ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

08月28日

中目黒から尾山台へ引っ越してからほぼ2ヶ月たちました。ここは東横線・自由が丘と田園都市線・二子玉川の間にある静かな住宅地です。低層住宅エリアなので陽当り、風通し共に良好となっており、快適です。緑が多いのにも癒されますが、その分、蚊も多いようで、ここはご愛嬌というところかも知れません。


さて、大きな繁華街を有する自由が丘と二子玉川に挟まれたところには九品仏・尾山台・等々力・上野毛という4つの駅があります。この沿線を足して二で割って「二子ヶ丘(フタゴガオカ)ゾーン」と呼んでみましょうか(笑)。


二子ヶ丘ゾーンは駅の間隔が短いので、ホームからお互いの駅舎が見えるくらいです。ちょっとローカルな趣がゆるくっていい感じです。折を見て周辺を探索のような散策をしております。


飲食では蕎麦屋寿司屋居酒屋洋菓子屋と評判高い店も点在していて楽しめます。中目黒ほどの集積地ではないにせよ(激戦区と比べちゃいけないかな?)、結構、普段使いできる良いお店が多くて有り難いです。


まあ、どの町にも魅力的なお店や場所がありますからね。きっと、また引っ越しても見つけるでしょう。どこも住めば都ですな。

08月21日

お盆休み中でしたが、お仕事満載ウイークでした。今年は夏休みは殆どありません。私事にて10月後半から11月後半までの一ヶ月を休業予定にしているからです。有り難いのは、こういった自己都合な日程調整をクライアントの方々が受け入れていただけることです。御礼申し上げます。


8月第3週、新しいクライアントとの仕事がスタートしました。Webのマーケティング・コンサルティング会社は初めてです。戦術部分のコンサルティングは強いが、戦略部分ではその域に無いとのことで、社長は「どうもこの人(=小生)だったら補完し合えるのではないか」と思われたそうです。まずは社内研修を含めた3日間の試験運用です。


過去、広告代理店(弊社のクライアントとして)ではその先の広告発注主に提案できるブランディング・メニュー作りなどの仕事をしたこともありますが、完全にWebに特化した会社は初見参です。


クライアントが持つクライアント(B2B2Bですかね?)で、小さいけどユニークな企業が次のステップで成長する方針策定をマーケティング戦略視点からサポートするというのが狙いです。


弊社は普段は小さい会社へのコンサルティングは多くありません。一般的に小さい会社は社長そのものが戦略であり、外部コンサルへのリクエストは戦術(プロモーション、販売管理など)が主だからです。新鮮ですね。


■差別化と差積化(させき・か)


小さい会社でマーケティングを考える時、「売れる」ことより「売れ続ける」ことを念頭に入れます。上手くいったら必ず誰かが真似してくるので、最終的には消耗戦になって、小さな会社の資源では不利この上ない状況になる恐れがあるからです。


差別化はスタート時の競合比較での優位点ですが、これだけでは危険ということです。働けば働くほど差別化度合いが薄まっていく傾向を避けるために、働けば働くほど他者が真似しにくくなる仕組みが必要なのです。


この累積的に競合との差異が高まることが差積化(させきか)です。造語として使っています。毎日の顧客から学んだちょっとしたことが累積され、後から積分してみると立派な競争優位なものだった、という構造です。


そのためには不断の努力が必要です。残念なことに、この努力を苦役と感じてしまえば何事も継続できないのが人の性です。よって、その習慣そのものに経営者自身、組織全体が価値を感じる工夫が必須となります。今日のささいな学びこそが楽しいね、といった共通の視点ですね。


ヤスハラ・マーケティング・オフィスは仕事で使うチャート(ppt)のストックは500枚以上あります。500枚ぐらい図表があると、どんな質問が出ても瞬時に応答できるものが最低でも1,2枚はあります。


視覚的に補足してくれるので、相手の理解を促し、その結果、コンサルティング品質をあげることができます。500枚を描くのは大変のようですが、創業から12年で溜めた数字ですから、日割りすれば1週間に1枚程度の努力の跡に過ぎません。


もし感心してもらえるなら、それは枚数ではなく、あんなのこんなのと図表を飽きずに作る生活そのものと思っております。身を律したらもっと描けただろうという話もあるけど(苦笑)


差積化するときに大切なことがもう一つあるのですが、これはまた機会があったら記載しましょう。

08月13日

暑さ厳しい折り、いかがお過ごしでしょうか。


金曜日は現在のメインクライアントの一つ、M社でコンサルティングしている3案件が期せずして重なる一日でした。10:00-17:00を同じビルで過ごさせて頂きました。なんか、社員みたい。手分けする作業も結構な量なので、お互い頑張りましょうね。


■■冷笑なしに学べない訓話■■
「ペーパードライバーが免許失効になるとどうなるのか?」


・・・しつこく、つづけるっす。


ペーパードライバーである自分は全く運転経験がないかと言うと、さにあらず。20代の頃には営業車で遠隔地を駆け回り、10万キロ近く走りこんでいるのだ。そして、初めて買った車は今は無きホンダ・インテグラで、当時は「走る棺桶」とも呼ばれていた。エンジン・パワーの割にボディがヤワイので、速いけど、ぶつかったら目も当てられないという若き青さを象徴するようなやつなのよ。誰もが通る道ですね。


それも20年ほど前の話でござんして、今や、自覚年齢の割にボディがヤワイので、遅いけど、ころんだら目も当てられないという真の歳を象徴する体そのものなのよ。これも誰もが通る道ですね。クラッチってどのへんにあったかも思い出せないくらいの愚鈍ぶりだが、「歩く棺桶」と呼ばれてないだけましとすべきか。


さて、師匠からのレッスンで即受かると思ったら大間違いで、3回目はバスに近づき過ぎで試験中止、4回目はトラックの進行を妨げそうになりこれまた試験中止となるのであった。凹むなー。


長い人生であれば試験に落ちることぐらい珍しいことではないし、それを憂いて肩を落とすほどの齢でもない。しかし、同じ試験に臨み、同じ試験問題に向きあう状況で4回不合格というのは初体験なのだ。


かなり心が萎えている場面だったが、師匠からは「大丈夫だからもう一回受けなさい」という御託宣をいただく。最後の一回はお世話になった方々にお返しする意味を込めての記念受験としようと気を取り直し、鮫洲に向かうことにした。


捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、それとも、後は野となれ山となれ精神が功を奏したのか、何と奇跡的に合格してしまうのである。つーても、試験管曰く「ギリギリだよ(つまり70点)」なので、紙一重ではあるが、遂に洞窟の先に陽の光を見たのである。わーい。


【おしまい。】


多くの人々が震災復興やら原発問題やらに関心を向けていた中、己の欠漏を補うのに躍起になっていたとは情け無い限りではありますが、それもまた深い意味があっての禍事なのだろうと解釈しております。


この3ヶ月に及ぶ珍事にも多くの人達と接点を持つ機会があり、まずは普通の生活では出会うことのない方々ばかりであれば、これはこれで有り難く感謝しております。


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※御礼
拙著「マーケティングの基本」が重版になりました。ゆっくりにして、長くではありますが二万部越えです。御礼申し上げます。


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08月07日

さて、8月です。新規のコンサルティング案件が本格稼働するために忙しくなります。夏バテせぬよう休養と運動をまぶせながら過ごしましょう。


今週の有り難い話は、4年前のクライアントと3年前のクライアントからそれぞれ社内研修のご依頼を頂いたことです。心の中がちょっと熱くなります。間欠泉のようなリピートには、相手の記憶に自分の仕事ぶりがうっすらと、でも確実に刻まれていたことが忖度され、素直に嬉しいですね。ご期待に添えるよう精励恪勤に努めます。


■■苦笑なしに語れない哀話■■
「ペーパードライバーが免許失効になるとどうなるのか?」


・・・つづきだよ


東京に詳しくない方のために鮫洲試験場を説明しよう。東京都には鮫洲と府中という二箇所の免許取得の試験場がある。鮫洲は東京湾に近い臨海地区で、普段から交通量が多い。湾岸を抜けていくトラックなどは運転も荒いときている。


それで府中のほうが鮫洲より受かりやすいとまことしやかに囁かれており、結構、鮫洲を途中で見限って府中に会場を変更する人も多いらしい。ってことは事実上、日本で一番ヤバイ試験場じゃないッスか-! と後で気づくのだった。マジに地獄やないの。


路上実技試験第一回目。極度の緊張にビビりまくる。パトカーチックなカラーリングの車に乗り、隣には警察の制服姿の試験官が無表情に座っているのだ。そして、後ろには他の受験者が青い顔で佇む。罪を犯してない善良な市民でさえこの緊迫感に耐え切れず「私がヤリました」と言ってしまいそうなプレッシャーなのだ。


第一回目、あっさり試験官のハンドル補助でアウト。二回目はブレーキ補助でこれまた失格。運転もイッパイイッパイなのに細かい技能ポイントまで遵守できるはずも無いのであった。そうそう無理ッスよ。


実技試験は規定走行―自由走行―域内バック運転の3段階を減点形式で100点中70点以上になっていなければいけない。それなのに一回目は規定走行で終了、二回目は自由走行で終了という最後までやらせてもらえないレベルであり、合格からは程遠い有様なのだ。


しかし、一念岩をも通すと言うか、蛇の道は蛇と唸るべきか、たまたま知人から路上技能試験を実地でレクチャーしてくれる師匠を薄謝にて紹介してもらうことになった。


何と師匠は元試験官なのだ。現役東大生に東大受験を指南してもらうのもいいが、東大で受験問題を作っていた元教授にレクチャーしてもらう方が良さそうな気がする、って思いません?まあ、東大合格を切望してるという前提の話でしかないけどね。


師匠はとあるペーパードライバー専門の自動車教習学校の役員の方で、好意(または憐憫)での非公式な派遣なのである。深く御礼(または感涙)。人の情が身に染みますなあ。それにしてもペーパードライバー向けの講習ビジネスがあるとは知らなかった。都心ではなかなか良いビジネスなのだそうだ。


高齢者でそろそろ郊外や田舎に住もうとする人が主な顧客らしい。自動車はガス・水道と同等の生活必需品であればニーズも強かろう。ペーパードライバーの民力が大きいということはそれだけ国内の自動車需要が低いことの間接的な証明でもあるけどね。


さて、師匠に同乗してもらってのレッスンで最初に喝破されたのは運転姿勢の悪さだった。その指摘の先は自信がなさそうな構えであり、その指摘の心は弱気な様相を一瞥した試験官は落とすことになりそうな結末を想起してしまうということなのだ。


膝ぽん、確かにその通りだ!コンサルティング先でもその語りの立ち姿からクライアントは信憑性を嗅ぎとるのであり、話している内容は二次的ですらあるのだ。さすがやね。


果たして、師匠からの薫陶を受けし者は無事に地上へと這い上がることができるのか?


【怒涛の最終編につづく・・・ことにしたよ。夏休みだし】


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