ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

10月23日

現在進行形の既存事業(ヤスハラ・マーケティング・オフィス第一ブランド)の仕事は、ビジネス・プランニングの研修です。初回と最終回はワークショップで締め、その間をグループごとに自分たちの考えるビジネスをフォーマットに埋めるというものです。


言葉を足しますと、初回にフレームの使い方を、最終回にはグループごとの発表とそれをベースにしたプランニングに関する振り返りのワークショップ(プレゼン素材をみんなでコンサルティングする)をします。


そして、もっとも重要なのが、この中間期間にグループで(メンバー同士が遠隔にも関わらず)最終回向けの発表を作業し、その進捗の内容をヤスハラが電話でフォローするというものです。


ヤスハラは7月の初回と12月最終回は東京の会場に立ちますが、8−11月期の4ヶ月間は電話だけでメンバーからの進捗や相談、質問を受けていくわけです。メンバー総勢24名。なので、原則24人との電話でのコミュニケーションとなります。


24人で各30分程を電話で、あーだこーだをやるので、なかなか歯ごたえがある作業です。でも、松本の自宅から山を眺めながらの仕事ですからね。ありがたいことだと深く感謝しております。


◾️二つの沈黙を待つ男


電話だけでコンサルティングする場面も結構あるので、そこでの勘所についてのメモです。


電話ですから、クライアントの抱える悩みや課題を汲み取ったり、解決の切り口を差し出してみたりを音声だけでします。この時、一つの指標となり得るのが沈黙です。もちろん、言葉のやり取りが重要なのは言うまでもありません。だとしても最も大切にしたい崇高な現象こそが、沈黙ってやつなのです。


コンサルティングは相手の認知的な変容を促すことがその存在意義です。すみません、固すぎる表現でした。コンサルティングって軽くまとめると、相手が心の中で何か唸ったら大成功!なんすよ。


それが課題の解決によるスッキリ感のウームか、新たな疑問が鮮明に浮かび上がってきた時のウームかは関係ありません。前の本人と後の本人で世界の見え方が変わったらいいわけで、それが心の中の唸り声であり、これは電話での数秒間の沈黙となって表出するのです。


だからですね、ヤスハラは電話でやり取りしながらも、どうしたらこの沈黙がでるかを探っては問いやアイデアを受話器の向こう側にいるクライアント(研修参加者とかも)に向かって発信し続けます。「あー、早く沈黙が起きないかなー」って願いながらね。


軽快な会話が成立している時はほぼほぼコンサルは役に立ってません。意思疎通ができているような感覚って気分はいいけどね。存在価値ゼロでございます。この逆もちょっとよろしくありません。双方が対立し、自説で相手を説得し合おうという会話になっている場合です。たいてい、早口になってたりするけどね(苦笑)。言葉の数ほどの進展はないのでした。


沈黙とは、コンサル、クライアント以外の第三者、つまり、クライアントの中にいる新たな視点が語り始めた証左なのです。「まてよ、もしかするとこういうことなのかな?」「いや、違う。しかし、この違う感覚はどこからきてるのだろう?」といった何か気づいちゃったかも的世界が広がるということなのです。


この瞬間、ヤスハラとの電話での会話は途切れます。「ちょっと重要な話が湧き上がってきたので、ヤスハラさんと話してる場合ではない」からですな。で、待ちに待った沈黙がやってくるのです。ほんの数秒だけどさ。


さて、そこには2種類の沈黙があります。過去に関する修正点に気づくものと未来に関する転換点に気づくものの二つです。過去に関するものは、「しまったなー、あそこでこうしておけばよかったかもしれないな」といった内省としての気づきです。


そして、未来に関するものは、「おおっと、するとこういう展開っていうのがありえるのかも」という展望についての気づきです。些細なレベルだとしても、どちらも立派な認知的変容であり、俗に言うダイアローグの妙ってやつですな。


余談ながら、30分程度の電話のやり取りでこの2種類がそれぞれ出たなら、もう大手柄だと思っております。せめて一つはなんとかせねば・・・、いつも、そうやって仕事中に沈黙を待ち続けているのでした。


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