ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

07月08日

7月7日は創業記念日です。


去年が独立してから20年目で、今年は会社設立から20年目になります。個人事業主から有限会社にしたのが、独立してから約1年後なのです。この微妙な立ち上がりは以下のように流れでした。


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2000年4月:
最初の本となる「入門ブランド・マーケティング」(プレジデント社)が発売になったので、これと同時にマーケティング・コンサルタントを職業として宣言して、スタート。もちろん、いきなりクライアントはこない。シーンとした日々が3ヶ月ほど続く。先人たちからは3年ヒマを覚悟して起業しろと言われてたので、特に焦りはないが、することもないから、やはり「これで大丈夫なのか」と思う機会は増える。


2000年7月ごろ:
会社員時代のつながりからいくつか研修などの単発オファーをもらう。やはり、円満退社は大切だ!w 初めてフリーランスのヤスハラにお金が振り込まれる。おおーって感じ、僕だってできるんだ!、ってな少年的な喜びがあった。


2000年9月ごろ:
今まで面識のない会社、それも複数からコンサルティング案件を依頼され始める。稼働率が急激に上がる。本当に一気にっていう感じで、年末にはフル稼働だった。


2001年3月:
振り返ると、9月ー3月の半年で、会社員時代最後の年収を上回ることになっていた。計算上は2倍の収入になっているってことです。そうなると俄然、これでまずは行けそうだと確信する訳です。まあ、気分はもっと情緒的な風情かも。銀行で記帳するたびに、帰り道に遠い目になるのだった。「空が青い」って感じかw。


2001年7月7日:
フル稼働は変わらず。これは会社にしたほうがクライアントとの業務契約上も、税務上もいいという判断から、有限会社にする。そこから20年目が2021年7月7日なのです。


ありがとうございます。こうやって綴ってみると、しみじみ痛感させられるのです。皆々様のおかげ以外の何ものでもありません。感謝です!!


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1年ちょっといいながら、心の中には濃い目のドラマが展開していたわけですよ。起業すればその大小は問わず、全員が全員、誰にとっても忘れ難いであろう立ち上げ時期の話だけどね。もちろん、その顛末は全員違うのだ。


さて、会社設立20周年記念、「フリーランスのための知ってて損のない知識」を書いてみます。損はないけど、役に立つかどうかは貴殿次第。


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第一回<フリーランスのフィーはいくらにするか?>


いきなり金の話で恐縮だが、もっとも最初に来てしかるべき項目です。だって、そこがフリーランスになれたか、なれてないかの分水領だからね。あと、人からよく聞かれる項目でもあります。なので、ヤスハラ視点のフィー設定法を書いておこうと思います。


1)必要年収を設定する
参照するのが、会社員時代の最後の年収。会社務めない人は、自分がどのくらいの年収の生活が満足できる生活と言えるか、という観点で設定します。これだけあればフリーランスを選び、やり続ける理由になる金額です。


2)時給換算にして3倍にした金額
さて、必要年収を年間の平日数X8時間として、1時間当たりの金額を出します。そして、これを3倍にする。この3倍が重要です。実際、フリーランスは一人親方なので、そこに休養が必要です。もう一つは仕込みです。知識やアイデアを発想するための刺激のために時間を割かねばなりません。ということで、休養時間&仕込み時間を同等に扱う目安として、3倍にするのです。ですから、これは贅沢な金額ではなく、サステナブルな職業になるための下限値です。分業がある組織は、インプットの時間も有給によるリフレッシュもありますが、それを自前で用意することが必須なのです。


3)フィーを値上げする場面
特に業務依頼の需給バランスが需要過多の傾向になったら、ぜひ、ビビることなく値上げをしてください。ただし、今までのクライアントの単価は変えてはいけません。出し値の後からの変更は不信を招きます。経験則ですが、6倍以上(3倍のその2倍:3倍にできた人が二人いる)になるとトライアルの発注はあってもリピートにならなくなる確率は上がります。よって、それでもいいという覚悟とクオリティへの自負がある場合です。まあ、貴殿がめちゃ有名人になれば、クライアントも成功者のオーナーとかになってくるので、単価の上限はこの限りではないです。


4)時給換算にして6倍近くまで引き上げた時
この時給換算はどこまで引き上げていいかというと、先にも書いたように、ヤスハラは上限としては6倍までとしてます。これは一種の「上がり」です。今までの仕事の内容を大きく変容させる時期が来たという知らせだと思ってください。評判が高くなったから単価が上がるのは素晴らしいことです、しかし、それはクライアントが「あの感じでこの仕事をしてくれ」っていうことなので、徐々にパターン化した業務になってくるからです。時代とのズレが起きた時、急激なレガシー化が待っています。


いずれにせよ6倍に来ると、もう一人の3倍になった自分と何もしない自分がセットにできるわけですから、人生自体のステージ変更にその一人が専念できるのです。生活でのリスクをミニマムにしながら、未来に向かう準備時間を与えられたことになります。残りの人生でやりたい仕事(生活)を探求することをお勧めします。


人生の後悔は年収では取り返せません。


5)時給換算にして3倍を下回りそうな時
どの案件もすべて基準をクリアすべき、とは言えません。たとえば、頼まれ仕事みたいのもあったりします。それはそれで受託してもいいと思ってます。ただし、それがあなたの知見を広げてくれる、好奇心を満たしてくれるような案件なら、という条件です。これは先の仕入れの投資とイコールを意味します。自己研鑽にむすびつく仕事なら授業料分の値引きが入ってきます。むしろ、中途半端にお金をもらうより、いっそゼロで、「出世払いでお願いします!」というやり取りの方が望ましいことさえあります。仕事が学びなんて最高です。


・・・第二回はいつになるか未定w


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