ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

03月31日

目黒川の桜も開花し始めました。
まだ一分咲きですが、一気に駆け上がる気配を見せています。
今年の桜は鎮魂花ですから、散り際がさぞ美しいことでしょう。


■淘汰圧に応える


東京に住んでいるせいもありますが、今回の震災の影響には多くの淘汰圧を感じます。ビジネス淘汰圧、生活スタイル淘汰圧などなど・・・、つまり、絶滅するビジネス、消滅する生活様式に通じます。


今までのビジネスや生活を復元しようとする力以上に強い淘汰の力がかかった時、人はどうするのかなあ、なんて思ってたりします。


大きな淘汰圧はある意味、カーブした道路のガードレールみたいな物とも言えます。どちらの方角に向かうかは分かりませんが、もう一度まっすぐ走り直すことだけは出来ません。


主宰しているマーケティング・ワークショップ研究会でも、参加メンバーからのリクエストを受け、311をテーマに長期マクロ分析のワークショップをしようと思っています。 

03月24日

なんだか東京は「おもいっきりイイ!テレビ【ブラック版】」みたいになってきましたね。


ミネラルウォーターが体にいいらしいですよ、奥さん!
→翌日ミネラルウォーター売り切れ
ほうれん草が健康にいいらしいですよ、奥さん!
→夕方ほうれん草バカ売れ


この逆版みたいな(苦笑)。自虐ネタです。


◆先週が自宅待機状態だったため、今週はクライアントでの打ち合わせが連続しております。反動ですね。行く先々で、東北の被災との関わり合いを確かめてから、仕事に入ります。従って、こちらがちょっと沈黙してしまう局面もあります。時候の挨拶にしてはシリアスですが、当分の間続くでしょう。


容器が納品されないので製造できない、というメーカー側の話も多く聞き、経済が繋がりで回っていることを身に染みて感じます。また、サイトアクセス数は変わってないのに購入人数は減っている、というネット通販での現象からは、かなり心理的な影響が大きいことも読み取れます。


それでも、人と会うっていいですね。個人事務所だと会う人の数は仕事の回数に比例します。ちょっとした会話でもお互いが持ってるストレスを軽減し合うようなところがあります。人は集団の生き物であることを実感しております。そういう場面に感謝です!

03月16日

原発事故について、というか、事故進行中について


昨日、ここ数年連絡のなかったオーストラリア人の知人とペルー人の旧友から、いきなり「Are you OK?」のメールが来てました。人の繋がりの有り難さと、こりゃかなり報道されてるのね、の両方を体感しております。


■原発事故の視座を変える


もちろん未曾有の危機を秘めていますが、情報を入手したところで何ともならない状況は変わりません。ニュースを見ないようにしても気になるし、ニュースを見れば滅入るしといった感覚ではないでしょうか?


こういう時、敢えて視座を変える質問で出来事を見ていくというのも、精神衛生上有効ではないかということです。


【電力で考える人類の進化】


電力は人が生み出したものですが、それは環境にあるものを活用しての発明です。その根っこにある活用資源は以下のように区分けでき、時代を追って規模と複雑さが増して行く流れにあります。


水力発電・・・・・・・・・惑星-重力の活用
火力発電(石炭)・・・生物-植物の活用
火力発電(石油)・・・生物-動物の活用
原子力発電・・・・・・・知性-核の活用


原子力自体は鉱石利用です。しかし、自然界からの流用ではなく、実験室から創り上げていったもので、知の集約と捉えてみます。


こうやってみると、惑星基盤→生物基盤→知性基盤という、宇宙の進化のような図式になります。そして、知性の発露である原子力発電が、大事件を引き起こしているということにどういうメッセージがあるのかを考えてみるのです。


1:知性の上限を示している
・・・モダニズム(人類が自然を管理できる世界ほど良い世界)が否定されたのではなく、現在の自然統御のための知的レベルが未だ低いだけであり、より完成度の高い原子力発電を目指す


2:知性が原点回帰すべきことを示している
・・・モダニズムを否定し、ポストモダニズム的な流れへ。風力発電(惑星ー風力活用)、太陽光発電(恒星ー太陽活用)など、与えられた世界の利用へと重心が戻る


3:知性の全く新たな方角を示している
・・・そもそも電力というエネルギーに頼っている文明そのものを反省し、それに置き換わるべき全く新しいエネルギー概念の創造と活用へ向かう


個人的には3を押してます!が、ここでお伝えしたいのは葛藤に向き合わねばならないとき(情報は思考には益だが、情報は感情には害だといった場面)、大きな問を立ててみると少しは頭の中に余白ができますよ、ということです。

03月13日

いかがお過ごしでしょうか?


まずは3.11大震災の影響で被災された方々にお悔やみを申し上げます。また、今後の復興へ一緒になって向かうことを誓わせていただきます。


【帰宅難民報告】


自分の場合はクライアント先での打ち合わせ中に地震に遭遇しました。ビルの外に出たのですが、大きなビルとの間が狭い空間ではビルの角先に避難しておくと良いようです。居合わせた建築業の人たちから教えてもらいました。ビルと平行だと壁などの落下物の危険があるからで、建物と斜めな関係がリスクが少ないとのことです。


幸いにも場所は田町でしたので、中目黒は歩ける範囲でした。しかし、国道1号をはじめ、幹線道路の歩行者(車も)は尋常な数ではなく、歩くというよりは摺り足で進むほどになっていました。


時間をずらすかどうかを思案していた場面だったので、クライアントの方々が部門全員で夕食も兼ね近所の居酒屋で過ごす案に合流させてもらいました。これは非常に助かりましたね。腹ごしらえや暖がとれたこともさることながら、何と言っても心細さも落ち着きます。有難うございました。


結局、夜9時過ぎになってから徒歩にて約1時間半で自宅に到着できました。ちなみに、今回は身内の安否ではツイッターが活躍し、災害全体、運行状況などといった客観情報の入手ではワンセグ(飲み屋で他の人のワンセグを眺めさせてもらいました)が有効でした。


大型地震-津波被害-原発事故となると、この事態は国難ですね。自分は健常な生活を営めてますので、インフラでの制約や自制は当然として、業務の優先順位も状況に応じて下げていく覚悟です。とは言え、まあ、気負うこともなく、粛々と歩いて行きましょう!

03月10日

花粉がキツイ季節です。マスクとミントは欠かせません。


今週来週はコンサルティング業務が連続しております。先週の温泉旅が嘘のよう、というか、その日程の反動なのでしょう。定期的なもの、短期(といっても半年だが)なものなど色々あり、頭の切り替えが大変です。ただでさえボーッとし易い状況ですからね。


■「売れる」ことと「売れ続ける」ことは違うということ


こういう仕事をしているとよくビジネス・アイデアを人から相談されます。それもかなり自信満々の人たちからが多いのです。きっと、これならマーケティング・コンサルタントも唸るだろう、という気持ちもあってかと思います。


それほどの案ですから、どれも面白いなあと感じますね。しかし、大抵は「成功まちがいなしです。ただし、売れ続けるかどうかは別」なものです。すると、唸りも半分程度か?


「売れる」ことは決定的に「売れ続ける」ことと違います。もちろん、トライアルとリピーターではそこにクオリティの問題がありますが、この品質(商品内容、サービス内容に関わらず)の課題は必要条件の1つに過ぎません。


ビジネス・アイデアを評価する時、以下の3点で観ていきます。


①ロイヤル・ユーザーができるような品質は実現可能なのか?
②新規のビギナーの獲得コストが下がっていくような構造なのか?
③自社が顧客から利益以外の得る何かがあり、ストックしていくサイクルを持っているか?


①は先に述べた必須要素でリピーター育成のベースです。②はビジネス効率が上がっていくベースで、増収に頼らなくても、長く続ければ続けるほど増益が可能な姿です。


特に自分が重視するのが③です。この何かは、経験をもらって知識やノウハウにする、感謝をもらって自信にする、紹介をもらって新規開拓にするなどがあります。「顧客と共に進化する」と呼べる部分がここです。


③の部分は弊社であれば、コンサルティングの具体案件から未知の課題への新しい手法を習得していく、褒めてもらうことで(たまにですけど・・・笑)強味の在り処を知る、顧客からの小会で営業なしにコンサルティングに打ち込めるなど、「顧客と共に進化」らしきものが存在します。


ここが回っていると、結果的に長くやればやるほど競争優位が増加するという好循環になります。目標を「長生きする」とするだけで、より自然体な姿になっていくわけです。


よって、「売れること」のみに焦点が当たっている方には「売れ続けること」を組み込めるかどうかが大切であるとアドバイスさせていただいております。実はそんなに難しくないんですね。単純にお客さんの存在自体にコミットしていこう!という気持ちだけです。それをできれば仕組み化して準備して欲しいのです。

03月04日

温泉へ行ってまいりました。行き先は鬼怒川。非常にベタですなあ。別府、熱海に次ぐいかにも温泉郷です。


ここも閉鎖したホテルや旅館が点在し、ちょっとした廃墟のエリアもあってビビりました。それにしても温泉の地って日本酒の銘柄と似てますね。全国区なものは温泉も清酒も廃れ気味ですね。


しかし、実際は旅籠一つ一つの創意工夫の差が招いた結果なのです。ここもお酒と同じです。地酒全てが売れている訳でもありませんし、ナショナルブランドが全て売れてない訳でもありませんからね。


くだんの逗留先はすこぶる泉質も良く、なかなかお洒落で静かな佇まいもあり、居心地の良い宿でした。平日にも関わらずお客さんが多いのも頷けます。


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漂泊の友はチベットの生と死の書で、日がなもがなめくりながら、湯-食-眠を繰り返しました。決して、鬼怒川温泉往時の栄華を偲んでの選定ではないよ(笑)。


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「チベット死者の書」(名前似てますが、これが原典の方です)は難解なようなので、こちら(↑写真掲載)を購読しました。いずれにせよ、50歳過ぎたら必読ですな。いや、遅いか・・・。


西洋視点(今の日本も含む)だと「生の次に来るものが死」という直列関係の死生観です。でも、真摯に生きることを希求するのであれば生と死はセット、つまり生と死は並列関係に観るべきだという趣旨の本です。


日々多忙に流されていると、なかなか「死」と向き合うことはできんけど、ロケーションが諸行無常感を増幅させたのは間違いないです(苦笑)。

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