ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月30日

ご挨拶


本年も多くの方々に助けていただきながら、充実した一年を送る事ができました。深く感謝いたします。


オフィスになってからは三年半ですが、コンサルタントとして独立を宣言してからは丸5年になります。一日の濃さがまったく違う業種ですので、一年も会社員時代の三年分ぐらいの変化と挑戦と気づきがあります。そう考えると、質的には15年分ですから、ちょうど会社員キャリアを中身換算した年数を超え、抜き去ったと言えるかもしれません。


2005年はコンサルタント・キャリアが人生キャリアを引っ張ることになる初年度と思っています。自分ならではのコンサルティングを極め始める一歩となるはずです。


スペースと変革

新しいものに挑戦しようとする場面で、かなり重要な環境条件があります。それはスペースです。


球技ではスペースをどう使うかがポイントです。サッカーではFWが空いたスペースに飛び出す。野球なら野手のいないところに打つ。テニスならライン深くに打ち返す。


スペースをうまく使うということは、そこに持ち時間が発生していることにもなります。相手が来るまでに時間があるということはそれだけ高いパフォーマンスを用意できます。シュートを蹴れる時間、塁を走り抜ける時間、相手が打ち返すまでに体制を整える時間などです。


混んだ所では、スペースを見つけようもないので、かなり高度な個人技があってもポイントは獲得できないようになっています。


2005年は、新たなスペース探しがテーマになります。
きっと、多くの人たちにとってもそういう年回りになることでしょう。

12月27日

本を購入するにあたり、気にするのはジャンルが偏らないようにすることですが、仕事柄、ビジネス系は避けられないようです。でも、いくら好きとはいえ、パティシエもケーキばかり食べたいわけではありません。


さて、最近ご無沙汰しているのはどの類かというと、マンガです。


新たなる日本文化に疎遠というのも同胞としていかがなものかです。そしてまた、有効なコミュニケーション手法に素人というのもマーケティング・コンサルタントとして、やはり、どうなのかなです。で、遂に、これは通観せねばならぬのではと思い立った次第です。


こに展開の筋道は、半年前にある漫画評論家の方から、短期キャッチアップ希望者(小生のことです)のための課題図書リストをいただいていたことに始まります。とはいえ、すぐには無理です。いかんせん、ビジネス書でも不良在庫化していましたので、脳ミソのキャッシュフローを考えて控えていた訳です。


この話が先にあっての今なのですが、このリスト、推薦されている約40タイトルの中で知っている作家の本が2冊。見かけたことある題名は1冊のみ。ちょっと来ない間に、すっかり様変わりしていました。母校の小学校に立ち寄ってみたら、記憶を蘇らせるものが何もなかったような寂しさです。


リストでの一押しに関する解説は、読めば読むほど読むのが辛そうな内容(笑)でした。きっと、マンガだから許され、耐えられるストーリーこそ、一読の価値あるマンガと言えるからではないでしょうか。


まずは4タイトル、合計22冊を購入しました。
大人買いですな。


12月20日

本日が年内コンサルティング最終日です。


といいながら、たくさんの宿題残を抱え、ゆっくりと考えを深めてみます。お蔭様で、年末年始もTVに頼らず生きていけそうです。(笑)


■ブランド・チック


「ブランドを目指す」のには時間はかかりません。でも、「ブランドになる」のには年輪が必要です。「ブランドを目指す」ことを説明するのにはPCとプロジェクターで十分です。しかし、「ブランドになる」ことを体現するには汗と冷や汗なしには不可能です。


世間では、即効ブランドで明日から収益アップ、という要求も多いのが実態でしょう。自分たちを見つめ直した上でのブランド戦略などというまどろっこしい作業をすっとばし、ネーミングとデザインと広告でゴー、といった仕事も見受けられます。


これらはブランドになるために、ブランドの余韻をシュッシュッっと噴霧した商品です。当然、顧客への事前ヒアリングなんか関係なく、どこかで成功したブランドの表層をピンセットで剥がしてきて貼り付けた程度のものなので、時間がたって乾燥が始まるとパリパリっとひび割れするような出来栄えです。


こういったことをブランド・チックと呼んでいます。


ブランド・チックも大型商品になると精緻な贋作や高度なパチモノごとき見栄えなので、マスコミへの取り上げられ方も大々的だったり、まるで生まれながらブランドとして降臨しているようなものもあります。


そういったこともブランド・チックと言います。


ブランド・チックなプランは、往々にしてビジネス・チックな発想から出てきます。当然、それを司る人たちはエリート・チックな方々ではないかと類推されますが、どうなんでしょうか?

12月08日

マーケティング部門へのコンサルティングを主にしているので、必然、そういう組織を持っている規模の大きい会社とのお付き合いが増えます。よって、個人企業や起業とはそれほどご縁が無いのですが、それでもいくつか(毎年1,2件)お手伝いをしてきました。残念ながら弊社も営利団体ですので、ご紹介者がいる場合のみにしています。


・ コンサルティング費は出世払い
・ 書類等は弊社では原則作成しない
・ 時間に関しては弊社都合を優先する


こんな条件で、手弁当のノリでアドバイスをさせてもらっています。その一社、正確には個人から、昨日、正式なコンサルティング要請をいただきました。起業準備のコンサルティングをしたのが、ちょうど一年半前です。


指定場所にお邪魔すると、ビルのワンフロアに何人ものスタッフが働く、月商ウン千万円(年ではなく、月です)の会社になっていました。E-コマースという展開が早い世界とは言え、そこまでてんてんてんぜっく。


こちらのアドバイスが素晴らしかったからと断言したいところですが、常識的な範囲でブランド・マーケティング上、やるべきことを語っただけです。それよりも、指示したフォーマット(ホワイトボードに殴り書き)を丁寧に熟考しながら書き込み、それを背骨にアクションの肉付けを実践してきたという事実は並大抵の才覚ではできません。そこで勝負あったということでしょう。


あまりにも凄いので、もう少し身支度してから来ればよかったと後悔するほどです。思わず、口調も変わったりします。


社長におかれましては、新たなビジネスを奥方様に任せようとお考えのようで、小生へいかがするかとお問いになられました。いくつかマーケティングに関する拙案を具申させていただいたところ、いたくご満悦のご様子で、この案件に関しても今後、弊社がコンサルティングするようにとのご沙汰を賜りました。まったくもって光栄至極に存じます。


こんな感じですかね。(笑)

12月01日

新たなテーマでセミナーを実施する度に、切り口の異なったワークショップを編み出すことにしています。そうこうしていると、いつの間にやらセミナー用のワークショップ・メニューも充実してきました。


ところがストックとしてのアイテム数は増えても、使わなくなってくるものを出てきます。
最近、めっきり出番が減ったのは広告制作に関するワークショップです。


■広告部の消滅へ


自分のキャリアにおいて、広告、特に、TV-CFはマーケティング・スタッフとして長く関わったものですから、思い入れは強い方です。


会社が作るTV-CF全部のオリエンテーションから、製作管理、初号納品(完成品のことです)、オンエア、効果測定までを一手に担当させてもらいました。約4年間に8ブランドですから、30本(バージョン違いも換算すればその倍)以上を経験したわけです。


なかなかそういうキャリアを持てる機会は少ないはずで、おまけに、ちょっとギョーカイ的な空気も自分が偉くなった気分にさせてくれました。
(明らかに幻想です!)


しかし、TV-CFが広告の王様として天下平定していた時代も、暗雲が立ち込め、既に、その統治力は絶対のものではなくなってきました。その揺らぎは、TV-CFだけでなく、広告という大陸そのものの地殻変動を伴っているため、一国の王様の力だけでは抗いようもないものです。


従来は、マス広告には広告部(とか宣伝部)、PRは広報部、販促には営業部といった、それぞれの土地にそれぞれの城があったのですが、WEBや携帯電話などのメディアが新大陸を築くたびに、だんだんと土地自体が近づき、ついには、一つの陸続きにならんとしており、個々に城を持つことの意味が急速に薄れています。


広告部が、企業のコミュニケーションに関わるすべての部門と統合され、コミュニケーション部となる、ならねばならぬ、なるしかない、時がそこまで来ています。


このことは「TV-CF製作に詳しい」、では役に立たない不安定さの蔓延と、「コミュニケーション全般に精通してます」、という知見がビジネスに貢献できる新たな自由の誕生とも捉えることが出来ます。


今でも、TVを見ながらCMが流れると、解説する側に回ってしまうほどの刷り込み様なので、この癖も早く直さねばなりません。(笑)

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