ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

06月28日

「マーケティングの基本」(日本実業出版)が増刷になりました。
御礼申し上げます!有難いです。



発行した2009年から3年ですね。その間に10刷となり、2万5千部を超えるまでになりました。出版社のご担当からは「定番化しました」と評してもらっています。マーケティング関連の仕事をして3年ぐらいたった人向けに、「そろそろ一度頭を整理したいなあ」という思いに応えるべき設計した本です。


では、実際にはどのような方々に購入してもらっているかといいますと、企業向け研修のテキストとして使っていただいているのが大きいようです。経営コンサルタントやマーケティング・コンサルタントなど同業者の方々がマーケティング研修を実施する際に使ってもらっている話をよく聞くんですね。


そうであれば、ちょこちょことまとめ買いが入ることになりますし、決してベストセラーとは言えないですけど、ロングセラーにしてもらっている理由でしょう。プロに評価されていることこそ、素直に自信になります! これまた御礼申し上げます。

06月20日


最近、クライアント先でお手伝いしていた新商品が市場に出ました。食品Aとしておきますね。今回は、Aのパッケージデザインを外部の企業、それもデザイン会社ではなく、大手の化粧品会社のデザイン部門に委託しました。


もちろん、最終商品のデザインのユニークさは満足度が高いものでしたが、その過程で見た多数のプロト案にも唸りました。オリエンでのリクエストが多かったにも関わらず、「その手があったか」の連発だったなのです。まだまだ新しい表現の余地は広大なんだなあと再認識しました。眼福に感謝!


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別のクライアントで行なっている新商品開発プロジェクトがあり、ここでは商品のネーミング開発の場面に差し掛かってます。こちらは飲料Bとしましょう。Bは非常にニッチな従来あった商品から脱却し、新たな受容創造を目指しています。それをシンボリックに表現するネーミングが必要となります。


とはいえ、消費者とのコミュニケーションをネーミングに集約することは難度の高い仕事ですから、ネーミングのプロのコピーライターさんを指名してお願いしたのでした。そして、この一次案で、これまた「そういうアプローチもあるのか」と唸らされた次第です。再び御礼!


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才能あるクリエイターってビジネスでの矛盾や難題を飛び越えるような人だと思っています。ですから、どんな制約条件も「ふーん、そうなの」程度のリアクションで飄々と仕事を進めてくれます。ここがアーティストとの違いですね。


全て自由になったところで開花させるアーティストの才能も美しいものですが、課題を一緒に解決する仕事とはご縁はなさそうです。


06月12日

近況報告も10日ぶりです。先週は書類作成仕事が多くあって大変でした。


といっても、ヤスハラ・マーケティング・オフィスは枚数で勝負してないので、気の利いたプランニングを俯瞰できる一枚のチャート、全体を圧縮したコンパクトなマーケティング・ストーリーにすることで価値を提供しています。いや、提供できているかどうかはクライアント判断なので、価値提供を目指していますと言うべきでしょうね。


例えば、売れてる小説のあらすじを描く仕事があったとします。10万字が400字になるとして、それはそれで技ですが、残念ながら価値としては高く評価されないかもしれません。


でも、売れてる小説が言わんとするところを貴方の人生に置き換えるとこんなことが言えますよ、となるとどうでしょうか。俄然、その価値は高まります。その小説を読んだ人でさえ求めてくれる可能性すらあります。枚数が減る行程ではあらすじ(粗筋)ではなく、ふかすじ(深筋)という変換が行われることが重要なのです。


留意したいのは、枚数が少ない=時間がかからない、ということではないということです。むしろ、時間はかかるのです。正確に言うと、過去の人生すべてを使ってるので、メチャクチャ時間がかかっています。ほぼ25年ぐらいのマーケティング仕事のキャリアを道具として使っていく感じなのです。


そして、都度の知的濃縮業務がノウハウとなって結晶化し、次の仕事で使うであろう道具箱にしまわれていくことになるわけですから、大変ありがたいお仕事なのです。



ご近所のお寺の境内にて遠い空を望む、の図


06月02日

6月になりました。2012年上期最終月ですね、って大げさに書いてみると光陰の矢も鋭角に刺さってきますね。


■封緘に吾唯足知・・・漢字ばっかりの話


いつも月末は請求書を作成します。5月末もしました。そして、請求書を封緘(ふうかん)する時、封印を押します。といっても、手紙を閉めた印としての封印というより、むしろ、ご請求への念じ言葉としての判子(はんこ)なのです。



「吾唯足知」(われただたるをしる)って書いてあります。龍安寺(りょうあんじ)の蹲踞(つくばい)に刻まれている有名なフレーズですのでご存じの方も多いいかと思います。このスタンプ、たぶん10年以上使っているのではないでしょうか。


そもそも、個人事業主が請求書を出す時の気持って複雑です。もちろんお金をいただけることへの素直な感謝はあるのですが、今月は先月より多い少ないとか、もっと多くなったらいいなとか、下衆(げす)っぽい感覚も同様に漂(ただよ)ってきます。


だんだん長く仕事を続けることができるようになると、この素直VS下衆がですね、下衆有利に傾き出すわけです。つまり、今月のご請求分は既得権の気分になり、もっともっとの欲深さが高まるんですな。


どんな仕事もどんなお金も一期一会からの恵みです。しかして、その有り難さを再認するための小道具として「吾唯足知」印を使っております。ぎゅっと押すとき、素直さが下衆を霧消(むしょう)させて、どこからともなく御礼の念が滲(にじ)み出てくるのです。

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