな一説を引用します。


「一禅者の思索」鈴木大拙 講談社 より抜粋


小さくても芥子粒は辛いと聞くが、自分から出たものは、小さくても力がある。生命がある。本当の意義で活き活きしておる、他人の真似のできぬところがある。その真似のできぬところが自分である。誰でも彼でも皆この真似のできぬところがあって欲しい。本当の自分になろうと思わねばならぬ。多くの人は皆他人になろうともがいておる。誰かの着物を真似し、ヒゲを真似し、歩み方を真似し、表情を真似し、主張を真似し、感情を真似し、真似し尽くして、ここに一個の人形ができてくる。糸の操りよう次第で左右前後に跳ねり狂う。見物は喝采して真に迫るという。人形も大いに得意である。叩頭あまたたびして舞台をさがる。さがり終わりてその着物を取り去れば、元来これ一個の泥人。諸君はこの泥人にならんとて一生を棒に振るほど無鉄砲ではあるまいと思う。


個性を重んぜよということもあるが、わしの意見はそうではない。個性の存在の理由に徹せよというのである。また個性なるものが現れ出でぬ以前、或いは個性なるものが存在する所以の理由如何を見よというのである。或いは自分とは何であるかと、究め去り、究め来たりて見よというのである。本当の信仰はこれから確立してくる。何もこれが哲学者の仕事と限らぬ。人間は皆こんな自覚があって欲しいのである。


07月16日

白馬より帰京しました。


涼しいというより肌寒い高原でしたが、緑に囲まれる良さを思い出させてもらいました。ここ数年は海彦としてスキューバダイビング目当ての旅行を組むので、当然のことながら山彦としての動きが忘れ去られていたようです。やはり、旅といえどもバランスが大切なのでしょうか。


マーケティング・プロフェッショナル・コースが今年も始まります。
今年は新たに、「ビジョン構築のルール」「インナーマーケティング」「個人的なキャリアアップ相談」の3項目を加える予定です。過去に履修した方々が管理職になっていく状況から、マーケティングの概念操作だけでなく、マーケティングを基点とした組織巻き込みと、個人の成長という広がりをもたせようと試みるつもりです。
ご参加の方々、期待していてください。


◆ある大手流通チェーンの商品企画部向け研修が佳境を迎えています。昨年に基本編を受講した方々への応用編を実施しました。今回は「ラダリングによるブランド構築」を道具として提供させてもらい、実際に自社の商品を当てはめる作業を行いました。まだまだギャップが散見されますが、習得が早い人(良くも悪くもスーパー・ソルジャー中心の会社なため)も多いので、現場に適用されるのもそう遠くないと見ています。
まずは、自ら使ってみてください。


◆ある製菓会社の長期研修がスタートしました。研修というフォーマットですが、毎回のテーマが現場での行き詰まりや矛盾点をどう解決するか、といった話になるので(前述:シチュエーション・ラーニング)、研修&コンサルティングと捉えています。


「何か発売しなければいけない」→「手早く作れそうな商品企画に走る」→「既存品のバリエーション品を出す」→「それほど売れない」→「売上、利益計画が狂う」→「何か発売しなければいけない」という、マーケティング負のスパイラルが顕在しています。よって、このあたりを逆転させるための仕組みまで皆さんと構築・共有・実施したいと考えています。
積極的なご参加をよろしくお願いします。


07月11日

今週は東京・銀座が二日、東京・成城学園が二日、長野・白馬が二日という文字だけ見るとマダムも羨む優雅な日程です。でも、娯楽ではなく仕事ですから、ほぼ終日、会議室の中となっています。地名に価値はあまりないのです。


よく見れば内勤日どころか土曜日もカウントされてるではないですか。ということで、7月の個人事業主はひたすら働きます。


■人生のかさぶた


会社員時代は満員電車で通勤することは苦ではなかった気がします。もうこれ以上は乗れまいという状態でも、体をねじるように押し込む技を持っていました。昔の話です。


コンサルタントになってから、たまに朝9時にクライアント先を訪問しなければならないこともあります。昔取った杵柄と言いたいところですが、ラッシュアワーの人混みに怖気づく自分がいます。恐怖心で、満員の電車には乗れない体になってしまったようです。よって、一時間前とかにズレ勤(はたして市民権を得た言葉なのだろうか?)して、出先周辺のカフェで眠気とともに仕事に励みます。


では、この満員状態に対する怯えは何かというと、他者が気になってしょうがないという状態で、それが強制的に連続することにビビッているのです。他人の体とせめぎあう皮膚が、「自分はあなたにとってどうなっていますか」と至る所で叫んでいるような感覚だったりします。


不可思議なのは、以前はなぜ平気だったのかということです。環境への適応というやつなのでしょうけど、己の皮膚が全身かさぶたになって、過剰な刺激を遮断してくれたに違いありません。


さて、ここで考え込むのは、我が身の感覚を絶縁させている心のかさぶたは果たしてこれだけなのだろうか、ということです。生きるのに手馴れた大人は気持ちの肌が硬化してるが故に、日々に順応できているだけのかもしれません。実のところ、たまたま一箇所のかさぶたが剥がれ落ちたに過ぎない可能性もあります。


8月の個人事業主の夏休みテーマにしたいと思っております。

07月08日

七夕に一日遅れての近況報告です。
ヤスハラ・マーケティング・オフィス創業5年目になります。個人としては、ほぼ6年半にもなります。
ここまで何とかやってこられたのも、ひとえに皆々様のお陰です。深く感謝しております。


■独立という飛び込み板
ふと、こうやって独立して今も過ごせていることに不思議さを感じます。
もっとエライ目に会うと覚悟していただけに、周囲の人々に助けられてきた多くの事実を数え上げながらも、それを超える流れもあるのではないかと思えてきます。
ここまで来れた流れを書き連ねてみると・・・


・社会的な流れ:終身雇用の崩壊によって、世間からの独立した人へのポジティブな態度&受け入れマインドが生まれた。


・経済的な流れ:コンサルタントへの抵抗感が低下し、(実は、ISO導入がこういった習慣を多くの企業に植え付けたと思います)外部コンサル・アレルギーのようなものが一気になくなった。


・技術的な流れ:IT普及は情報量の価値を減らし、一方で、そういった情報の加工・分析・判断のための思考の価値が高まり、人数で手分けする量的な仕事から、深さを追求する個人の仕事が尊ばれるようになった。


なかなか理路整然としていますが、すべては後追いでの説明です。
独立当初に読めていた話ではありません。


また、いくら理性的に考え、完璧に準備をしていても、最後の最後は「えいや!」という意志の力で飛び込まなければ流れに身をゆだねることもありません。


コンサルタントという職業柄、精緻な理論武装をしていそうですが、こと己の身の振り方になれば直観を頼りに生きているのです。


07月03日

東急目黒線の西小山駅が7月から地下化され、ちょっとお洒落な駅になりました。そして遂に、急行電車が運行される予定です。でも、ここは停まらない駅なので、ちょっと迷惑です。


本当は、急行電車を走らせるほどの区間なのか怪しい路線なのですが、きっと私鉄の見栄ですね。まあ、急行―各駅ぐらいならいいですが、先日乗った小田急線などは、特急やら快速急行やら準急やら快速準急やら素人にはわけが分かりません。
「速いのか遅いのか、はっきりしろ!」、そんな理不尽な怒りで案内板を睨みつけてしまいました。


大企業にお邪魔したとき、部長代理と副部長と専任部長との名刺交換に、誰が一番偉いか迷う思いと同等です。
ちなみに、過去最もすごい肩書きは「社長代理心得」というもので、新入社員の人でした。


快速特急仕様各駅停車のような感じかな。


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