ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

02月21日

インフルエンザB型の次は軽めの胃腸炎・・・・、家族の罹患連鎖に巻き込まれております。あー、本調子は程遠いっす。


その合間に子供とスキー、父がうまくならんのは体調不良のせいだな


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6歳の娘はスキースクールへ。
疲れ果てて五体投地の図


月に一回しか近況報告は更新していませんので、せっかく見にきている方々に何かはネタになりそうなお題でもと思っておりますが・・・。


マーケティングを仕事にする経緯なるものを以前に書いたので、今回はコンサルタントを生業に15年以上も長持ちした理由について綴ってみようかと思います。


◾️コンサルタントを生業にし続けられた理由について


会社員時代はメーカー勤務の経験しかありません。コンサルティングは手探りで独学だったと言えます。まあ、コンサルタントとして手引書片手にしながら会議に臨むことは、あまりにも危険です。やはり、それなりのポリシーというか、スタイルは持っておりました。


それはインテグラル思考というものです。昨今「ティール型組織」が話題になっているようですが、その大元となっているのはアメリカの思想家ケン・ウィルバーのインテグラル思想です。


インテグラル思考は、その思想の方法論でして、かなり影響を受けました。特に、ファシリテーションをするときの基本的な態度はインテグラル思考がベースになるぐらい、心酔と援用をして今日まで来ております。


インテグラル思考の中心的な考えは非常にシンプルです。


「すべての意見は部分的に正しく、部分的に間違っている」という考え方です。


この考えの最も重要なところは「すべて」というところです。例えば、プロジェクトでファシリテーションをしているなら・・・・


Aさん「私は、戦略方針はXがいいと思います。なぜなら・・・」
Bさん「私は、戦略方針はYがいいと思います。なぜなら・・・」


通常、このXとYを比較しながら、新たな発想でZに行き着く弁証法的なアプローチが手筋となります。


じゃあ、プロジェクトメンバーとの会議中で、こんな場面ならどうしますか?


Aさん「私は、戦略方針はXがいいと思います。なぜなら・・・」
Bさん「私は、戦略方針はYがいいと思います。なぜなら・・・」
Cさん「すみません、通常業務があるので、この会議から早く抜けます」


Cさんの話は弁証法に引っかからないものとして扱われるのが普通でしょう。しかし、インテグラル思考ではこのCさんの意見も「部分的に正しく、部分的に間違っているもの」として同等に扱うのです。


確かに、Cさんの意見は課題階層が異なるので、変容させる必要があります。


「通常業務が、この会議より優先順位が高そうに見えますが、その理由はなんでしょうか?」


「CさんとCさんを取り巻く社内の関係者が、このプロジェクトが通常業務より優先順位が高いと認めるぐらいのゴールがあるとしたら、それはどんな感じが望ましいのでしょうか?」


「AさんとBさんは、Cさんが考える望ましいゴールイメージから見て、X、Yの戦略を変更するとしたら、どうしますか?」


「他の皆さんは、Cさんのプロジェクト参画の優先順位をあげることに貢献しながら、戦略X、Yを改定していくための運営アイデアがありませんか?」


まあ、思いついただけでもこんな質問を投げかけるのではないでしょうか。現場での言い回しはもっとくだけてますけどね。切実な話になれば、ユーモアも必要だし。ともかく、なんとか全意見を編み込むように「部分的に正しいを増やし、部分的に間違っているを減らす」動きをグループ全体の鼓動に増幅していくのです。


例示なので、ここでの登場人物は3人です。実際には、これが6だとか8だとかになりますから、意見の分散度合いは激しくなります。たぶん、無言のメンバーがいたなら、その無言さえも意見だとしたら、どう解釈するかを当人から引き出し、グループ内で扱う課題まで昇華させることになります。


はっきり言って、面倒臭いです。本当にかったるいです。だが、それが世間の縮図であり、社会のミニチュアではないかとも思えます。これはこれで世界をより正確に説明しているなら、プロジェクトのゴールに深さを与えてくれる誠実な道筋と信じているのです。


まぁ、こんなスタイルで仕事が継続したわけですからね。この構えはそれなりに有効だったのでしょう。当然、小生との相性もあるので、万人にオススメなわけではないですけど。こんな芸風が長生きできた理由の一つではないかと。


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