ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月31日

大晦日になりました。
2006年も意味深い年でした。正月休みはたまった仕事関係の購入済み未読本の山を片付けます。


そんな合間に、遅まきながら「20世紀少年」1巻~22最新巻までを一気読了しました。「アキラ」や「エヴァンゲリオン」、果ては、いしかわじゅんの「約束の地」までをモチーフとして散りばめた40代男性・関東圏育ち者は必読の書ですな。


同時に「もやしもん」1巻~4最新巻までも完読、まずは漫画三昧です。こちらはアルコール会社勤務の方、必見というところかな。かもされました(笑)。


まあ、そんな気楽な年末を過ごせている2006年です。さてはて、2007年はどうなることか? 一応、次ステージの準備期と位置づけております。仕込みですので、あまり人にお見せするものに乏しいせいもあり、、克己を旨に過ごしていく所存です。

12月27日

昨日がコンサルティング業務、仕事納め日でした。ちょっと早いですが、本年も関係の皆々様には多大なる援助と成長の機会を与えていただき、ただただ感謝いたします。


独立してちょうど丸7年です。近況報告を振り返るに、一年の濃さを感じます。まあ、毎日が冒険の日々のような仕事なので、おおっと、ここまで来たか、という感慨もあります。


この仕事を長く続けたい、この仕事を大きくしたい、元来、そんな感情からは無縁でして、この仕事を通じて自分を深めたい一点なんですね。ですから、自分を深めること、仕事で貢献すること、生活を充実させることを一致できている今を有難く思っています。


■人生のハト時計


青島幸夫氏が他界しました。テレビの人でした。テレビの興隆期から全盛期までを真ん中で過ごした一人ではないでしょうか。都知事選挙で選挙告知活動を一切しないでも当選できたことは、そのテレビが与える力を象徴する出来事とも言えます。


テレビが絶対的なパワーを持っていた昭和の後期は、同じ世代の人に同じスターやタレントが共通のシンボルとして刷り込まれて行った時代です。視聴率30%以上なんてザラでしたからね。


また、この頃のテレビには茶の間向けの「明日への希望送信装置」のようなところがあり、ドラマであれバラエティであれ、多くの人々は予告編に踊らされるように画面の前に集ったのです。


さて、こういったシンボリックな人物が人生を全うして鬼籍に入っていく、自然の摂理ですから何ら不可思議ではないのですが、そのニュースは過去にシンボルとして刷り込まれた人々にはそれなりの同時発信のメッセージとなります。


「明日への希望送信装置」があまりにもインスタントであったツケなのか、今度は「人生のハト時計」が残された時間をカウントするかのごとく、時報となって返ってきます。


ハトが鳴くたびに迷いが減っていく生き方をしたいものですが、いかがでしょうか。

12月21日

マーケティング革新フォーラム最終回が終わりました。参加の皆様、パネラーの皆様、関係者の皆様、お疲れ様でした。新しい試みでしたが、非常に有意義に感じましたが、いかがでしたでしょうか?コーディネーターとしても刺激が多く、感謝しております。
 


■マーケティング革新フォーラムからの雑感


スピーカー:宮下 和也さんは花王(株)で、パーソナルケア第1事業本部 シャンプー・リンスグループに在籍されてます。今回は「アジエンス」のマーケティング業務について発表がなされました。元々、花王さんはトイレタリー文脈でのマーケティング・プロセスでは最高峰でしたが、この「アジエンス」では化粧品文脈のマーケティング・プロセスを積極的に取り入れて成功しました。


ただ、その道のりが嶮しかったことは想像に難くありません。これもシャンプー市場NO,1からの陥落が引き金になっているそうで、どこの会社も自社の自信満々の手法を組み替えるには外的なショックが不可欠なんだなあ、という日々のコンサルティング先での話と重ねながら聞かせていただきました。

   
日産自動車のインターネットマーケティングというテーマで、スピーカー:マーケティング本部 販売促進部の工藤 然さんからWEBに関する最前線の現場の取り組みについて伺うことができました。試行錯誤が進んでいるので、かなり知見がストックされていることに驚きました。また、終了後、工藤さんには懇親会にも参加頂き、最近の自動車市場についても、参加者と意見交換ができました。お忙しいところ有難うございました。


ちなみに、日産と言えば本社がみなとみらいに移転するという予定になっていますが、これは自分としてはとても良いことだと思っています。本音を言えば、業績が厳しかった頃、神奈川県の座間工場閉鎖時に、座間へ本社を移転して欲しかったです。この話は何人かの日産本社の方にも話したことがありますが、本社の人間に自動車で通勤して欲しいんですね。


朝、自動車に乗れば、自分の車以外に、道で多くの他の車も目にします。また、運転後に仕事の会話が始まるのはアイドリング終了状態なので、入れ込み度も高くなります。
もっと良いことは、東京から神奈川の奥地まで車で出入りする関係業者は本当に自動車が好きでないと通わないだろう思われ、当然、そういう人々の知識が知らず知らずに会社内へ入ってくるというメリットがあります。


銀座本社ではほとんどの人が地下鉄です。街中を走る車の風景も見ずに行き来してしまうことは、長い目で見て損なことが多いのではないでしょうか。


「商品は売るものではない。使ってもらうものだ」、こういう発想に自動的になってからデスクに向かえるかどうかは非常に重要な環境差と言えます。

12月18日

週末から休日にかけていろいろな方からいろいろな話を聞くことになりました。


◆大手広告代理店に勤務する友人からの話


金曜日に久々の情報交換会をしました。広告業界が厳しさを増しているのは、従来の広告業務(クリエイティブ作業、メディア作業)共に工程数が多くなっていることにあります。
WEB作業が「ついで」の時代から、クロスメディアとして、メディア単体とメディア統合の両方からの作業を要求されれば、作業数×作業時間が増加します。ここがきついんですね。


WEB系ではメディア・コストもクリエイティブ・コストも下がってますからそこで工程をこなす人件費とイッテコイになるのであれば問題ないのですが、こちらは変動費の扱いです。


なぜこうなってしまったのかというと、コミッション制の牙城であったトラディショナル・メディア(TVなど)の延長にWEBを組み込んでしまったが故、とも言えます。


では専門性を高めフィーでと考えたいところですが、そのための知識のインプット自体が物理的に辛い負のスパイラルが顕在化してきています。


◆公立高校に勤務する教員の方からの話


日曜日に心理学勉強会で高校での教育現場で、教員の質の問題について教えてもらいました。旧来の知識中心の教育から、より思考力中心の教育と言っても、教員自体のスキル向上に関して仕組みが弱いので、結果、授業崩壊・学級崩壊・果ては教員の精神的な病へと至る悪循環が存在しているそうです。教員・生徒共倒れですね。


教員の教育技能レベルが先行してから、教育コンテンツが語られるべきところ、完全に後手になっています。


ますます個々の教職員は自助努力で対応しなければいけなくなり、できない教員はスポイルされ、そのシワ寄せが残った教員へ降りかかり、物理的なインプット時間を消失させてしまうという、ここにも負のスパイラルが出現しています。


なかなかキツイ話の連続でしたが、それぞれ希望を持った前向きの方なので救われました。この二つの話は別々の現象なのだろうか、それとも底流には何か共通のものが流れているのだろうか、ちょっと考えさせられています。

12月12日

徐々に年末モードへ。忙しさが減ってくれば、必然的に学習量が増えていきます。


■その1:
人から薦められ「フロー体験 喜びの現象学」(チクセントミハイ)を読み始めました。フロー理論は知っておいたほうが良いとのアドバイス、有難うございます。
学ばさせていただきます。


■その2:
オープン・セミナーも年内最後にマーケティング革新フォーラムのコーディネーターという役目を授かっております。


マーケティング革新フォーラム第5回 
2006年12月19日(火) 【生活者の変化とマーケティング戦略】
スピーカー花王:「ヘアケア」のブランド戦略(仮題)
スピーカー日産自動車:インターネットマーケティング(仮題)


進行もさることながら、また勉強させていただけることに深く感謝いたします。


12月08日

クライアントから報告済みユーザー調査に関する追加クロス集計の依頼がありました。弊社と契約しているリサーチャーが間髪入れずに対応したのは、12月に新婚旅行に行く予定があるためだったのですね。
動きが分かりやすいです。


業務案内でも触れてますように、弊社はリサーチ、新製品開発の単発案件に関しては原則受けない方針なのですが、なぜか、毎年そのものずばりの案件依頼が複数来ます。料亭に遠路はるばるお客さんがやってきて「ここのまかないは評判らしいねえ」などと、メニューも見ずに注文されてしまう板長のような気分です。


私立探偵事務所もいつもは扱わない依頼から物語がスタートして、中盤には大きな事件に巻き込まれるというのが定石なので、そう思えばちょっと自尊心もくすぐられますけどね。しかし、現実の世界では大きな事件が起こることもなく、またもや扱わない依頼が舞い込んでは繰り返されていくのです。(笑)


確かに、世の中の受容は量的には圧倒的にこっちの方が多いし、弊社のフィーも安くないので決してビジネス的な不満がある訳でもないのですが、それでも「社内のマーケティングの仕組みを作る仕事」に固執するのは・・・


1:他にやる人がいないから
2:リサーチや新製品開発業務って時間優先で、自分のペースが乱れ易いから
3:一旦、そう言ったら、最後まで通したいから


意外と(3)の意地だけかも知れませんな。
まあ、しかし、10案件あれば1案件は弊社ドメイン業務(言い切れるかなあ)へと続いていくので、きっと良いたゆたい方だと信じ、着流しさながら流されて生きております。

12月01日

着流し秋休みもそろそろおしまい。


10月、11月の忙しさが嘘のような静けさを味あわせていただきました。さしずめ、休覚の秋。PCをバックで担ぎながら、よく素通りしているが立ち寄ることはないご近所の街へ魅惑のカフェを求めて冒険の旅をしました。とはいっても、元住吉とか尾山台とか東急沿線なので、ちょっと電車で行く秘境です。


収穫はカフェ一軒のみ(ちなみに、蕎麦屋は二軒)、といったところです。


カフェ、正確には喫茶店。通常はスタバ、タリーズ、ドトールなどで充分ですが、できればマスターが己の美学で店を仕切っている独立系の喫茶店に通いたいのです。そして、そこで読書やら物書きやらで過ごすことを愉悦としています。


実は、自分も喫茶店オーナーに憧れた時期があります。それも学生の頃で、その影響も少しはあるのでしょうか、コーヒー系食品会社への入社に至ってしまったのでした。


喫茶店で独立するノウハウを習得したいという願いは働くうちに忘れ去られ、知らず知らずのうちにマーケティング・コンサルタントで独立するノウハウを習得してしまったという結末です。


しかし、実際にカフェを生業にし、糊口を拭っていくのは大変なことです。学生時代読んだ本では固定費の圧縮を強く主張していて、カッコいい場所にカッコいい店内なんていうのがいかにリスキーか解説していました。職は違ってもその残影なのかな? 弊社サテライト・オフィスはすべて顧問先で、顧問フィーとバーターなのです。


いずれにせよ、店を持つというのはかなりの執着というか執念と、冷静なビジネスセンスの両方が必要なので、生き延びていける人は非常に少ないようです。反対から見れば、生き延びている喫茶店はそれなりの独自の何かを持っていることになります。


長生きしている独立系カフェのオーナーはほとんどどこかの専門店で修行をした人たちで、カフェビジネスの極意を体で身につけたところがあり、世界観が明確です。一方で、短命な店の多くは見様見真似で雰囲気に流されて起業してしまっています。


などなど、晩秋のままの師走、尾山台のカフェにて深慮、浅慮。ここはなかなか良いです。

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