ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

09月25日

【第51回マーケティング・ワークショップ研究会のご報告】


少し時間がたってしまいましたが、先週17日に平日セッションが実施されました。テーマは「大きなトレンドを分解するためのツール研究」です。今回は少数精鋭の5名のご参加です。ご多忙の中、有難うございます。


健康志向やエコ志向といった大きく・強い志向はちょっとした分析でも簡単に読めます。しかし、そのままではマーケティング的には何の役にも立ちません。みんなバレバレな話だからです。ところが、こういった大きなトレンドの中は一般的には複雑怪奇であり、多くの渦が巻いているものです。今回はそれを抽出するワークをしました。


個々人の健康志向を分解し、その根拠を探っていくという手順です。結論から言うと、面白すぎます。まずは、健康全体を親とすると、大きく4つの子トレンドとその下に3-4の孫トレンドに区分けできました。


何といっても、その途中経過に紹介される各人の健康法(説明してもらわないと分からないのばかりです・・・笑)には唸らせられます。そんな延長で土曜日セッションに臨みましょうかね。エコ志向もお題として実施してみます。


終了後は3カ月に一度の懇親会でした。ブランド・マネージャーをしているMさんが歌手だったという略歴にビックリです! それにも増して、そこにマーケティングを足す必要があるというキャリア構築論にも唸りました。恐れ入ります!


なんか、唸ってばっかりの一日でしたね。


→お知らせ:「改訂版 図解でよく分かるマーケティング実務入門セミナー」
10月14日(水)~10月15日(木)10:00~17:00で開催されます。

ご興味のある方は、ご検討ください。

09月22日

【夏休みのお話・その3】
ウィーン夏休み話の最後です。


◆居酒屋
ウィーンでの飲食では、歴史っぽさがありながら地元の人も使う人気店を教えてもらいました。味も良く、雰囲気も楽しいです。代表的なのはこんな感じのワインケラー、つまりワイン中心の居酒屋ですな。


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こういったところの料理はキッチンへ出向いて頼むシステムです。ドイツ語さっぱり分からんですが、まあ、そこは万国共通の指差し眼差しで勝負していきます(笑)。あとは度胸の前後をグリュス・ゴット(こんにちは)とダンケ・シェン(ありがとう)で固めるだけです!


◆様式美
今回の旅の教養編として実りが大きかったのは、建築の様式美について現物で理解できた点です。さすがに、この辺りは現地の日本語ガイドによるツアーに参加しないと無理ですが、ロマネスク様式ーゴシック様式ールネサンス様式ーバロック様式ーロココ様式といった時代変遷のポイントを体験できました。


建築様式は芸術の側面を強く持ちます。しかし、様式と様式の間には宗教・科学・経済・政治が絡んだエポックメイキングな出来事が存在し、その結果が次のパターンを推進する役割を持ちます。


例えば、ロマネスク様式からゴシック様式では基本的に窓を大きくできる建築技術の成立によって起きます。これによっって教会内が明るくなり、人々が大いに惹かれるわけです。


でも、高度な技能知識が要求されますから、誰もがすぐには作れません。そこを一部の宗派が布教拡大を意図して、各地に技師とともに教会を建てていくのです。


その一方で、屋内の明るさは宗教の神秘性を弱めることにもなるため、今度は敢えて薄暗くするためのステンドグラスが奨励されて流行っていくことになる、などです。


様式の変容は前のものへのカウンターカルチャーなところを持ちます。華美ーシンプル、権威ーカジュアルのような振り子が動きながらも、螺旋階段を上って行くような感じです。今の世界も同様ですね。


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09月18日

旅の疲れも取れてくる中、徐々に業務が立ち上がって来ています。その反動が来ることは分かっていたくせに・・・(苦笑)。でも、有難いことにリフレッシュ効果は抜群のようです。仕事さえ新鮮かな?!


夏休みのお話・その2】
ウィーンでの夏休みの続き、建物編です。


さて、ウィーンにある建築物と言えば、宮廷やら教会やら歴史感たっぷりのものが有名ですし、誰もがまずはシェーンブルン宮殿やらベルヴェデーレ宮殿へ、というのは定跡でしょう。一方で、この歴史的な遺産への反発なのか、ユニークな建築、否、「人が住めるオブジェ」が散在しているのもこの都市の特徴なのです。


その最たるものがフンデルトヴァッサー設計の住宅です。


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ウィーンのガウディだそうですが、2000年まで生きていた最近の人です。同氏の美術品を集めた同氏デザインの美術館もあり、床もグネグネしていてアトラクションのような内装が楽しいのです。


他にも、ちょっと郊外へ出ると「!?!」といった感じの建造物が次々と出てきます。中心部は美観地区となっており、観光資産保護もあってトリッキーな作りものは厳しく制限されているそうです。それで、自由な場所では「ウリャー、これでもか!」といった爆発が起きるのかも知れません。


例えば、こんな住宅があったりして・・・
どうも南向きから北向きに反らしているようですね。


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かと思うと、こんなレンガ作りのショッピングセンターが林立してたりもします。


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これは元々ガスタンクをレンガで囲ったものを、一大プロジェクトで商業施設に変えてしまうという離れ業なやつです。さすが観光都市、飽きさせませんね。


しかし、ソフト面は別のようです。ここにも不況の影が射すのか、空いたテナントも多くありました。ちょっと生活に入れば、どこも厳しい世界なのでしょうね。美しい街への羨望もちょっとだけ癒えたりして(笑)。


などなど旅の話・その2でした。


09月14日

【夏休みのお話・その1】


夏期休暇を取って、ウィーンで10日間ほど過ごしてまいりました。必然ながら、近況報告滞っており、久々です。一部の方々には業務での滞留をお許しいただき、感謝しております。


旅は大きく3つの目的で分類されるそうです。休養の旅、教養の旅、救済の旅です。避暑地やらで何もせずに過ごすのが休養、文化的なものに触れて刺激を堪能するのが教養、自分の内面を見つめ直すための巡礼や放浪が救済、といった分類となります。


今回の目的は明らかに教養と区分けできそうです。まあ、それでも休養やら救済やらも自ずと入ってくるようですけどね。さて、ウィーンで教養となれば、まずは音楽でしょうか。恥ずかしながら、初オペラがウィーン国立オペラ座となりました。知人に良席を取ってもらっての観劇です。Oさん、有難うございました!


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実は、初ミュージカルもロンドンのウエストエンドなので、単なる教養ミーハーであることは間違いありません(笑)。おまけに、初スキューバダイビングもケアンズのグレートバリアリーフだったりするので休養ミーハーでもあるのです(汗)。


そもそも今回のオーストリア、ウィーンという選択は世紀末美術の聖地の巡礼を意識しています。芸術系に関しては、どちらかと言うとアート志向なので、クリムト、エゴン・シーレの故郷に一度は行きたいと思っていたことからでした。事実、クリムトの「ベートーベン・フリーズ」(=分離派館の中にある壁画)やミュージアム・クォーターのシーレの充実した作品群はなかなかの迫力があります。


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そして、ウィーンは建築に関しても歴史と現代の混在を持つ街です。ここでも多くのユニークさを体感することになるのですが、これはまた次回。
ということで、夏休みのご報告その1でした。

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